(´・ω・`) 第六十九話……「高価な壺にとまったハエ」
今回の裏の真相は、十年以上も後になって明らかになるだろう。
【引用・日経新聞社】
執筆時現在、ドル円は1ドル141円近辺まで急伸中。
近年、類を見ないほどのすさまじい早さでの円高進行中である。
七月下旬に始まった円の急上昇は、日経平均株価の史上最大下落幅を招き、その日に欧州なども巻き込む世界株安に発展した。
要因は米国の景況感悪化などいくつか挙げられるが、やはり今回において大きいのは日銀の早すぎる利上げにあるだろう。
拙速に行った利上げによる円高は、円キャリートレードを急激に巻き戻し、世界の金融機関の強制ロスカットを誘発。
その資金捻出のために、世界中の株が売られたと見られている。
ちなみに、今回の円高誘導については、岸田政権の担当外の閣僚なども口先介入を実施。
多額の予算を費やした為替介入も短期間に次々に実施した。
もともと、利上げに穏健派だった日銀の植田総裁がなぜ急に利上げをしたか?
そこにはいくつかの憶測があり、もっとも有力なのは円高を望む政府からの圧力だということである。
ちなみにTV放送の多くは、今回の株安に関して、日銀の利上げについて一切触れてはいない。
総務省からの圧力があるのではないかと、ネットでは噂されている。
政権はこの九月に総裁選であり、物価を下げるための円高を成果としたいとのバイアスがかかりやすい時期である。
一時、1ドル161円まで進展した円安を是正することは悪くない。
だが、要はそれを急いでやりすぎたということだ (´・ω・`)
利上げによりインフレをある程度に収めることは必要なことである。
だが、日本のインフレ率はようやっと2%にのったくらいで、急激に進展する気配はない。
ここで急いでは、また苦しいデフレに逆戻りなのである (´・ω・`)
なぜ、そこに急いで利上げに踏み来んだか?
やはりそこには、政権の権力維持のための暗い影が見え隠れするのだ。
ちなみに、昔からインフレとは「高価な壺にとまったハエ」だといわれる。
為政者は安易にハエをつぶそうとして、高価な壺を割ってしまうことが多々あるのだ。
この高価な壺こそは「実質経済」に例えられているのである。
つまり、インフレとはそれだけ慎重に対処しなければならないものなのである。
以前にも、日銀は利上げを急ぐあまりに、デフレを長引かせた歴史がある。
それは後に「偽りの夜明け」といわれた。
その後、日銀は慌てて利下げするという顛末となったのだ。
今回もそれなのではないだろうか?
今回は当時より暗澹とした空気が垂れ込める。
年金運用のためにGPIFは巨額の株式を買って運用している。
さらに、今年から始まった新NISA。
政府に促され、将来の為のお金を投資した多くの人が、損をしてしまったという結末になってしまったのだ。
……ここ二日で、日本は200兆円近い国富を失った。
ようやっと、経済成長の兆しが見え、リフレ政策が成功しそうになった時期にだ。
こんな状況になっては、次世代を担う若者の給料なんて上がるわけがないのである (´・ω:;.:...
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