2059.リミット
仕方なく地中から湧き出る温泉で腹をタプタプにさせたガトは言った。
「こんな不毛の地では早晩行き詰るわよ、待つのは確実で無意味な死だけだわ」
と……
側近筆頭の森王ダソス・ダロスは赤らんだ唇の周囲を舐め回しながら答えた、恐らく先行きへの不安と偏り過ぎた食生活による影響で口唇ヘルペスでも再発させたのだろう。
『一旦戻るかガト、しかしレイブの兄貴を放置してここを離れるのはぁ、些か、なぁ』
「それはそうよね……」
確かに体裁は大切だ、一団の指導者ならば一入だろう。
この枠組みでは結構な幹部待遇のタイゴン、キャス・パダンパが口をモグモグさせながら発言を返した。
『だったらペジオさん所にでも行くってのはどうっすか? あそこに入場券があるってしすさん言ってたっすけど?』
「あ、そうなの? 良いじゃない! 取り敢えず蝙蝠補充するまでそう言いましょうよ♪ ねっ、ダソス・ダロス?」
『うむ、それに否はないがぁ…… おい、パダンパ…… 若しかして、お前何か食べてはいないだろうな?』
『えっ! い、いや、別に……』
『別に? 別にって答えはおかしくないか? 食べていない、若しくは、隠れて自分だけコソコソ盗み食いしてたかのどちらかでなければっ! 食ったのか、お前っ!』
『え、いや、あの、その』
『はっきり答えろよっ! 食ったのか食っていないのかっ! ああっ?』
「ちょっとダソス・ダロス」
『ガトは黙っていてくれっ! これは大切な事なんだっ!』
「う、うん」
『早く白状するんだっ! この卑怯者めがっ!』
『ウグッ…… お、俺…… エグッ、ウグッ……』
…………お判り頂いただろうか、彼等とて限界だったのだ。
そんなやり取りが仲間達から聞こえるのが日常茶飯事になるのに時間は掛からなかった、ってかあっという間だった。
そのタイミングでドラゴン達の不毛な日本特攻が上申され、止めても聞かない馬鹿げたスタンドプレイに付き合い切れない、無駄に腹を空かすとか狂っているのか? そんな感じで全てが決定されたのである。
因みにパダンパがモゴモゴやっていたのはそこらの石ころ、気を紛わせようと頬に含んでいたのだがその事実、いや飢えに耐えかねた浅ましさを知られたくなかっただけらしい…… 今更感が物凄い、可哀想な奴だ。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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