第162話 掛け算
最近琴子がちょっと変だ。
PCと液タブが欲しいと言うので購入してあげた。
イラストでも書くのだろうか?
漫画制作用のソフトが欲しいと言うのでその辺の権利はフリーにしておいた。
漫画を書くのか?
出来たら読ませてくれと言ったら
「ススム様に見せるなんてそんなとんでもない事出来ません。!」
と、食い気味に断られた。
もうこの時点で察しのいい俺は完全に気がついてはいるが、触れない方が良い世界がある事は知っている。
春花やカミーユもたまに琴子の部屋に行っている様だ。
とある偉人は言ったらしい。
「あれの嫌いな女は居ないと……。」
出来れば……イヴは綺麗でいて欲しいと思うのは俺に我儘だろうか。
ただ少し気になるのは、カミーユの台詞だ。
琴子の部屋に入って行ったカミーユがドアを閉めずに一言だけ言った言葉に「ススムっち……。」ってのが聞こえたんだが……。
その後直ぐに扉がしまった為その後は聞こえなかったが。
あいつら一体何を書いてやがる……。
てか、俺の名前が出た時点で俺には分かってしまうよ……。
ただ気になるのは……俺と誰を掛けているかだ。
俺と岩男君ならまぁ許そう。
俺攻め岩男君受けならまぁ普通のエロ同人誌とあまり変わらないからな。
しかし……相手次第では看過出来ん。
そんなことを考えてカミーユにカマをかけたらあっさり白状した。
実際は懸念に至らず俺を題材にしている訳では無かった。
普通に想像の、と言うか刀同士の掛け算の本を作ってたらしい。
なら何故カミーユが俺の名前を出したかと言うと、カミーユが俺で本を作ったらと言った様だ。
琴子は流石に怒られると反対したので流れたようだ。
そうだよな、琴子や春花はその辺は分かっているはずだ。
とりあえずカミーユの頭にゲンコツを入れておいた。
琴子が製本をしたいと言うので前々から考えていた出版をするために製本工場を購入した。
この世界本はあるがあまり民間までは広がっていないので他にも本を作って本屋も作りたいと考えている。
本は普通にオンラインショップで購入できるからそのまま販売しても良いのだけど値札とか日本円だからな、できればこの世界風に製本し直した方が良いと考えたのだ。
漫画やラノベも売っていきたいと思っている。
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とにー




