表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】もう結構ですわ!  作者: 綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢をよろしく


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/80

33.王族の義務ではないのにね

 伯父様とお父様、どちらに才能があるかと問われれば……正直なところ、さほど変わらない。ただ人望となれば、お父様一択だった。私はあまり親しくないけれど、伯父様は暗いのよね。


 伯父様は僻んで、お父様を過大評価している。何でも弟の方が出来て、自分より上手だとね。でも私からみて、才能の差はほとんど感じなかった。それどころか、努力の量から判断すれば伯父様の方が恵まれている。


 第二王子だったお父様は、勉強も剣術もすべて二番目だった。与えられる教育水準が違うの。兄を超えないよう、お祖父様なりの気遣いだったのかも。さらりと表面を履修して終わる伯父様と、努力して差を詰めるお父様。


 追いかけられる立場ゆえに、お父様を過大評価して遠ざけた。哀れな人なのだとお父様は言うけれど、私にしたら臆病なだけだわ。弟が優秀でも、第一王子である伯父様が跡取りなのは確定なのに。貴族もそれで納得していた。


 だから問題なく即位できたのよ。それが、叔母様を遠ざける決断をした辺りから、雲行きが怪しくなる。お父様はお母様と相談し、本国を離れる決断をした。伯父様をこれ以上追い詰めれば、国を分断しての騒動に発展する。民のために内紛は避けるべきだ。


 決断の意味は理解できるの。でもね、悪化させただけだわ。


「……お前ならどうした?」


「私なら、きっちり伯父様と話をつけます。どんなに嫌がられても、引いたりしません」


 お父様は渋い顔で「そうか」と呟いた。危険回避のために一時撤退はしても、逃げ回る選択肢はないわ。後になればなるほど、事態は悪化するんだもの。今回の件でご理解いただけたと思うけれど。


「兄上は俺が幼い頃は優しかったのだ。勉強を教えてもらったこともある。だが……」


「その優しさは、立場が上だったからでしょう。少なくとも、私から見た伯父様は玉座に取り憑かれた亡霊です」


 お父様が気に入らないなら、直接対決するべきだった。恋人がいるセレスティーヌ叔母様を、別の男に嫁がせるなんて卑怯な手段を用いずに。正々堂々、お父様に出て行けと言えば済んだの。


 政略結婚させられる立場だから、私は伯父様を許さない。どんな言い訳を並べたところで、弱い立場の叔母様を不幸にした二十年の重さに勝てないわ。


 ルフォル王国は、古代帝国の末裔よ。その誇りは貴族だけでなく、民もよく口にする。ならば、他国との交渉にその誇り高い王族の犠牲を強いるのは、おかしくないかしら。どうしても避けられない衝突や被害を減らすための政略なら、王族の義務と割り切れたのに。


 王族同士の確執のために、本来必要かわからない政略結婚で己の人生を犠牲にする? 贅沢な生活をする王族の義務? 違うわ。私も叔母様も、それがルフォルの民に必要な結婚なら、何も言わずに従う。恋心が泣こうと砕けようと、王族の義務だと同意した。


 叔母様の二十年と、私が犠牲にされた十年を……しっかり返していただくわ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
合計三十年、小人百烈無限尻叩きの刑ですぬ。猫作者さんにグローブはめます。用意するのは炎のリング。刑タイトルマッチです。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