意地
暖かい春の香りが流れてきた。土方歳三は、ふと庭に目をやると、どこからか、桜の花びらが数枚ゆっくり風に流れてきた。そして、池に落ちると流れに任せるままに浮かんでいる。
空は、雲一つ無い快晴で柔らかな陽射しが部屋全体を包んでいた。土方歳三は視線を下に落とし、出されていた茶を右手で掴み口へ運んだ。
思えば、自分達が京の町へ行くことを決めたのも、この家の主に依頼されたのがきっかけであった。その京での六年間は、自分の人生で最も激動な時を過ごしたと言ってもいい。壬生浪士組から新撰組へと名が変わり、尊皇攘夷派や京の治安を脅かす輩への取り締まりを開始すると一気に時間が流れ出していった。時に敵を倒し、時に味方を暗殺し、時に友を殺し。今考えると、自分が試衛館の門を叩いて剣の道へ踏み込んだのは、何か運命的なものに導かれたのかもしれない。自分だけではない、近藤も沖田も永倉達も新撰組隊員全て。そう考えると、その何かに感謝するべきだろう。あのまま普通の男として、薬売りを生業として生きるよりも、いつ死ぬか分からず心がひりつくあの毎日の方が自分に合っているし、生きていると実感できる。
江戸にいた頃から京に移り、今のこの時まで、時代は目まぐるしく流れた。
あれだけ憎み合っていた薩摩と長州が、坂本龍馬の尽力によって同盟が成され、倒幕を掲げ始める。そして、朝廷工作を行ない、討幕の密勅が自分たちに下されると更に勢いついて、その盛り上がりは他藩も味方につけて勢いづいた。将軍になったばかりの徳川慶喜は劣勢になると明治天皇に対し大政奉還を行う。その後も何とか徳川主体の政治体制を画策するが、薩摩藩、越前藩、尾張藩、土佐藩、安芸藩ら各藩が政変を行ない、公家の岩倉具視が先頭になって、幕府廃止と新体制樹立を宣言する。朝廷を味方につけた新政府軍は、仁和寺宮嘉彰親王を征討大将軍として掲げると、錦旗・節刀を賜り正式な官軍となった。これは、全国の各藩に大きな衝撃をあたえることとなった。
これにより、新政府軍に味方する藩と、旧幕府軍に味方する藩とに分かれ、内戦という形で戦争が始まった。
新撰組は旧幕府軍に加わり、甲陽鎮撫隊と名を変え、甲府盆地で戦闘を開始するも敗戦。流山で軍の再構築を図ろうとするも敵方に囲まれてしまった。
「待たせて悪かったな、土方」
勝海舟が客間にやってきて、右手を上げて挨拶をすると、土方と対面し腰をおろした。
土方は姿勢を正し、深々と一礼するが、勝が必要ないと言うかのように、手を振ってやめさせた。勝はいつものように穏やかな表情であったが、以前会ったときよりもやつれていた。
「流山じゃ、随分やられたんだって?」
自分の側にある湯飲み茶碗を持つと、口を湿らす程度に一口飲んだ。
「ええ、隊を立て直すために陣を引いたのですが、ぐるりと包囲されました。装備の差が露呈しましたね。何とか暗闇に紛れて抜けてきました。それで、お願いがあってお邪魔したのですよ」
「何だい?」
「うちの近藤が、皆を守るために自ら敵の陣へ出頭しましてね。新撰組の近藤勇では、即刻処刑されるでしょうが、今回は名前を『大久保大和』と名乗っていましてね、素性がばれる前に助け出したいんですよ。勝様に何とかならないものか知恵をお借りにきたんです」
「なるほどな、それは何とかしなきゃならないね。近藤さんがいなくなれば、隊の求心力が無くなってしまう。分かったよ、新政府の方へ一筆書いて渡しておこう」
「ありがとうございます」
土方は深々と頭を下げた。
「その代わりと言っちゃあ、何だがね。一つ頼まれてもらいたいことがあるんだ」
