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40話 特S級



 水神を討伐したぼくは、ジェイド本部長とともに、ギルド本部へとやってきた。


 本部は、トーカの街のギルド会館の何倍も立派な作りだった。


「ジェイドさんだ!」

「お帰りなさい本部長!」


 ギルドに入った瞬間、ジェイドさんが人に囲まれる。


 人望に厚い人物みたいだ。


「本部長! よーやく来やがったか!」


 人混みをかき分けてやってきたのは、はげた頭のガタイのいい男だ。


「【バガミール】。どうしたのかね?」


 ガタイのいい男はバガミールというらしい。

 冒険者だよね。


「俺様の昇進についてだよ! いつ【特S級】承認されるんだよ!」


「特S級?」


 聞いたことのない単語だった。


「すまない、今は来客の相手をしなければならないんだ。その話は後でな。行こう、エレン君」


「は、はい……」


 ジェイドさんの後をぼくが続く。

 バガミールさんはぼくを見て、睨んできた。うう、怖い……。


 ややあって。


 ギルド本部長の部屋へとやってきた。

 ソファに座るぼくに、秘書さんがお茶を出してくれる。


「さてエレン君。改めてだが村を救ってくれてありがとう。君がいなければ多くの人が不幸になっていた」


 水神が倒された後、スキルであの村は食糧難を解決したそうだ。


 病気も治って、食糧問題も解決した。本当に良かったと思う。


「君の活躍は最高峰の冒険者にふさわしい物だった。これを受け取りたまえ」


 ジェイドさんが秘書さんに言うと、彼はぼくに書状を渡してきた。


「任命書だ。これで【緋色の翼】は正式なSランクパーティとなった。おめでとう」


「ありがとうございます! せいいっぱい、頑張ります!」


 帰ったらみんなとお祝いしないとね!


