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ゴブリンガールはガチャを引く!  作者: 仲良しおじさん
コラボクエスト【DESTINYする!】編
189/251

第188話 ゴブリンガールはアサギと出会う!

 今回のコラボクエストは『DESTINY』作者の把多摩子様のご協力のもと作成しました!

 感謝申し上げます!

 いつもとは一味違うゴブリンガールをぜひお楽しみください!

挿絵(By みてみん)



 ようようよう!

 いつもの通りゴブリンガールの活躍を見に来てくれたみんな!

 アタイだよ!

 そしてコラボイベントの『DESTINY』目当てで来てくれた新顔のみんな!

 どうぞゆっくりしていってね!


 ということで今日のアタイは勇者シブ夫と2人でモンスター退治のクエストに繰り出していた。

 なかなかの強敵に手こずったものの無事に目的を達成し、今は帰路に就く途中。


「予想以上に時間が掛かってしまいました。日暮れまでに街に戻れるでしょうか」

「あっ。あそこにくたびれた集落があるよ?」


 ちょうど良い具合にアタイらの前に現れた寒村(かんそん)

 一泊していくにはもってこいだね。


 と思ったら村の中心でカラスの群れが暴れていた。

 シブ夫の姿を見つけた村人が泣きじゃくりながら駆け寄ってくる。


「旅のお方! どうかお助けを!」

「あの魔獣を退治してくだせえ!」



~レイブン(討伐推奨レベル15)~

 不気味な黒い羽根を持つ大カラスの魔獣。

 主に腐肉を漁るが、時には集団となって生きた人間や家畜をついばむ。



「知るか知るか! 救ってやる義理は無いね! それより宿屋はどこだい! アタイらは疲れてんだよ!」

「ええ……?」

「この状況をスルーして休憩するつもり?」

「ああそうだよ!」


 だが心優しいシブ夫は彼らを無下にできないようだった。


「僕が相手をします」


 そう言って剣を抜くと果敢にもカラスたちに立ち向かう。

 だがしかし、先の戦いでスタミナは消耗しているし、いくらかの怪我も負っている。

 本調子でないのに新たなモンスターに出くわしちまうなんてツイてないね!


 レイブンは鳥にしては知能が高く、群れで連携を取りながらシブ夫を襲う。

 隙を見て急降下の攻撃を仕掛けてはすぐにこちらの射程外へと逃げてしまう。

 姑息な戦術でじりじりとHPを削ろうというのだ。


 このままじゃあマズイね!

 こうなったらガチャを引くしかない!

 アタイは懐からスマホを取り出した。


「……ん?」


 異様な点滅をする液晶画面。

 そこには『コラボ期間中』の文字が……!


 通常ガチャの100倍の課金で他作品のキャラを召喚できちゃうっていう例のアレじゃん!

 まさに夢の企画!

 には違いないんだけど、何がいけないのかいつもハチャメチャなトラブルが巻き起こっちゃうんだよねえ……。

 苦い記憶が掘り返されて背筋がひんやりするアタイ。

※詳しくは前回のコラボクエスト【ワイルド・ソルジャーする!】(161話~)を参照。


 でも今は四の五の言っていられない!

 シブ夫を助けるためにはコラボガチャを引くっきゃないよ!


 アタイの力強いタップで七色に輝くスマホ。


【おめでとう! SSRのキャラをゲット!】


 強烈な閃光が収まると、そこには小柄な少女のシルエットが佇んでいた。

 新緑色の柔らかく艶やかな髪。

 温かみのある光を帯びた大きな瞳。

 そして熟れたさくらんぼのような唇。

 まるでおとぎ話に出てくるお姫様のような愛くるしい美少女ではないか!