「何でしょう?」
「今日から十日ばかり、この江戸では、新撰組におとなしくしてもらいたい」
「おとなしくってことは、戦闘騒ぎを起こすな、と言う事ですかね。そうなると、その十日間の間に何かが起こる、もしくは、敵方の誰かが勝様と会う約束があると?」
土方の目が鋭くなった。
「鋭い男だねえ、まったく。」
勝は小さい溜息をすると、腕を組んで真顔になった。
「なあ、土方。お前さん、この江戸の町が戦場になったとしたらどうする? 百万人と言われる江戸の人間が戦闘に巻き込まれるんだ。辺り一面死体の山、逃げ惑う非戦闘員、そんな中で戦闘をすることになる。一体、どれだけの人間が死ぬことになるかね」
真剣な眼差しの勝の目を見て、土方も腕を組んで考えた。勝の話を聞いて、十日間の間に何が行なわれるのか大体ではあるが予想できた。今まで、この男と話しをしてきたが、勝海舟という男は実に思慮深いし、先のことを予見する能力に長けている。慶喜を救うために全身全霊を傾けて行動しているのを聞いているし、決して己の利を優先する人間ではないのは良く分かっている。その男が、考え抜いた結論を自分はどうしたらよいのか。
「これから戦場になるであろう地方の損害よりも、この町の被害の方が大きいとお考えですか。慶喜様が助かれば、我々、一般の兵は死んでも構わないと?」
「それは、全兵士の考えることだろうな。それは理解できる。だがな、全くの無抵抗でここを明け渡すのと、幾日も争いお互いに血を流した上での敗北または勝利。一体どちらに理があると思う? 現状で言えば、まだ幕軍も勝ち目はある。そうなれば、いつ終わるかも分からない戦闘がそこかしこで行なわれ、終わりの見えない内戦が続くだろう。そして、どちらが勝利をおさめたとしても、残るのは、瓦礫の山と大勢の飢える民だ。もし、徳川幕府の象徴とも言える江戸の町を一滴の血を流さずに敵に渡したらどうなるか。幕軍の頭領である徳川慶喜が手を上げて降伏するんだ、そうなれば他の藩だって奴らに恭順し、必要の無い戦で多くの血を流さずに済む。そうは思わねえか、土方」
勝が、すっかりぬるくなってしまった茶を啜った。
「おいらだって、幕臣だ、徳川が負けるのは死ぬほど悔しいんだぜ。しかし、政の実権を天子様に返上しちまったんだ、時代が変わったのよ」
「勝様のおっしゃることは分かりましたよ。しかし、それは理想論だ。確かに慶喜様が奴らに恭順を示せば、それに従う藩もあるでしょう。反対に、意地でも戦う藩も絶対出てきます、まだ北には、会津を筆頭として強力な藩がいくつもあるんだ。そんな簡単にはいきませんよ」
「そうさ、お前さんの言う通りこれは理想論だ。だけどな、他にどんな方法があるってんだ。おいらが不戦を説いたって、反対派は頑として聞き入れねえ」
そう言った勝は、庭に目をやり、眩しそうに暖かい陽射しを見て黙った。
土方は、勝の真相を見た。自分にとって聞き入れる話では無かったが、それはそれで、上にいる者の責任と言うものかもしれない。
「お話はよく分かりました。言いつけ通り、この町で暴れるようなことしません。うちの連中には良く言ってきかせますよ」
「そうかい、それは助かるよ」
勝は、少しほっとした表情をして土方歳三を見た。
「そう言えば、あの人はどうしたんです? 今、貴方の警護は別の人間がしているらしいじゃないですか」
「ああ、あいつか。止めろ、とおいらは言ったんだよ。岡田以蔵なんざ、自ら抜けていったのなら仕方ねえてな。まあ、あいつはあれで、下の面倒見がいいからねえ、結局行っちまったが、それっきりだ」
