第277話 メタルマシンナリィ
「そろそろか……。」
ミカエルの司令室にて俺は呟いた。
帝国のこの時間稼ぎと戦力の小出しを見て俺は思う。
勿論今まで集めた情報も吟味してだ。
両者を照らし合わせると見えてくる。
皇帝のスキルの全容がだ。
皇帝のスキル吸収だが、どうやら必要な工程が有る。
それは観察することだと思われる。
何を?
おそらくは覚醒勇者の能力だ。
つまり、あの戦力の小出しはこちらの覚醒勇者にスキルを使わせるための物。
そして俺と同じようにアーティファクト等を使って戦場を観察しているのだろう。
だとすればそろそろ茶番に付き合う義理もない。
俺は戦い終わりエネルギーを使い果たして消えていくメタルマギアマンを見つめながら声高に言った。
「ミカエル発進!」と。
俺のその言葉を聞いた艦橋室の艦長が指示を出す。
「ミカエル、発進します。目標帝国帝都スーディオン。」
その言葉に呼応するように機関士がエンジンに火を入れる。
「ミカエル、微速前進:」
火の入ったミカエルはそろそろと進み始める。
とはいえこの巨体で有る。
時速60キロ程度ではあまり進んでいるようには見えない。
ただ戦闘機等と違って、1箇所に浮遊し留まることが出来るミカエルはさして加速する必要は無い。
帝都まで30分程度で着いてしまう。
俺は指示を出した後、司令室の座席に座ったまま移動を始める。
座席が上に移動すると艦橋だが今回は下に移動だ。
移動した先は格納庫だ。
当然そこに有るのは巨大人型決戦兵器。
ススムは魔素をエネルギーとして動くこの兵器をMMと名付けた。
メタルとはメサイヤエレメンタルの略だ。
魔素の魔の字をネガティブなイメージにしたくないと考えた結果救世主の名を取ったのだ。
このエネルギーが救世主になって欲しいとの想いもある。
購入した機体はメタルに馴染みその性能を数段上げている。
ススムはファイルーンと名付けた白い機体に乗り込む。
バックパックに翼状のオプションを持つ白を基調としたスラッとした機体で攻撃方法は手に持つライフルとバックパックに付属するレールガン。
更にはバックパックの大部分を占める遠隔兵器であるメタルスピアーだ。
ススムはファイルーンを発進させる。
ススムがこれを選択したのは、これ自体がススムのスキルでは無いからだ。
スキルを使用しない最大火力を選択したのである。
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メタルマギアはメサイヤエレメンタルの実験兵器です。
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とにー




