ベッド
「何からヤル?」
ドッペルフリー以外もやるのか。
先程の記事を見る。
アップデートは明後日か。
ならまだ余裕がある。
「私がドッペルフリー以外で持ってるゲームは…」
口で言うより見せた方が早い。
パソコンを起動させデスクトップを見せる。
「オー…」
自分で言うのも何だが、結構多い。
「どれやります?」
「ンー、コレ」
初期に開発された、
VR内での他プレイヤーとの交流できるアプリ。
正直ドッペルフリーの方が味も匂いもあるが、
ログインした時点から空腹が始まるので
交流だけならこっちでもまあいいだろう。
「じゃあ始めまー…」
しまった。
来客用の布団など用意していないので、
どちらかはゲーム中に体を痛めることになる。
『ポンポン』
配線を終わらせた桃子猫は、
無言で自分が座っているベッドを叩いた。
桃子猫はやはり家主に遠慮させる人間ではない。
私のベッドなんだけどな。
「はいはい」
大人しく隣に寝転ぶ。
シングルベッドなのでやはり狭い。
VRヘッドセットを装着し、
ボタンで操作するフリをする。
桃子猫は…行ったか?。
念の為ゆっくりと動く。
『ガシッ』
「うーフッ」
ベッドの端にいたのが、
もう片方の端に追いやられる。
「考えてる事は分かってル〜」
これでもかも言わんばかりに端に固めてくる。
「分かりました、分かりましたよ、
サーバーはどうします?」
「東京デ」
「了解です」
ボタンで操作しアプリを起動する。
意識が薄れる。