「そうでしたか。あの時がそうだったのかな」
「うん? いつのことだい?」
「四、五年前ですよ。京で長州藩が、薩摩やその他の公武合体派の連中に追い出された日です。新撰組が御所の花畑の警護を命令されましてね。その中の一部が花なんぞ守ってられるか、と駄駄をこねまして、勝手に数人で巡回していたところ、朽葉さんと岡田に会いましたよ」
「それじゃ、おいらが大阪に行こうとしている頃だな。あいつが出て行ったのと時期的に合うな。岡田と一緒にいたって言うなら上手くいったのか」
「もう一人、いましたね。村錆忠明というでしたが」
「ああ、知っているよ、薩摩の裏の部分を担っていたとか。相当な剣の使い手らしい」
「俺は顔を知っていたので、岡田を捕縛しようとしたんですが、見逃せって凄まれましてね。できたばかりの隊を潰したくはないので、言う通りにしましたよ」
土方は苦笑して話しを続けた。
「ところが、次の日に村錆の死体が見つかりましてね。しばらくの間大騒ぎでしたよ」
「あの化け物をやった奴が、この世の中にいるのかい。それは驚きだな。相手は誰か分かっているのかい?」
「いえ、それが分かっていませんでしてね。あれから、新撰組は忙しくなっていったから、あのまま、話しが流れていきまして、分からずじまいです」
「あの村錆忠明がねえ」
「あの時期の京の町は殺伐としていました。我々新撰組の人間もかなりやられていました」
「そうだろうな。敵味方に分かれて殺し合わなければ、優秀な人材が揃っていたはずだよな」
「そうなると、坂本龍馬に関しては残念でしたね。一体、誰がやったのか」
「その話を聞いたとき、お前ら新撰組がやったのかと思ったが本当に違うのか?」
「坂本が京に来ている、という情報だけはありましたよ。一応探索はしたんですがね、結局見つけられなかった」
「もったいねえ奴が逝っちまったよな。どう転がって行くか分からんが、これからの時代にあいつは必要な男だったと俺も思うよ」
「確かに京では、一番可能性があるのは、新撰組と言われてましたがね。その他にも、いろんな噂話が流れてきましたけど、どれも信憑性に欠けてましたね。ですから、もしかしたら身内の、……失礼ですが、勝様が命じたんじゃねえかって、近藤さんと話したこともありましたよ」
茶碗を手に取り、口に運ぼうとした勝であったが、その話を聞いた瞬間ぴたりと止まり。妙に無表情になった。そして、再び目を庭に向ける。
「何でそんな話になるんだい。あいつはおいらの弟子だぜ」
「我々の考えは二通りありました。まず一つ、坂本龍馬は私らが真剣になって探索しても見つからなかった。では、知っているのは誰か。そうなると土佐、薩摩、長州、の各藩の者達を疑います。ところが、そこに出入りしていた坂本は、誰一人、自分が寝泊まりをしていた宿を話してはいなかったらしいです。いま話した各藩は、新政府の中枢です。坂本は彼らに対し、相当な働きをしたらしいですね。そうなると、新政府の幹部に抜擢されてもおかしくはありません。ですが、優秀すぎる故、自分達の上の立場になった場合、国を独占できなくなる。だから、そうなる前に殺した。
そして、もう一つ。坂本と勝様が別の道に分かれてから、手紙などのやり取りぐらいはしていたはずです。そうなると、何度か再会しようなんて話しもあったかも知れない。坂本は我ら幕府側の敵です、勝様の弟子とは言え、あからさまには会えないでしょう。そうなると、手紙か共通の知人を使って場所を教えあうのが一番の方法だ。あらかじめ見知った人間を寄越すことを話し、当日安心している坂本に一太刀入れることはたやすいだろう、ってね。」
