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80話 結託した魔王子たち



 ぼくが第1魔王子を退けてから、数日が経ったある日。


 トーカの街からかなり離れた草原地帯に、ぼくは大翼で転移した。


「なっ!? どうなってるんだこれは!?」

「我々が強制的に、転移させられただとぉ!?」


 そこは周囲一帯なにもない草原。


 ぼくの目の前に居るのは、5人の魔族たちだ。


「お、おまえ……! 何をしたんだ!?」


 魔族のひとりがぼくを指さしていう。


「防衛用の結界を街に張っていたんだ」

「防衛結界だとぉ!?」


 この間手に入れた【強制転移】スキルを応用したものだ。


「街の外に結界を張って、害意を持った敵が内部に侵入した瞬間に、この何もない草原地帯に転移するようにスキルの設定をしておいたんだ」


「ば、バカな!? そんな高度なスキル使い方、人間のガキごときができるはずない!」


『ふんっ、エレンをただの子供と侮ったなバカ魔族ども。エレンは精霊使い、精霊のスキルの使い方に誰よりも長じておるわ。さすがエレンじゃ♡』


 ぼくは5人の魔族と相対する。


『若様。こいつらは全員魔王子です。第2~6王子。それぞれ名前はセコンズ、サード、フォース、フィフス、シックス』


 情報通の忍び、ランが、相手の情報を教えてくれる。

 5人も居るなんて、全員覚えられるか不安だ。


『覚えずとも良い、こんなやつらのことなど。どうせこの場でエレンが見事倒してみせるのじゃからな』


 不死鳥状態のカレンが、ぼくの肩の上で胸を張る。


「かっちーん☆ なにこの小猿、ちょーむかつくんですけどぉ~☆」


「心外である。魔族より遙かに劣る劣等種が図に乗るな」


 魔王子達がにらみつけてくる。

 けど、ぼくは怯えない。


「もうアーシアを襲うのはやめろ! どうして兄弟仲良くできないんだ! 同じ家族じゃないのか!」


 ぼくが言うと、魔王子達がゲラゲラと笑う。


「あー☆ おっかし~☆ アーシアが家族ぅ? 半魔と魔王の直系たる純血魔族のうちらを一緒にしないでよね?」


「その通りだよ、世間知らずのお坊ちゃん。あんな汚れた血と僕らが同列な訳ないでしょ? 家族? アーシアを家族なんて思ったことは一度もないよ」


「うむ。もっとも他の兄弟たちも、家族と思ったことはないであるがな」


「「「いえてる!」」」


 魔王子達の会話を、ぼくは信じられない気持ちで聞いていた。


「……愛すべき家族に対して、そんな酷いこと平気で言うなんて……許せない、ぼくは、絶対にゆるせないよ!」


 風神の剣を手に取って、魔王子達に突きつける。


「君たちは間違っている! 深い愛と絆で結ばれているのが家族なんだ! 家族同士での殺し合いなんて間違っているよ!」


 ぼくがそう言っても、魔王子達は呆れた表情でこちらを見てきた。


「きっしょ~☆ 人間サルが魔族様に説教垂れてる」


「分をわきまえろ、弱き者よ」


 魔王子達が戦闘態勢に入る。


第一王子ファウストを倒したって聞いたから、こうして全員で結託してきたけど、拍子抜けだね。まさかこんな弱っちそうな人間が相手なんて」


 第二王子セコンズが小馬鹿にしたように鼻を鳴らす。


「まあいいや、全員でボコってさっさと帰ろうか」


「「「「おう!」」」」


 5人の魔王子達に、ぼくは取り囲まれる。


「弱いものいじめになっちゃうね~☆ ごっめーん☆ でもきみが弱すぎるのがわるいんだよお~☆」


「今ここで調子乗ったことをわびるなら、苦しませずに殺してあげるけど、どうする?」


 セコンズが依然として馬鹿にした態度で言ってくる。


「ぼくは謝らない! 家族を大事にしない君たちの方が間違っている! そんな人たちにぼくは絶対負けない!」


「やれやれ……彼我の実力差もわからず虚勢を張るなんてね」


「愚かなり」


「じゃさっさと魔法で消し飛ばしちゃおっか~☆」


 バッ……! と王子達がそれぞれ、ぼくに手を向けてくる。


煉獄業火球ノヴァ・ストライク

絶対零度棺セルシウス・コフィン

颶風旋風刃ゲイル・スライサー

神聖十字槍グランド・クロス

冥府魔道葬ヘルヘイム・レクイエム


 5つの魔法が、炸裂……しなかった。


「え?」

