2032.ずん底
ヴァミスの視線の先、警備の合同部隊の奥、鏡面の横に彼等はいた。
全身を漆黒の毛皮に覆われた猪の魔獣と鮮やかな赤い鱗に包まれたニーズヘッグ、ペトラとギレスラである。
揃って絶望のどん底、いや更に深いずん底を表情に浮かべ、全身を虚脱させ地面にペタリと座り込んでいたのだ。
何故こんな事になっているのか。
意気揚々と日本への扉に歩み出した彼らであったが、結果を言うと、通れなかったのだ。
兄ギレスラを従えて鏡面の前に立ったペトラには確信があった、無論、通り抜け成功の自信に、である。
――――ふふん、このしすさんの仕組みは理解済みよっ! 脆弱なパンピーは無視、未登録の悪魔にはデスサンダースパイクなのよ! あと二軍には臭みを抑えた悪臭攻撃なんでしょ! まあ正直、グラムランドとシュカーラのパターンは全然判らないんだけど…… そんなのどーでも良いわっ! だってレイブお兄ちゃんは通れたんだからっ! アタシとギレスラお兄ちゃんも同じアスタさん入りで魔力紋とやらは全く同一、通れない道理が無いのよっ! 恐れる事は何も無いっ、いざ行かん、伝説の地へっ!
そしておもむろに伸ばした手(前肢)で鏡面に触れた。
『あれ?』
反発を感じた。
しすさんは無言だ。
再び強く押してみる、反発も強さを増した。
『あら、おかしいわね?』
『ペトラどうしたのだ?』
『うん、ちょっと硬いのよね』
入り口に対する大変アナログな評価である。
しすさんは相変わらず無言を貫き鏡面自体はウィウィカチャカチャと微細な機械音を鳴らしているだけだ。
ペトラは首を傾げながら両前肢で押し始め、程無く鼻や頭で、最終的にはギレスラも一緒に体当たりまで始めたのだが、どうやっても跳ね返されてしまっている。
『はぁはぁ、ちっきしょう硬っいわねっ!』
『ぜぇぜぇ、コレ無理なんじゃないか? なぁペトラ、ぜぇぜぇ』
『そんな事ありえないわっ! だってレイブお兄ちゃんは通ったんだからっ! こーゆー機械的な奴って同条件下では単一の動作しか出来ない筈なんだからっ! あきらめちゃ駄目よっ! もっと力一杯押すのよっ! せーのっ!』
『グオオォォー! ぜぇぜぇ、びくともしないのだ』
ペトラの理屈だとシュカーラの消え方と違う時点でダメなのでは無かろうか? まあ努力するのは良い事だろう、結果は兎も角、自分達のやりきった感的に。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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