サンの頼み:エリアボス戦 ④
連続更新10/? そろそろエリアボス戦終了間近。
注射器で何かを注入したかと思ったらドクトルの体が変化していった。前までは科学者みたいに痩せていたのに見た目が魔物っぽくなって行った。
「コレガ、ワタシのホンキだ。このクスリハ、マモノのチカラをテニイレルコトがデキルクスリだ」
うわ、体に羽は生えてる‥‥顔はワニっぽい感じになってるし‥‥ハッキリいってキモい。そして、気になる事が1つ。そんな場合じゃないのは分かってるけど聞きたい。
「ねぇ、その見た目って元に戻るの‥‥?」
僕がそう聞いた瞬間に皆から驚愕したような顔を向けられた。うん。そうだよね?今、聞くことじゃないもんね‥‥だけどさ‥‥気になったんだもの。
「アタリマエダ!モトニモドレルハズダ。タブン‥‥キット‥‥アレ?モトニモドレナカッタラドウシヨウ‥‥」
あれ?なんか、様子がおかしい‥‥元に戻れるか不安になってるじゃん‥‥
「えっと‥‥ボクは良く分からないんだけどさ、元に戻れるかの確認ってしてあったの?普通は使う前に確認しない?」
「グハッ!」
「本気を出すと言ってたのは良いけど、後の事を考えてなかったのね‥‥」
「グフッ!」
フィルちゃんとリーゼさんの発言に精神的なダメージを受け始めたドクトル‥‥哀れ。
「えっと‥‥この状況って僕が悪いのかな?」
「大丈夫だ。いや、こいつがアホなだけだから」
僕が微妙な雰囲気を作り出しちゃったから悪い事をしたかな?って思ったけどエインさんが僕をフォローする事を言った。ついでにドクトルの悪口も言ってたけど。
「グァァ!許さんぞ!もう、私がどうなろうか関係無い!お前らを殺せるならこの命、どうなっても良い!」
あ、言葉が急に流暢になった。
「あれ、これヤバくね?」
サンが呟いた。
「〈パニックロア〉」
魔物に変化したドクトルの〈パニックロア〉を聞いてしまった。そして、全員が動けなくなってしまった。
「恐慌状態、か‥‥まだ、序盤なのにこの状態異常が来るとは‥‥」
「‥‥‥‥」
「諦めたくは無いけどキツイわね‥‥」
「悔しいな‥‥ここまできて負けそうになるなんて‥‥」
「ボクは恐慌状態は初めて経験するなぁ‥‥こんな感じなんだ‥‥」
皆が、諦めに近い言葉を出している。
「消え去れ!〈シャドウブレス〉」
敵の攻撃が来る。あれを受けたら僕の耐久力では一撃だなぁ‥‥きっと。まあ、僕は何故か恐慌状態?になってなくて動けるけど‥‥とか思ってたらサンが吠えた。
「諦めてやるものか!俺は、俺達は勝つんだ!〈逆境〉〈ブロークンハート〉〈覚醒〉!」
突如、サンの体が金色の光を放った。
「なんだ?その力は‥‥?」
「知らん!この力でお前を倒す!シン。お前はなんでか知らんが恐慌状態になってないだろ?あの攻撃は防ぐから手伝え!」
「え?あ、うん!」
サンのパワーアップの理由は知らないけど僕も諦めたくないと思ってた所だからね‥‥サンの言葉に力が沸いてきた気がする。
サン「なんだろうな~この力。なんか、声が聞こえてきて急にスキルを手に入れたんだよな‥‥今回はたまたま発動出来たけど発動条件が鬼畜なんだよなぁ‥‥このスキルは」
作者からのコメント
今までの見直してみたらエア君が〈土魔法〉を1度も使用してないのに気が付いてしまった‥‥(閑話では書いてた気がする)なのにスキルレベルが上がってたので修正しました。サンの頼み:討伐編②で〈連続魔〉の効果を誤って書いていたので、修正したついでに〈土魔法〉の使用を追加しました。