土方は、極力世間話をするように話してはいたが、いくらか探るような目を勝に向けた。しかし、勝は黙ったきり、そのまま庭を見ていて、こちらの話しに乗ってはこなかった。
「まあ、近藤とそんなたわいも無い話しをしたことがあった。ということです。では、私はこれで失礼します」
土方が立ち上がり、勝に一礼した。
「ああ。それじゃあ、近藤の件は俺が何とかしておく。お前さんの方も、たのんだぜ」
勝が座ったまま、片手を上げた。土方はもう一度頭を下げると屋敷の玄関へ一人で向かった。
四月に入り、新政府軍が江戸にやってきた。多少の混乱はあったにせよ、戦にはならず、江戸城に入ったという。
土方は浅草の近くにある今戸にいる。そこで、流山から一緒に逃げてきた、島田魁ら隊員数名と早朝合流し、少し用事ができたと話し、外に出た。今は千駄ヶ谷を歩いている。
今後の行動計画として、まず、旧幕府軍と合流するために市川へ行き、最高幹部の一人である大鳥啓助の指揮下に入る。そして、新政府軍の動きを見てから北へ行くか、東へ行くかするだろう。この間の勝海舟との話しで何となく予想はしていたが、実にあっけなく江戸を占領された。それに不満を抱く者はかなりいて、上野の寛永寺を本拠地とし、居座っている彰義隊という陸兵軍がいるが、次々と人が集まっているらしい。近いうちに、新政府軍と彰義隊は激しい戦闘になるだろうと土方は思った。だが、勝海舟あたりが、戦闘を回避しようと動くかもしれない。実際に戦闘になったら、どれくらいの被害がでるのか予測できない。街中での戦闘となれば、勝が言っていた悲惨な状況になるし、上野の山近辺での戦闘になれば被害は最小限に抑えられるだろう。どっちにしろ、土方は彰義隊に参加するつもりはない。
一軒の民家に着いた土方は、戸を開いて中の人間に声をかけた。家の人間が直ぐに出てきたが物珍しそうに土方を見て、少しだけ口元を緩めていた。
少しムッとした土方であったが、そこは堪えて案内を頼む。目的の部屋の前まで来ると、家の人間は頭を下げて戻って行った。
「入るぞ」
土方は一言声をかけて襖を開けた。中の部屋は、外への襖が開かれていて、光が部屋一杯に降り注いでいる。その中で、一人の男が下半身を布団の中に入れ、庭を眺めていた。
土方の声で男はこちらを振り向いた。そして、少し怪訝な表情をしていたが、やがて無邪気な笑顔を土方にむけた。
「何だ、歳さんじゃないか。その頭はどうしたんです?」
髷をやめ、髪を洋風のかたちにしている土方を見て、沖田総司は笑った。その笑顔はどこか儚げで土方の胸をうった。
「似合うだろう? 俺は西洋かぶれでな、戦闘も洋風の軍服を着ているんだ。あれは動きやすくて実にいい」
土方は右手で頭をさわると、沖田の側に座った。
「どうだ、具合は?」
「咳き込みはするし、熱は高いし、まあ、変わらずですね」
「随分と痩せたみたいだが、飯は食っているのか?」
「こんな状態ですからね、体も動かさず寝てばかりいますから、食欲なんかわきませんよ。隊のみんなはどうですか、元気にやってます?」
「こちらもいつも通りさ。戦闘以外は訓練の毎日だから、皆必死になって体を動かしているよ。近藤さんも、お前と一緒に江戸に戻っていた頃の傷も今は癒えて、元気にやっているよ」
病人の沖田に、本当のことを言えず。土方は目線を外して沖田に答えた。
「そうですか、それは良かった」
沖田は笑みを浮かべると、首を庭の方に向けた。
