第111話 刀匠
全員がオスプレイに乗ると俺が発進させた。
ワルフェアまでは2時間ちょっとだ。
暫くは外の風景を見て居た3人だが、景色に飽きたのかカミーユがいきなりぶっ込んできた。
「そう言えばイヴイヴと春花っ○は元気にしてるの?」
あぶねぇ、思わずピー音入れちゃったよ。
「春花○かはやめとけ。色々やばいから。二人とも元気だよ。」
俺がそう言うとカミーユは唇を尖らせて抗議する。
「でも、春花っちがそう呼んでって……」
「あのバカ……てか春花っちで良いじゃねえか。」
俺はどっと疲れるのだった。
さて、ワルフェアも着くと俺は琴子を連れてダンジョンに飛んだ。
残りの2人はイヴ達に任せた。
まだ俺の正体は明かさない方向性だ。
まずは勇者達のスキルをなんとかして信用を得よう。
琴子のスキルに関しては先に情報を入れてある。
『刀匠』
と言っても鍛治をする訳でない。
上空に無数の剣を生み出し、その剣を突撃させる事で敵を攻撃するスキルだ。
俺はダンジョンの9層でアースドラゴン相手にそのスキルを使ってもらった。
琴子が半身で手を前に出して柔術をする様に構えると琴子の頭の上に20本ほどの剣が現れる。
洋風のロングソードと言ったところだろうか?装飾が派手なゲームで勇者が持っている様な剣だ。
そして彼女は右腕を上げて手刀を放つ様な動きを見せる。
堂になってるな。
武道の経験があるのだろう。
その動きに合わせて上空の剣がアースドラゴンに襲いかかる。
そして剣はアースドラゴンを滅多刺しにする。
一見はすごい様に見えるな。しかし……アースドラゴンは死んでいない。
それどころか暴れ回っている。
確かに剣は刺さってはいるが浅いのである。
狙いもあまり正確でないのか、急所にも当たって居ない。
琴子は三回スキルを発動してやっとアースドラゴンの動きを止めた。
俺は琴子に尋ねる。
「その剣はどうしたんだ?」
「これは王城で国宝と言われる聖剣を見せてもらいました。このスキルはイメージが大切だと言うので。」
なるほど、実際に聖剣を見せてイメージさせたのか。確かに良い方法だとは思うが、琴子は多分和風な方が合うんじゃないか?
かと言って日本刀を見せたとしてもそこまでイメージが上がるとは思えないな。
多分だが呼び出す剣に思い入れが強ければ強いほどスキルは強くなる。
しかし、女の子に刀の良さを……教えるのならあれが1番だよな。
俺はデバイスを弄った後アイテムボックスからタブレットを取り出す。
そしてそのタブレットで一つのゲームを起動する。
某、刀が美形男子に擬人化して活躍するゲームだ。
「琴子、君はこのゲームをすると良い。それが君のスキルの強化につながる。」
彼女は唖然として居た。
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とにー




