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42.金見家の人々 ②

 


 閉じ込められた浴室。


 バスタオル一枚の金見さんを前にして、俺は目のやり場に困り足元を見続けていた。

 そして途中で、「あ、これ後ろむけば良いのか」と思いくるーんとターンを決め扉と向かい合った。気が動転し過ぎてそんな事にも気がつかなかった。


 ......か、金見さん、大丈夫かな?


 俺が浴室へ入った時、金見さんはちょうどお風呂からあがったばかりのようで髪を拭いていた。

 つまり、その......不可抗力とはいえ、見てしまった訳だ。

 絶対ショック受けてるよな......ごめんなさい。


 次第に冷静さを取り戻し、罪の意識が大きくなり始めた頃、金見さんが言葉を口にする。


「あの、ご、ごめんなさい」

「え」


「うちの親が......あ、多分これ、うちの親が......その」

「ああ、いえ、それは何となく気がついてましたよ」

「そ、そうですか。 ......変なもの見せてごめんね」


 は?変なもの?いや、むしろ素晴らしいものでしたが?って、オイ!!この状況で何を考えとるんだ俺はッ!!

 ......いい加減、本気で嫌われるぞ。


 けれど、どうだろう......こういう時ってどう返せば正解なんだ?

「そんなに変じゃないですよ」......はダメだな。「大丈夫です」も違うような。かと言って「むしろ素敵でした」はタイーホになる可能性が......どうしたら正解なんだ。


 ダメだ!わからん!これは置いとくか、当たり障り無く触れんどこ!!

 てか、そーだ服着てもらえれば解決じゃないか?お風呂はいったんだから着替えがあるはずだろ。


「えっと......あの、とりあえず服着てもらって良いですか」

「服......その、服なんですけど......無いんです」


 無いん!?


「ちょっと、持ってくるの忘れてしまって......お母さんに今取ってきてってお願いしようと思ってた所......でした」

「な、成る程」


 ガチャガチャ


 全然あかない。あく気配がない......。

 くそ、拉致があかん!外でおさえてるであろう二人に呼び掛けるか!


「あの! そろそろ良いんじゃ無いですかね!! 開けてください!! 娘さん風邪ひいちゃいますよ~!!」


 このままだとまずいのは俺の理性ではなく、金見さんの体調。はやく服を着させてあげないと!


 そんな事を考えていると、フッと闇が広がった。


「え!?」

「......ひっ」


「おお!?」

「きゃあ!」


 四人の声が静寂に響く。......て、停電か。一瞬外の二人の仕業かとも思ったが、今の反応でそれは否定された。

 いや、もし悪ふざけでここまでやるならお説教ものだろう。......多分、外の二人、歳も俺と同じくらいだと思うし(※違います)説教しちゃっても良いよね?

 って、今はんな場合じゃねえ!


「......って、金見さん! 大丈夫!?」


 叫ぶと同時に前方の闇から何かが体当たりしてきた。


 どすん!


「うおっ、と!?」

「......ご、ごめんなさい、葉月さん」


 暗くて見えない、見えないけど......これ、金見さんに抱きつかれてる!?


「わ、わたし、暗いの苦手で」

「あ、え、あっと......はい」


 ぎゅうと両腕を俺の背中までまわし密着してくる。意識しないようにしていたモノが、それにより意識の外側からせめてくる。

 これで何も感じない奴は男じゃない......!


 香る金見さんの使うシャンプーと、まだ水分のとれきっていない濡れた髪。


 下腹部にあたっている柔らかくてあたたかいそれは、目が見えずともそれとわかってしまう。


 くっ、あ......静まれ、静まりたまえ!できる、できるできる、絶対できる!

 がんばれ、がんばれ俺!


 必死に煩悩をおさえこもうとあがき続ける。おそらく金見さんは暗闇が本当に苦手なのだろう。

 今、俺に抱きついている彼女はバスタオルを投げ出してきたのか、マジで全裸だった。


 煩悩×理性×心配


 三つ巴の戦いが本格的に始まる!しかしその開戦直後、煩悩サイドの力がぐぐぐぐんと増し始めたッ!


「......はっ、はぁーっ、......は......んっ、は......」


 金見さんの吐息が、その......ね?へへ、これはアカンやろ。





 煩悩「――はっはっは、あっけねえな! 理性も心配も、これで終わりだ! 葉月も男なんだよ、これはそう、生理現象であり子孫をのこすための生物としての在り方......そして! 据え膳食わねばなんとやらの精神で、ハイ、いかせていただきます! ――いただきますっ!!!」


 煩悩がいやらしい笑みを見せた。




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