 ぼくは任命書をなくさないよう、アイテムボックスに保管する。


「それとは別に……エレン君。これはまだ打診の段階なのだが、【特S級】にならないかい?」


「それ、さっきバガミールさんが言ってたやつですよね。それって何なのですか?」


「Sランク冒険者の中でも、選りすぐりの実力を持つもののことだ。現在世界でたった4人しかいない。平易な言葉で言えば超エリート冒険者ということだ」


「へー……4人。すごいですね……って、ええっ!? ぼ、ぼくがその中の1人になるってことですか!?」


 冒険者はかなりの数がいる。

 そのなかでSランク冒険者は数%。


 特S級は、そのなかでの4人だから……。

 と、とんでもないことだぞ。


「無論私の一存で決められるものではない。だがギルド本部長の推薦となればほぼ間違いなく申請は通るだろう」


「け、けど……どうしてぼくなんかが、特Sなんてエリートに?」


「君の活躍を見れば至極当然と言える。誰もが強さを持つと増長するが、君は実に謙虚だ。その無双の強さと姿勢に惹かれた。是非とも私の力になって欲しい」


 と、そのときだった。


「納得できねええええええええええ!」


 ドガンッ! と乱暴にドアを蹴破って、誰かが入ってきた。


「バガミール。控えるんだ。今は来客対応中だ」


「うっせーよ本部長! 俺様は納得が出来ねえんだよぉ!」


 バガミールさんはぼくに近づいて、胸ぐらを掴んでくる。


「うぐっ」

『貴様! 若様に無礼を働くとは! 万死に値する!』


 後ろで控えていたランが怒り出す。


「だ、大丈夫だから。カレンも、落ち着いてね」


 不死鳥の炎を出そうとしてたので、カレンをいさめる。


「バガミール。その手を離すんだ」

「チッ……!」


 彼は乱暴に、手を離す。


「君は何をしに来たんだ?」

「外で話は聞かせて貰った! 特S級への推薦を、俺様じゃなくてこんな痩せっぽちのガキにするってよぉ!」


「彼はエレン・バーンズ。Sランクパーティ緋色の翼のリーダーだ」

「プロフィールが聞きてえわけじゃあねえ!」


 ビシッ……! とぼくに指をつきつける。


「この鋼の肉体を持つ俺様じゃなくて、どうして見るからに弱そうなこんなガキが特S級なんだよ!」


「バガミール。それは君の目が曇っているだけだ。よく見たまえ、彼の魂の強烈な輝きを」


「はぁ? んなもん見えるかっつーの! 納得できねえ! 俺様より強いんだったら話は別だがよぉ!」


「彼は君より確実に強いよ」


 ビギッ! と額に青筋が浮かぶ。


「ほ、ほぉ~……こんなガキに俺様が負けると?」


 パキパキ……とバガミールさんが指を鳴らす。


「おいガキ、勝負だ。ここでどっちが上か格付けをしてやるぜ。このSランク冒険者バガミール様のほうが、強いってな」


「やめておけ。エレン君と君とじゃ話にならないよ」


「うっせー! 本部長! 俺様がこのガキをぎったんぎったんにしてやる!」


 な、なんだか知らないうちに、戦う流れになっている……!


 無意味な暴力はしたくないし、別にぼくは自分が特S級になれるほどの実力があるなんて思ってないんだけど……。


「なんだ、怖じ気づいたのか?」

「いえ、不必要な争いはしたくないだけです」


「うっせえ! 調子のんなよクソガキがぁあああああああああ!」


 バガミールさんが突っ込んでくる。

 けれど……あれ?


 なんだか、動きが遅く感じる。

 ワザとやってるのかな……?


『それは違うぞエレンよ。そなたは【神霊核ハイ・エレメンタル】をふたつ手に入れたことで、存在の力が増したのじゃ』


「ど、どういうこと?」


『ようするにレベルが上がったのじゃ。動体視力も強化されておる』


 いつの間にかレベルが上がってたなんて。

 ぼくはバガミールさんの攻撃を避ける。


 彼はそのままの勢いで空振りし、床に激突した。


「ぐぇ……!」


 どさっ、と倒れる。


「な、なんだ今の動き……! 早すぎて見えなかったぞぉ!」


「見事な動きだ。さすがエレン君だ」


 ふらり、とバガミールさんが立ち上がる。


「ちきしょぉ! ぶっ殺してやるぅ!」


 ぼくに連打を放ってくる。

 けれどそのすべてを、紙一重で全部かわした。


「はぁ……! はぁ……! ち、ちくしょう! こうなったら……本気で殺す! 俺様の必殺スキルでなぁ!」


========

精霊使いへの敵対行動を関知しました。


バガミールへのペナルティを実行します。

→【拳闘士】のスキルを一時的に剥奪します。


========


「くらえ邪竜剛烈掌ぉおおおおおお!」


 しーん……。


「ぬぁわあにぃいいいいいいい!? す、スキルが立ち上がらないだとぉおおお!?」


 慌てるバガミールさんに、ジェイドさんが言う。


「そこまでだ。必殺スキルなんて危ない物を使う物じゃない」


 冷ややかな目で見下ろしながら、ジェイドさんが言う。


「バガミール。これでわかったろ。彼の方が強い。たとえ体格に恵まれなくともな」


「け、けどよぉ!」


「それに君には以前から素行が悪いとギルドに苦情が来ている。腕っ節だけでなく立ち居振る舞いも昇格の審査対象だ。君はふさわしくない」


「ぢ、ぐじょぉおおおお……!」


 彼はぼくを射殺すようににらみつけて、去って行く。


「……覚えてろよクソガキが。せいぜい夜道には気をつけることだなぁ!」


========

精霊使いへの敵対行動を関知しました。


バガミールにペナルティを実行します。


========

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― 新着の感想 ―
[良い点] まんま『テレビ版のジャ○アン』だなぁ(笑) …映画版だったらもっと漢気があるのに(笑) [一言] 言っちゃなんですが、精霊さん達(ある意味)やりたい放題ですね(笑) 全て良い方向に向か…
[一言] 親切にというか エレンに気に入られて剣聖や賢者になった魔法騎士やただのエルフがいたじゃないか
[一言] 馬鹿見-る が バカを見-る になるんですね?わかります
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