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19話


俺は響先生と共に先に歩いていってしまった先輩を追いかけグラウンドへと向かっていった。


グラウンドに向かいながら響先生と話していたのだが、やはり教員でも男子と話したことはなく、そもそも男の人とここまで話すのは初めてだと響先生は顔を赤くしながら教えてくれた。


やっぱりこの世界の女性は男に対して免疫があまりないのだなぁ。と再認識したし、改めてこの学校の女子には俺を通じて男に免疫をつけてもらおうと思った。





グラウンドに着くと長門先輩が部員全員と一緒に来た皆を集めていた。


「逃げずに来たか」

「当たり前だ、腑抜けが」


まるで逃げ出すと思ってたかのように言ってきたので先程の苛立ちがまた沸いてきた。


正直この怒りは俺の覚悟を貶されたから出ている訳ではない。今まで努力してきた自分とその自分の仲間を否定した、長門先輩への苛立ちと怒りを覚えているのだ。


俺は嫌いなものの中に努力を馬鹿にする者、仲間を大切に出来ない者、がある。まぁ他にもいっぱいあるけど。


だからこそ、自分と仲間を信用出来ない長門先輩に苛立ちを覚えているのだ。


「ふん、どっちが腑抜けか教えてやる。中条、グロー」

「いえ、いいです、響先生、授業で使ってるグローブありますよね?」

「えぇ、あそこの倉庫の中に」


パッと行ってパッと戻ってくる。


いくらしっかり手入れできているグローブの方がいいとはいえ、俺がやるのは一打席勝負。オマケに投手、正直学校の備品で事足りる。

こんな争いに中条さん?がしっかり手入れしているグローブを使わせてもらうのは申し訳ない。


「そうか、で、捕手は自分で指名するって言ってたな?」

「あぁ、莉央、捕手をやってくれないか?」


莉央が座っている方に振り返ってお願いをする。


「へ?えーと、今から何をやるの?さっきから喧嘩してるっぽいけど」


今の状況を理解出来てないような、疑問の表情を浮かべていた。


集めていたのに説明をしていなかったのか?


「あぁ、今から一打席勝負をするんだ、俺が投手で、向こうが打者」

「へ?それで私が捕手?」

「あぁ、だって莉央、中学校の時まで野球やってたって言ってたけど、たぶん捕手だろ?」

「どうしてそれを......」

「んー、筋肉の付き方とか?その辺」


「中学校、捕手、莉央、なんか聞き覚えが」

「えっと捕手かぁ、ん?」

「明中の頭脳って、確か名前が莉央だったような......」

「暁 莉央............」


結構有名だったっぽいな、まぁ、見た感じ今の野球部の中でも莉央以上に基礎がしっかりしてるのは長門先輩と、あとはあの涼風先輩という人ぐらいだろう。


というか、そしたらなんで、野球の世界から遠ざかろうとしたんだ?


............まぁ、気にしない方がいいか。


「頼まれてくれるか?」


最悪断られてしまったら二年生の捕手の人にお願いするしかないな。


「いいですよ?任せてください!」


思った以上に嬉しそうにキャッチャーの防具を借りに行ったりし始めた。


んー、やめた理由は楽しくなくなったからってことじゃないのかな?よく分からないな。


「なぁ、守備は無しでいいよな?」

「どういうことだ?」

「大体飛ばした球の場所でゴロとかフライとかその辺の判断はできるだろ?」

「できるだろうが......まぁいい、好きにしろ」


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