第102話 ルアシーン攻防戦③
ボーヤン帝国の第一陣が撤退していく。
かなりのダメージを与えた様に見えるが、死者はそこまで出ていない。
魔法にある世界で有るので防御魔法、回復魔法で深刻な被害はある程度防がれてしまうのだ。
あれだけの砲撃を加えても死者は100と言ったところか。
ドローンを飛ばして死体を回収する。
ここはダンジョンの中では無いので生き返らせることはできないが、放置をすると魔素が支配して魔物になる可能性がある。
死者はそれほど出ていないが怪我人は結構出ているだろう。
攻城兵器の準備もある。
次の襲撃まで1週間と言ったところか?
俺は取り敢えず次の段階に移行した。
次はルアシーンとルナを結ぶラインの確保だ……と向こうは思うだろうな。
帝国側は俺たちはルナを帝国が取ったとは気づいていないと思っている筈だ。
なので、俺たちがルナ側を攻めるのは帝国にとっては必然だ。
現状俺たちにとっては騙している以上ルナ側を攻める必要はないが、それでは疑われてしまう可能性がある。
故にここはルナ側を攻めるのだ。
現状ルナの方向には3000の兵が陣を張っている。
そこに俺達は主力の歩兵戦闘車を突っ込んだ。
予想通り向こうも強固なラインを引いている。
砲弾や魔法が飛び交い激戦が続く。
一当てと言うわけにはいかない、それでは逆に怪しまれる。
歩兵戦闘車が一台爆発炎上する。
それは予定通り無人でリモートされていた機体だ。
その時点でルアシーン軍は撤退する。
両者とも痛み分けの状況だった。
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帝国side
私は少しイラついていた。
作戦が失敗した事もだが情報の遅れについてだ。
我が軍は情報についてはかなりの重要度を持って扱っていた。
だから精鋭部隊に情報収集を一任してるのだ。
しかし、あの壁はなんだ?
例えスキルを使ったとしてもあんな物が1日で出来るはずはない。
短期間で作ったとしても何か予兆があった筈だ。
それを探るのが諜報だろう。
今は援軍と攻城兵器を待っている状況だが油断はできない。
城壁を盾にして打って出る可能性もある。
特に注意が必要なのはルナに通じる方向だ。
ルアシーンに閉じこもっ
ているためルナの現状についてはわかっていない筈だ。
例え連絡が出来るとしてもボーランクが誤魔化すだろう。
となるとルナ側が塞がれているのは不安に思うだろう。
そんなことを考えていたらやはりルナ側の陣地に襲撃があった。
かなり激しい戦いだった様だ。
敵の機動兵器も一つ破壊したそうだ。
これで籠城を選択する事だろう。
戦力はいくらでもある。
次は陥落することになるだろう。
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とにー