「私が健康であれば、皆と共に血を流すこともできたのでしょうね」
「そんなこと言っても、仕方ねえよ、沖田。お前は、京の町で充分働いたんだ、今はその褒美として休んでいる、そう考えて早く治しちまえ」
土方は沖田の肩を軽く小突いてやると、力なく微笑み返してきた。
「しかし、凄い時代に生まれ落ちたと思いませんか、歳さん。もし私らが、ほんの五十年前に、今の年齢として生きていたならば、実戦など経験できず、試衛館で普通に汗を流して、平和な生活を送っていたはずです。それが、新撰組の人間として、京の町でいくつもの血を吸い、そして流し、死ぬ生きるの毎日を過ごしていたのだから、不思議な感じですよ」
「よく分かるよ。武士ではなかった俺達が、刀を差して本職のやつらと戦ったのだからな、ある意味痛快だとは思わないか?」
「そうですよね。こう言っては不謹慎かもしれませんが、京でのあの生活は……」
震えてしまった自分の言葉を、一旦切ってしまった沖田を土方は見た。沖田の目から涙が一筋流れていた。
「……楽しかったなあ。できれば、私はあそこで死にたかった。こんな、温かいぬくもりの中で死ぬのは少し悔しいですね」
沖田は、自分の命がもうすぐ消えてしまうことを肌で感じているようだった。土方から見ても、顔色が悪く、太かった腕も細い棒きれのようになっていて、はつらつとしていた沖田を忘れてしまうくらい、見る影も無いほどやつれている。
「一つ、お願いがあるのですが、いいですか」
「何だ」
「私と真剣で立ち会ってくれませんか」
冗談では無い、真剣な眼差しで沖田は土方を見た。土方も目をそらさずに沖田を見てしばらくの間見つめ合っていた。
「ああ、いいぜ。庭に出るか?」
「ええ、お願いします。言っておきますけど、手加減などしたら許しませんよ」
沖田が意地の悪そうな顔を作り笑った。
「大丈夫だ安心しろ。お前相手に手加減などしたら、こっちが大怪我する。立てるか総司?」
土方が沖田を起こそうと側に来たが、沖田は右手の手のひらを土方に向けてそれを制した。ゆっくりと沖田は立ち上がり、床の間に掛けてある刀を手に持った。そして、縁側に一度腰掛けて履き物を履くと、ふらつきながら歩き、土方と対峙すると、何か大事な物でも出すように、そっと刀を鞘から引き抜いて正眼に構えた。
土方も刀を抜き、正眼に構えると沖田を見る。元気だった頃の沖田は、たかが稽古でも、対峙すると物凄い威圧感がしたものだった。だが、今、目の前にいる沖田は波の無い湖畔のように静かな目をしている。それでも、構えている沖田に隙は感じられない。やはり手加減はできないと思った。
押しては引いてくる感覚が土方を襲ってくる。これは、一対一の戦いでよく起こる現象だ。無理に出れば斬られるし、押されたままにしても斬られる。微妙にこの圧と向き合うことが肝であるのだ。
しばらくの間、静かな時間が流れた。空では大きな雲が一つ風に流されている。その雲が太陽を隠すと二人がいる所が影になった。
何かが自分の体から湧き出てきた。それは、どんどん膨れ上がり、やがて抑えられなくなった。その時、隠れていた雲から太陽が顔を出すと、すうっと一筋の光が二人に当てられる。その瞬間二人は同時に動いていた。土方は上段に刀を持っていき、沖田は突きの構えをしている。
沖田の剣先が土方の喉元へ向かって来る。それは、とても弱く、儚い突きだった。あの神速とも言える沖田の突きは見る影も無いほどに、ゆっくり向かってきている。
土方は、右手だけで刀を持ち替えると、沖田に近づいた。そして、首を曲げ、剣先を避けると、そのまま沖田に寄り添った。左手で沖田の背を抱いてやり軽く叩いてやる。
