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桃子猫が家に来た



「ココかー」


私の住処を見上げながら言われる。

高層マンションと比べられたら、

首の角度も落ち着いたものになるだろう。

ただの二階建てアパートだし。


「二階?」

「二階です」


錆びた階段を上がり、端の部屋の鍵を開ける。


「どうぞ」

「お邪魔シマース…」


トイレ風呂別、1DKの狭い部屋。

その空間の大半は、機械で埋めつくされている。


「ワーオ…」


粗末すぎて言葉も出ないようだ。


「イェーイ!」

「あ」


ベッドに飛び込んだ。


「懐カシイー!」

「懐かしい?」

「貧乏ダッタ頃の家がこんな感ジダッタ」


不快感がないのなら、まあよしとしよう。


「お茶いります?」

「チョーダイ」


コップを机に並べ、市販の茶を注ぐ。


「粗茶ですが」

「ドユコト?」

「日本人特有の謙遜」

「ナルホド」


一口すする。


「フー…」

「…」


…。

さてどうしたものか。

本当にこれしかすることがない。

桃子猫は何を思ってここに来たいと言ったのだろう。


「して、桃子猫さんは一体なぜ私の家に来たいと…?」

「ソ、ソレは…」


目を逸らされる。

何かやましいことでもあるのだろうか。


「ソウ!友達だから!」

「ははあ」


その文句に異論は無い。


「何しましょうか」

「ソウそれはネ」


何やらスーツケースから物を取り出している。


「これ」

「それは…」


最新式のVRヘッドセットとパソコンの本体。


「それなら確かに…遊べますね」


ブレーカーが落ちたらどうしよう。

まあいいか。


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