第12話 ドラゴン 決着
次の日の朝
俺はギルドに向かった
王都からの連絡を確認する為だ
ギルドではギルド長が待っていた
表情から状況が良くないことが窺える
どうやら増援のCランク冒険者は早くても1週間は掛かるらしい
1週間か……
スタンピートが起きた場合平地部分は全滅だな
城塞部分が残ればいいと言う判断か?
俺に対する指示は特に無い
現場の判断に任せると言うことだな
Cランク冒険者にはいつもこうらしいのでいつも通りなのだろう
では
計画通りに行動するとしよう
城塞門を抜けた後オフロードバイクを出して乗る
後部座席はカーバンクルだ
実はカーバンクルのシールドはドラゴンに負けては無い
防御重視の聖獣のシールドだからである
勿論攻撃力は言わずもがなだが
バイクを走らせながら考えたことがある
何故あそこにドラゴンが居るかだ
動く様子が無い……と言う事は何かを守っている…後ろにある洞窟が関係が?
一般的にドラゴンが守るものといえば財宝が思い浮かぶが突然でも
前からあったにしても不自然だ
では何だ?
……卵
卵なら可能性が有る
何せムグの森の後ろのローザンス山脈にはドラゴンの巣がある
しかし転がってきたと言うのは不自然だ
ドラゴン自身が持ってくるのも有り得ない
人為的に置かれた?
隠密性に恐ろしく優れた者が持ってくるだけなら可能だろう
しかし、ドラゴンは自分の卵の位置が解るので、必ず取り返しと仕返しに来る
盗まれたと気がつかれないうちにその洞窟に置いた
何のために?
スタンピートを起こす為?
ローザンス山脈の向こう側は帝国領だ
大体線が繋がってきた
あまり積極的な策では無いが地味に効く
ワルフィアの街は交通の要所ではあるが南北を山脈に囲まれているために強固な作りでは無い
ここを攻めるとすれば少数精鋭での山脈越えとかになるがその場合占領は難しい
そうなった場合3方から包囲して取り返すことが容易になるのも強固で無い理由だ
しかも精鋭は、失うのは惜しい戦力だ
しかし、今回の策は失うものはない上に被害は思ったより大きくなりそうだ
強固に作ってないことが災いする
平地部分の壁などサイクロプスや蛇、ボアなどからしてみれば紙のようだ
しかも例え俺がドラゴンを倒したとしてもうちの国とドラゴンの仲が険悪になるのは避けられない
とはいえ倒すのが1番被害が少ないのだが……
森に入るとドローンを飛ばした
雑魚はドローンに任せてドラゴンのところまで急ぐ
途中のサイクロプスや蛇は瞬殺する
倒れる間もなくアイテムボックスに入れられるのは物音がしなくて良いと思いはした
森の出口に近づく
すでにドラゴンは少し先に見えている
多分向こうも気がついていると思われるが、まだこちらは攻撃の意思は見せてないし、俺の戦力がそこまで脅威じゃ無いと思われてるのかもしれない
確かに今見せている俺の攻撃力ではシールドを破る事はできない
では始めるとしよう
俺はアイテムボックスから4連装のロケットランチャーを取り出した
しかし、まだドラゴンは反応しないと言うか戸惑っている
この武器の脅威度を測りかねている
俺は即座に全弾発射した
そして全弾シールドに着弾した
シールドの表面で爆発するミサイル
しかし、全く効いてないように見える
「まだまだ!」
1回で通用するとは思ってない
即座にアイテムボックスでもう一台と交換する
そして連射
ドラゴンも最初動揺していたが3連射目で動いた
翼を広げて空を飛ぼうとしたのだ
これに関しては若干予想外ではある
何故ならドラゴンが卵を守っているとしたら飛ばない可能性が高いと予想していた
しかしドラゴンは飛んでからのブレスとか急降下とか攻撃が強力だ。
こちらの脅威度を測った上で殲滅を重視したのだろう
勿論その可能性も捨ててはいなかった
ドラゴンは羽で飛ぶのでは無い
質量的に羽ばたきで飛ぶのは不可能だ
羽はあくまで補助で魔法で飛んでいる
かなりの魔力を使うので飛び上がる時にシールドが弱まる
俺はロケットランチャーを対空ミサイルランチャーに取り替えて発射した
見事命中して羽を潰す
羽に魔力を溜めて飛ぶドラゴンは落下して地響きを立てる
俺は間髪入れずにロケットランチャーを撃つ
ドラゴンがブレスを吐くがカーバンクルのシールドが防ぐ
そして……
10連射目40発のミサイルが命中した時
ドラゴンのシールドが砕けた
その瞬間を逃さないように練っていた魔力を解き放つ
雷系レベル5単体魔法
サンダーブラスター
雷の奔流が収束されて
ドラゴンの額を貫いた
倒れるドラゴンを見て
俺はホッと息を吐いた
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やりたいこと1つ完了です
1部完みたいな感じです
暇つぶしにでもなってくれれば嬉しいです
とにー