「「「「「あれっ!?」」」」」


 魔王子達がぼくよりも、困惑している様子だった。


「そ、そんなバカな!?」「どうして! 魔法が発動しない!」


『またじゃ。また魔王子たちの魔核イビル・エレメントが失われておる。これは……やはり……母上が……』


 よくわからないけれど、これはチャンスだ。


「冒険者エレン……推して参る!」


 ダッ……! とぼくは剣を手に走り出す。

 最初は、正面にいたサードだ。


「う、うわぁああ! 来るな来るな来るなぁああああ!」


 剣を振るい、胴体を真っ二つにする。


「次!」


 その隣にいたフォースめがけて、手を伸ばす。


「ひぃいいいいいい! 嫌だ死にたくない死にたくないよぉおおおお!」


「【不死鳥の火矢フェニックス・アロー】!」


 強力な炎の矢は、フォースを貫通し、後ろにいたフィフス、シックスを巻き込んで爆発する。


『さすが若様! この一瞬で魔王子達4人を瞬殺するなんて! すごすぎます!』


 最後に残ったのは、第2王子セコンズだ。


「なんだなんだよなんなんだよぉおおおおおおおおおお!?」


 糸目で優男風の彼は、尻餅をついて泣き叫ぶ。


「僕たち魔族は狩る側なんだ! それがどうしてこんな弱っちいサルに狩られなきゃいけないんだ!」


「ふざけるな! 人の間に狩る狩られるの関係なんてない! みんな平等にこの星で生きてる仲間なんだ!」


 ぼくは手に持っている風神の剣を向ける。


「人の命を理不尽に、身勝手に奪っていく……そんな悪い魔族を、ぼくは絶対許さないぞ!」


「ち、く、しょぉおおおお! こうなったら奥の手だぁ!」


 セコンズは懐に手を忍ばせる。

 その手に取り出したのは、結晶。


「【ふくろう】からもらったこれを飲めば……」

 

 ごくり、とセコンズは手に持ったそれを口に入れる。


「うおおぉおおおおおお! 力がみなぎるぅううううううう!」


 たちまち、セコンズが何倍にも大きくなった。


『ふははははは! どぉおだいエレーン! この巨体を前に、君はどうすることもできないだろぉ!』


 だけど、ぼくは冷静だった。


『愚か者め。的がデカくなっただけじゃろうが』


「【不死鳥の紅蓮矢フェニックス・バリスタ】!」


 超圧縮した爆炎の矢が、ぼくから射出される。


 それはセコンズの胸に突き刺さると、大爆発を起こした。


「ぐああぁあああああああああああ!」


 セコンズは身体を爆発四散させる。


 頭部だけがちぎれて、放物線を描きながら、どっかへと飛んでいった。


『素晴らしいです若様! 数の不利をものともせず、魔王子5人を倒してしまうなんて! さすがです! ね、焼き鳥!』


『…………』


「カレン?」


『ん? ああ、すまん。ちょっと考え事をな』


========

はぁ~~~~~~~ん♡ 

4人を一瞬でぶっ殺したエレンちょ~~~~~かっこよかったよぉ~~~~~~~~~♡



あ、しぶとく生き残った第2王子セコンズへ、ペナルティを実行します。


========


【※お知らせ】


新連載、始めました!


「騎士団長は最強に生まれ変わった~腑抜けたおっさんと蔑まれてきた俺、ダンジョン奥地で部下に裏切られ全てを失ったが、賢者の元で修業し最強となって自由に生きる」



【作品URL】


https://book1.adouzi.eu.org/n1466gm/


頑張って書いたので、よろしければぜひご覧ください!


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タイトルを押せば飛べるようになってるので、ぜひ!

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 魔族が「神聖十字槍」なんてあからさまな聖属性魔法を使用しているのに違和感を感じました。
[一言] 「精霊ってどうやって生まれてるんだ?」 「基本的に精霊王によって生まれてるんじゃない?」 「なんでお前親知らないんだ?」 「僕は違うから、ま、企業秘密だからね!」 (ほんとにこいつ精霊か?)…
[一言] いや、あの~端からみたら惨殺事件だが・・・ 主人公の精神ぶっ飛んでね?
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