第265話 ミカエル
入院して死にかけましたが何とか復活しました。
ぼちぼち続けて行きたいと思います。
「さて、終止符を打つかな。」
俺は戦艦の司令室で呟いた。
ボーヤン帝国との戦争に決着を付ける。
「熾天使発進せよ!」
俺はセラフィム級一番艦ミカエルと名付けた戦艦の発進を命令する。
全長500メートルを超え美しい三角錐のようなフォルムに後部には12本の羽根を模したデザインのスラスターが天使である事を示している。
こんな事をしなくても思うだけで発進するのだが様式美という物だろう。
いや本来ならフライホイールの始動からやりたいところだけど流石にそれはやり過ぎだ。そもそも魔素で動くこの戦艦にフライホイールとか無いし……。
俺は移動するミカエルの司令室で状況を確認する。
帝国まではローザンス山脈を超えていくのが近道だが真っ直ぐ進むとドラゴンの王国の真上を通ることになる。
流石にそれはドラゴンに対しての示威行為となり拙いので東側を少し遠回りする事にした。
そう言えば先日ドラゴンの女王でブランの母であるプラチナドラゴンロードのレアドリアがワルフェアに来た事を思い出す。
リゾート施設を大層気にいってシルビアと一緒に入り浸って寛いでいるようだ。
まぁ大人しくしているなら問題はないがシルビアと違って女王はギャンブルには弱いようだ。
まぁ大事な卵をザウシウスなんぞに任せる事になってしまうのは運が悪いと言えるだろう。
女王が負ける分はシルビアが勝つだろうし最悪女王にもブランと一緒にバイトをしてもらうとするか。
ホストクラブにも随分嵌ってるみたいだしお金を沢山落としてくれるのはありがたい物だ……..
但し、近くにスペーディアを置いておかないとまだまだ危なっかしいのが玉に瑕なんだが。
ブランが成長したらブランに任せると言う手もあるか……。
取り敢えずドラゴンとの仲は良好なので近くを通るくらいなら問題ないだろう。
ミカエルはスピードを上げてマッハの領域まで到達するが居住区は快適だ。
さしたる時間を使わないうちに山脈を通過する。
帝国もローザンス山脈をこの様な物が超えてくるとは予想はしていないだろうがそれでも国境に監視所の何箇所は用意してあり当然ながらこの巨体は発見される。
それでも最初は山が飛んでくるとか訳のわからない情報が錯綜したのは仕方がない事だろう。
現在帝都は戦争の真っ只中で進撃してくるルアシーン軍を迎え撃つ体制を整えるのに精一杯の状況にこの情報は真実のようには思えないだろう。
俺はミカエルの巡航速度を抑えるとルアシーン軍に進軍の合図を送る。
先ずは向こうの手を見てみるとしようか……。
少しでも面白いと思われましたらモチベーションになりますのブックマークや評価をよろしくお願いします。
感想もぜひお願いします。
とにー