「私は勇者アサギといいます。みんなを助けられるのなら、私戦います」

「か……か~わいい!」


 アサギのご尊顔に村人たちは恍惚の表情を浮かべまくり、ウットリと吐息を漏らしまくり。


「こんなカワイイ子めったにお目に掛かれないよ!」

「さすがは他作品のキャラ! 造形が違う!」


 上気顔の村人たちにわっと囲まれて困惑するアサギ。


「私は仲間たちと惑星を巡る旅をしていたんですが、ここはどこでしょう?」


 アタイは邪魔な男どもを突き飛ばし、縋る思いで事の経緯を説明した。


「お願い、シブ夫を助けてやって!」


 今なおカラスたちの攻撃を耐え続けているシブ夫を指差すと、アサギは険しい顔を作る。


「そういうことなら……。任せてください!」


 剣を手に迷いなく駆け出すアサギ。

 しかし、勇者らしい防具や武器を身に着けてはいるが、彼女はまだ年端もいかない少女。

 あんなにも華奢な身なりでまともな戦闘ができるのだろうか?


 だがそれは杞憂だった。

 アサギはレイブンの群れに接近しつつ、素早く口を動かす。

 魔法攻撃の詠唱だ!


「天より来たれ、裁きのイカヅチ! 我の敵を貫きたまえ!」


 ビカッ!

 空に電流が走る。

 その鋭い一矢はシブ夫の背後に回っていた一羽のレイブンに刺さり、身を焼いた。


「わあ!」

「魔法も使えちゃうんだ!」


 的確に敵を射抜きながらもアサギは足を止めない。

 そんな彼女を迎え撃とうと数匹のレイブンがクチバシを突き出した。


「やあっ!」


 アサギはまるで日本舞踊を披露するかのように回り、跳ぶ。

 そうして華麗に攻撃を躱しながらも太刀を振るい、カラスの羽を散らして骨を折っていく。

 ザザザッ!


「あなたは……!?」

「シブ夫くん、加勢に来ました!」


 シブ夫のもとにたどり着いたアサギ。

 なおも2人を囲むカラスの群れに、勇者たちは背中合わせになって剣を構える。


「カアーッ!」


 アサギとシブ夫は互いを守り合うようにして迫りくる多段攻撃を払い除けていく。

 見ていて気持ち良いほどに息の合った連携プレーではないか!


「アサギさん!」

「はい! いきます!」


 まさにあ・うんの呼吸。

 2人はアイコンタクトでうなずき合うと、シブ夫がその場に膝を付いて身をかがめた。

 その肩にアサギが足を掛け、一息に空へと跳躍する。


「カア!?」


 レイブンは敵の頭上を抑えることで優位を保っていたのだが、今は逆にアサギが奴らを見下ろす高度にいる。


「宙に漂う小さな破片よ、我の元で増幅せよ!」


 いくつもの火の玉が弾けてカラスたちの無防備な背に炎をまとわせる。

 見事、仕上げの魔法攻撃によって敵はキレイに焼き払われた。


「強えええええ!」


 少女の目を見張る活躍に狂喜乱舞する村人たち。

 場は騒然となった。


 止まぬ歓声の中で戦いを終えた2人の勇者がガシリと握手を交わす。


「アサギさん。助けに来てくれてありがとうございます」

「このくらいお安い御用です。私たち、なんだか初めてお会いした気がしませんね」

「ええ。まるでSNSを通じていくつもファンアートを贈り合っていたような親しみを感じます」


 ちょっとちょっと!?

 さりげなくメタ発言してんじゃないよあんたたち!


 ちなみに『DESTINY』著者の把多摩子ちゃんはアナログイラストも描けちゃう二刀流の創作者。

 いただいたファンアートは登場人物紹介のページに飾ってあるので、気になった人はぜひ見てみてネ。


 そんなこんなでついに本編でもコラボを果たしたアタイたち。

 なかなかに感慨深いものがあるよ。


 ――――だがしかし、ゴブリンガールのノリをご存じの方ならお分かりだろう。

 このまま微笑ましい交流をするだけでめでたしめでたしになるはずなどないことが。

 不穏な気配を漂わせてスペシャルコラボは後半に続く!




 つ・づ・く


★★★★★★★★


 次回予告!


 シブ夫がピンチに陥るたびに「うちのアサギを加勢に送り込みたい」と言ってくれていた把ちゃん。

 マジで来ちゃったね!?

 さらに今回の企画のために新しいイラストも描き下ろしてくれたよ!

 キラキラのアサギとシブ夫、そしてアタイの豪華挿絵コラボや!

 後半も楽しみで仕方ないね!


【第189話 ゴブリンガールはDESTINYする!】

 そのコラボはDESTINY――――。




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