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最終話 宣戦布告

「アア、見事デス!」

しばらくその場に立って空狼、春樹のいた場所をただぼうっと見ていたら誰かに話しかけられた。

「誰だ?」

見た目は白い仮面をつけた男だ。

「先輩殿…あれが侵略者の世界の…」

なるほど、こいつが。

とその侵略者?が近づいてくる。

「約束通リ、コノ世界は不可侵トシ、「エルダーラビリンス」モ安全装置を解除シタ上デ、差サ上ゲアマス!」

…ダンジョンは残るのか。

「アナタ様ハ、コノ第一世界群デ2柱目ノ救世主ナル方デス!!」

「ふむ」

「アナタ様ニハイツカ我ラガ故郷ノ世界ニ来テイタダキタイト思ッテオリマス!」

「…お前らの主は誰だ?」

「アナタ様ト同ジ救世主、救世主スキル「絶対者」ヲ持ツオ方デス!アナタ様ト我ガ主ガ手ヲ結ベバ第一世界群、イヤスベテノ世界群ノ覇権ヲ握ルコトモ可能デショウ!」

「そうか…ところでその救世主さまに伝言を伝えてほしいのだが」

「伝言デスカ?無論、ドノヨウナ内容デモゼ、グボッガ!」

俺は草薙を奴に突き刺す。

「ナ、ガ、ナニオ」

「こう伝えろ、『散々人々をもてあそんでくれたな、てめぇは必ず潰す』と」

他の世界を勝手に天秤にかけ、人々の人生を尊厳を滅茶苦茶にする、そんな邪悪な奴らは…

「必ず、滅ぼす…起源圧縮」

「アギャアアアアアアブヘッ」

そのまま奴は自分の核を押しつぶされて死んだ。

「先輩殿、宣戦布告ですか?」

「ああ、こんなふざけた真似をやらかしてくれたからには必ず、後悔させてやるよ」

さて、

「憂国の使徒、生存者は?」

「全員、ダンジョンの一室に」

「よしまず、そこから取り掛かるぞ」

「了解…それで先輩殿…これからどうするんだ?」

「…そうだな、ダンジョンが世に広まることは避けられないだろう」

安全装置を解除、つまり一般人にも存在を認知できるようになるのだろう。

「憂国の使徒」

「そういえば吾輩、名前をいっていなかったな、吾輩は横田を自称している」

「そうか、じゃあ横田」

「なんであるか」

「探索者なき今、いくら一般人がレベルを上げようと俺とお前のトップは揺るがない、多分な」

「ふむ?つまり?」

「俺はまあ学生をしながら世界に関することだけ関わる、だからお前は表でダンジョン業界を引っ張っていけ」

「中々に難しい命令であるが…了解した」

「よし、じゃあさっさと作業を終わらせて撤収だ」

俺は今日、多くのものを失い、多くのものを得た。

これから長い人生、終わりがあるのかすら怪しい人生、でもこの日の事は絶対に忘れない。

一条、姫川、空狼、春樹、お前らの仇は必ずとる、だからどうか、安らかに眠れ。


























私は小池樹、今年で15歳。

え、なんで女っぽくなっているのかって…まあなんか楽しそうだからね。特に深い理由はない!

言ったから、自分が何者かは自分が決めるって。

だから今は取り敢えず女の子やってるぜ!まあ飽きたら、戻す予定

そんなことより今日は国立第一ダンジョン高校の入学式。

鏡の前で制服を着てポーズを取る。ふむ、なかなかに可愛い、さすが私、美少女。

ふはは、これでチヤホヤされてくるぜ!…や、よく考えると、別に男どもにチヤホヤされても嬉しくないな。

取り敢えず部屋をでてリビングへ

「おはよ、父さん」

「ああ、おはよう樹ちゃん」

「なかなかいいでしょ、この制服」

「うん、似合っているよ」


―プルルルル


と私のスマホが鳴る、着信だ。

こっちのスマホからということは…。

私はいったん部屋に戻り電話に出る

「もしもし?」

「もしもし、先輩殿か?」

「あれ、世界ダンジョン委員会委員長の横山さん」

「…また、キャラ?を変えたのかね先輩殿、まあいい…世界防衛軍偵察部からの連絡だ、世界境界線に動きがあるらしい」

「…ふむ、いつものハラスメント攻撃でしょ、監視は継続で手出しは無用でね」

どうせ不可侵の契約によって直接的な攻撃はできないし。

「了解した、では」

全く、入学式の朝からかったるい話とはね。まあ切り替えていこう。

おっと、もういい時間だ。慌てて玄関へ向かう。

「行ってきまーす」

「ああ、行ってらっしゃい」

国立第一ダンジョン高校、探索者の金の卵が集う場所。

私の目的、もう一人の救世主とやらを潰す計画。

それについてこられるような人材に出会えたらいいね。

私は多くのものを背負っている、背負ったまま歩きつづける。

私は今日も、一歩、踏み出す。未来へと。

だから、首を洗って待ってなさい、第一の救世主さん?


よろしければ☆をくださると嬉しいです(≧▽≦)

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