因果応報
『あんたがた、今しがた鑑定を受けてきただろう?』
こずるそうな人間の男二人組。
「ええ、そうです」
『よければなんだが、あんたがたの手持ちの
アクセサリーを買い取らせてくれないか?』
正規の店に入る前に尋ねるとは、考えたものだ。
「いえ結『ちょっと待った』
両陣営の間を人間の女が横切る。
『こいつらはアイテムを二束三文で買い取る詐欺師、どんな理由があろうと売らない方がいいよ』
『チッ、おいおいネタバレかよー、ずらかるぞ』
どこにもこういう輩はいるものだ。
『改めて…昨日ぶりね』
「ええと…」
女プレイヤーの姿を観察する。
「あー…昨日の」
まだ思い出せない。
『あの時はご馳走になったわね』
思い出した。
ダンジョンの送還先で飢えていた人だ。
焼肉にも参加していた。
「あぁどうも」
『それで良かったらなんだけど、
この商業区とは別に、
プレイヤーのバザールが開かれてるから、
そこに行くといい取引が出来ると思うわよ』
「そうなんですか、
ご案内いただいてもよろしいですか?」
女は桃子猫を見たような気がした。
『そうしたいのはやまやまなんだけど、
私は装備を整えてもうすぐ落ちるの。
あそこの人通りが多い道を行けばすぐ行けると思う』
「分かりました。
教えて下さりありがとうございます」
『いえいえこちらこそ』
女と別れる。
「いい情報教えてもらいましたね」
「ウン」
「行く前に正規の買値は知っておきましょうか」
「そだね」




