第31話 鉱山
本日2回目の更新です
俺は忍者から上がってきた情報を精査する
出した結論は『代官は何かを隠している』だ
年貢の二重取りなどの情報は集まった。
しかし、正直大した量では無い
追加で1割ほど、これは書類の記載ミスなどで誤魔化されてしまうだろう
代官の散財ぶりからすると納得できない
俺には、送られてきた取引記録を写した写真を見て、気になった部分があった
毎月1回遺跡都市との取引が有る商品は日常品と書かれているがワルフィアには売る様な商品はない筈だ
金額は50銀貨程度だが……これも怪しい。確かに日常品の価格としてはおかしく無いが遺跡都市まで500キロの距離が有る
わざわざ5万円の品を輸送するか?送料の方が高くつくだろ
それに金額の記載もおかしい
何故50銀貨だ?5小金貨では無いのか?
これって銀貨と金貨の表記を偽って無いか?
そう考えるとしっくりくる
毎月500万もの取引
それは潤っただろう
よく見ると不定期だが東南の大都市ニレージとの取引もある
こちらも80銀貨程度が何回か
これは年間10ミスリル金貨、1億位は稼いでるな
さて問題は何を売ってるかだが……
この街の立地を考えると1つ思いつく物がある
この街はファルクス山脈に接する様に作られている
そんなこの街が資産を得るとすれば……鉱山か?
勿論この領地で鉱山が見つかったという情報はない
つまり隠し鉱山と言う事だ
鉱山が見つかった場合は国に報告する必要がある
管理は国と一緒に行う事になり利益の何割かは持っていかれる
それでも儲けは大きい筈だが問題はワルフェアの領地の人気が上がることだ
ヘタをすると貴族が領地として欲しがるかもしれない
そう成らない為にも未報告だったのだろう
『もし予想が当たっていれば、まず考えるのは証拠隠滅だろう。』
鉱山の隠匿ですぐに思いつくのは爆破だが、魔法のある世界だ土魔法で埋めて仕舞えば良い
俺は忍者にメールで指示を出す
街から山脈方面に向かうものの監視、拘束だ
忍者side
我は忍者、名を参影と言う
主人であるススム様の忠実なる影
主人の命によりワルフェアの代官を調査している
先ほど主人より山の調査を命じられた
山に近づくと道に検問が有った
我々にこんな検問が役立つわけもない
検問には魔法感知の魔道具が有るようだが我々の忍術は魔法では無いので反応しない
サクッと通り抜けると山を登る
すると程なくして横穴が見つかった
これが主人の言う坑道なのだろう
傍に潜むと程なくして1人の冒険者風の男が現れた
体にローブを纏っている後衛系の男だ
その後ろには同僚の姿も感じられる六影の様だ
その男が洞窟に向かって何やら呪文を唱え始める
我と六影は同時にその男を無力化し拘束した
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とにー




