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肉と肉と肉


『グゥ』

「あ」


腹の虫め。


「タベよ?」

「…そうですね」


枝を曲げたまま固定し、桃子猫の隣に座る。

世話されていた肉が、

涙を流して待ち望んでいるように見える。


「いただきます」

「イタダキます」


まず三角ウサギの肉。

美味い。

このゲームでしかウサギの肉は食べたことないが、

中々どうして口に合う。


「ん〜」


桃子猫の頬が綻び、肉汁で髭を濡らしている。

二口、三口と食べる。

食べ慣れているせいか、やはり飽きる。

何か味が変化するもの。

沢山生えてるな。

適当に薬草を引き抜き、肉と共に食べる。


「!」


かなりいける。

大葉のような絶妙な苦味のある薬草に、

甘い肉汁が染み込んで深い味わいを見せている。


「桃子猫さ…」


伝える前に、既に包んで口に運んでいた。


「んマ〜!」


やはり舌が似ているらしい。

あっという間にウサギ肉が無くなる。

お次はホーンボアの猪肉。

だがまだ焼けておらず、

滴る汁が艶やかに誘ってくる。


「ム〜」


それに苛立ったのか、

桃子猫がローブの裾を噛んでくる。

涎ふきか。

一旦左腕は犠牲にして、右手で串を回す。

もうそろそろか。


「どうぞ」

「あむ」


即座に一口。


「あむ」


次いで薬草で二口。

それを尻目に、こちらも食す。

当たり前に美味い。

最初に食べた時と、変わらない味。

そこに薬草を足せば、新たな味。

桃子猫はもはや串に薬草を刺して焼いている。

隣に座ることを忘れ、

気づけば焚き火を間にして向かい合い、

串を円状に並べている。

その最大効率で食いまくる。

端から食べていくと、

最後の一本で桃子猫と隣合った。


「はは」

「へへ」


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