第46話 サウザンド・ライトニング・ブレイク
ワルフィアに着いた俺はイヴの能力を調べさせて貰った
既に聞いてはいたが彼女のチートスキルは魔法だ
サウザンド・ライトニング・ブレイク
天空から雷撃をその名の通り1000回降り注ぐと言う魔法だ
そのレベル驚異の13
シールドに魔法は効かないと言うが実はシールドのレベルを3レベル超えるとシールドは効果を無くす。
例え耐性がある、アースドラゴンなどの土属性、もしくはライトニングドラゴンなどの雷属性でさえこの術式からは逃れられない
正直人外とも言える魔法だ
まさにチートスキルだ
ただあまりの威力と効果範囲の広さで使い勝手は悪い
更にもう一つ欠点が有る
彼女はこの魔法を演習場で使用した際、その直後昏倒した
その際何かあったのだろう敵に対して魔術を撃つことを拒んでしまったのである
俺は考えた
まずサウザンド・ライトニング・ブレイクを使用した時に昏倒した点についてだ
これは簡単だ
MP切れだ
もっと言えばレベル不足だ
レベルが上がることで1番恩恵を受けるのはMPだ
HPは急所に攻撃を受けると耐えられない
但し高いステータスを持つ転移者は元々膨大なMPを持つ
レベル5魔法程度なら100回唱えても問題無い
サウザンド・ライトニング・ブレイクのMP消費が大きすぎるのだ
次に敵に攻撃が出来ない事だが、春花に確認した所、最初の実習では普通にゴブリンを倒していたそうだ
と言うことは最初は神の加護と言うか倫理観の弱体化は効いていた訳だ
それが何かの拍子に切れてしまった。と言うか倫理観が戻ったのかもしれない
まぁ十中八九昏倒した際にだろう
これを解決するには兎も角サウザンド・ライトニング・ブレイクで敵を倒すのが1番早いだろう
と言う事でこんなものを用意した
『ファンタズマ・スクリーン』
これは魔法具ショップに普通に売っている魔道具でフイルムの様になっている
これを通して見ると、実際とは違う風景が見える
ただし、あまりにかけ離れていたり実在しないものは見られないので部屋の窓ガラスに貼って景色を良くするなどの用途に使われている
これをオンラインショップで買って、更にゴーグルとカスタマイズする
そしてイヴを連れてダンジョンの9層に来た
彼女にはゴーグルを掛けてもらう
精神を安定させる効果があると伝えた
このゴーグルには9層の風景がインプットしてある
風景しか見えない様に
あと彼女には最高級MPポーションを飲んで貰う
これはMPを完全回復させる物だが最大値を超えて回復する
つまり今イヴのMPは倍に成っている
付け焼き刃だがこれでサウザンド・ライトニング・ブレイクを撃っても昏倒することは無いだろう
俺はイヴに指示を出す
「イヴ、だんじょんではどんなことをしても地形は変わらない。今ここには敵も居ないのでサウザンド・ライトニング・ブレイクを撃って見せてくれ。」
「分かりました。」
小高い丘に立ったイヴはそのとても良い景色の中1kmほど離れた湖の辺りを中心に直径1kmの筒をを作った
その筒の中で荒れ狂う稲妻
光の奔流
生きる物を全て粉砕する雷の暴力が振るわれた
「終わりました。何だか清々しい気分です」
イヴが爽やかな笑顔を見せる
「どう、体調は?」
「バッチリです。もう一回くらい行けそうです。」
実はレベルが上がってもHP MPが全開するわけでは無いが増えた分に関してはMPが有る状態になる
イヴのMPは元の倍くらいになっていた
タネを明かせば魔物は居たのだ
それをゴーグルで見えなくしていた
先ほどイヴが倒した魔物はウォータードレイクやワイバーン、フォレストドレイクなど亜竜を56匹
経験値にして凡そ560万
レベルは75まで上がった
「じゃぁ、もう1発行こうか。階層を変えて。」
俺は調子に乗った
こんなこともあろうかとゴーグルには10層のデーターも入ってる
いやだって美味しいのよ
今の一撃で俺50億儲かったし
下心を感じたのかイヴがこちらを見ている
「ところで本当に魔物は居ません?実はいるんでしょう?」
「くっ、勘のいい子は嫌い……」
そしてイヴはゴーグルを外す
「もう大丈夫ですよ。何だか体の中に力が入ってきて魔物を倒せって言うんです。頷いたらなんか気にならなくなって……」
はにかむイヴに俺は少し照れた
その後10層でも撃ってもらった
少し増えてきちゃったしね
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サウザンド・ライトニング・ブレイク
TLBとでも略そうかなw
少しでも面白いと思われましたらモチベーションにも成りますのでブクマ、評価よろしくお願いします。感想もお待ちしています
とにー




