第178話 ブランとお出かけ②
……スペーディアと一緒にルアシーンに盗賊退治に行っていた春花が戻ってきて合流した。
そしてブランを見るなり
「ぐぬぬ、春花ちゃんのマスコットポジションに最大のライバル登場です。」
と叫んだ。
お前そんなの狙ってたのかよ……。
カーバンクルにも敵意剥き出しだったものな。
指摘したら、「カーバンクルはペットですから問題ありません。」
とか言ってたのに……。
同じ人型だと看過出来ないか……。
だがな春花言っておくぞ。
召喚勇者の括りでもお前より岩男君の方がマスコットぽいぞ。
俺は心の中でそう呟いた……。
春花はブランとイヴが持っているぬいぐるみを目ざとく見つける。
そしてイヴと何やら話していた。
多分そのぬいぐるみをどうしたのか聞いているんだろうな。
ニヤッと笑った春花があろう事か突然俺の腕に抱きついて来て言いやがった。
「ススムパパー、春花にもぬいぐるみ取ってー。」と。
くっ、身構えていた俺が全く反応できないだと……。
一段と身のこなしのレベルが上がっている。
無駄に特訓の成果を披露しやがって。
しかし、頼むからパパと呼ぶのは止めてくれ。
リアル俺の元の年齢から言えば、パパ活になっちゃうから……。
俺の心の叫びは響かなかった。
どころかカミーユまで「ススムパパよろー。」
とか言い出す始末。
いや、お前が言うとさらに洒落にならないからな。
イヴは笑ってるけど俺的にはかなりアウトだ。
それに、この状況に機嫌を悪くしてる子もいた。
「パパはブランのパパだもん。」
ブランが俺に抱きついてくる。
俺は春花を放り投げるとブランを抱きしめる。
「そうだな、お姉さん達は放っておいて上で遊ぼうか。」
俺は上の階の遊具施設を指す。
「うん。いくー。」
にぱっと笑って元気よく答える。
機嫌を直してくれたようで良かった。
俺はブランを抱っこしたまま上の階へと向かった。
春花は俺に放り投げられて3メートルほど宙を舞ったが綺麗に着地する。
そして俺達を追いかけてきて。
「一緒に遊ぶ。」
と寄ってきた。
身代わり早いな。
イヴ達も一緒に上の階に来る。
そしてジャングルジムやボールが一杯入っている遊具であそび出した。
仲良く遊んでいる様で何よりだ。
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