183話 精霊王、謝罪する【中編】
精霊王は頭を下げて、アスナに謝罪した。
「身重だった君を殺そうとしてしまった。新しい命をその身に宿したきみを……僕の行動は、自分勝手すぎる、最低なものだった」
かつてアスナが妊娠したさいに、ルルイエは先走ってしまい、エレンに黙って妻であるアスナを殺害しようとしたことがあった。
そのことについて、ルルイエはまだ謝罪していなかったのだ。
「ほんとに、ごめん……」
「ルルイエさん」
アスナはそんな彼女に微笑みかけて、うなずく。
「大丈夫よ、気にしてないわ」
「アスナ……」
「あなたがわたしの立場だったら、焦る気持ちもよくわかるもの」
「……でも、僕のやったことは、身勝手な最低なことだよ」
「それでも……結果的に皆無事なんだから。ほら、泣かないで?」
アスナの優しさにふれ、ルルイエは涙を流す。
「ごめん……ごめんね……」
「泣かないで。全てが終わったらきちんと話し合いましょう」
アスナはルルイエの顔を見て微笑む。
「そのときは、あなたの赤ちゃん、わたしにも見せてね」