「いい突きだった。心の底から痺れたよ」
土方は、沖田を抱き寄せたまま話した。
「…これで、これで悔いはありません。ありがとうございました、歳さん」
沖田が、がくりと膝を曲げて崩れる。しかし、土方がしっかりとそれを抑える。そして、沖田の腕を自分の首にまわし、支えながら布団まで運んだ。
布団の上に座った沖田は、少し咳き込んだ。土方は軽く背中をさすってやった。咳が終わった沖田の口に鮮血が一筋流れた。土方は側にある紙を持つと沖田の口の周りを拭いてやった。
そして、そのまま寝かせ、布団を掛けてやった。
「じゃあ、行くとするよ。ゆっくり休めよ、総司」
「はい。歳さん。また、会いましょう」
「ああ、達者でな」
土方は立ち上がると、部屋を出た。一度振り返り、襖に手を掛ける時にもう一度沖田を見た。沖田は、まだ土方を見ていて、目が合うと小さく頷いた。土方も頷き返す。襖が閉まりきるまで沖田は土方を見ていた。襖を閉めると通路は薄暗い。何か別の世界に来たような、感覚を覚えた。いや、沖田がいた部屋が別世界で、暗闇のこちらが現実だろう。死の世界が暗闇だったら、沖田が不憫だ。そんなことを考えながら、土方は玄関の方へ歩いて行った。
新政府軍と旧幕府軍はこれからも熾烈な戦いを続けていく。上野にいる彰義隊は、自軍の戦力と砲撃で、初戦こそ奮戦し新政府軍を撃退するも、新政府軍の持つ、射程距離の長いアームストロング砲が次々と着弾し始め、人数差と武器の装備に劣る旧幕府軍は一日で敗退する。
そして、戦場は東側に移り、会津藩をはじめとする、東北地方が中心となる。奥羽列藩同盟なる東北地方の各藩が同盟を組み、新政府軍と対峙することとなった。
土方は、宇都宮に行き、そこで参戦。一度は勝利をおさめるも、立て直してきた新政府軍に敗退、そこで足を負傷した土方は、会津へ行く。
会津での戦闘は激しいものであった。戦を有利に進めるため、土方は援軍を呼ぶために庄内藩へ赴いた。だが、既に新政府軍に恭順していた庄内藩は、土方の要請には耳を貸さず失敗に終わる。そこで、会津に戻り戦おうと考える永倉新八と、仙台へ行くべきと言う大鳥啓助と土方の意見がぶつかり、新撰組は分裂してしまった。
仙台に渡った土方は、そこで、榎本武揚率いる旧幕府海軍と合流し、蝦夷地へ向かった。
函館には、新政府が設置した函館府がある。当初、旧幕府軍は無理に戦闘を行おうとはしなかった。北方の防衛開拓を名目とした嘆願書を新政府に提出しようと、箱館府知事・清水谷公考に三十名の先発隊を派遣したのだった。だが、函館軍の奇襲攻撃が始まり、やむなく、旧幕府軍が戦闘を開始する事となる。結果、土方らが勝利し函館を占領後、五稜郭を無血開城させた。
最後に残った松前藩は、当初、どちらにも付かず日和見を決め込んでいたが、藩内の尊攘派がこれに反対し、決起すると松前藩の支配は尊攘派が握ることとなった。そこで、土方を総督とした、約七百名の兵が松前藩と戦闘を開始する。
松前城には大した戦力はおらず、数時間で城を落とした。敗走した松前藩の兵は、最終的に松前藩領北端の熊石まで下がり抵抗するが、最後は降伏し、蝦夷地は旧幕府軍が完全支配することになった。
旧幕府軍は、榎本武揚が総裁となり、函館政権樹立を宣言。函館政権は、蝦夷地の防衛と開拓を名目として、あくまでも朝廷下での蝦夷地支配を謳ったのだが、新政府はこれを認めず蝦夷地への派兵を決断する。
明治二年四月。遂に政府軍は、圧倒的な人員と物量で攻め込んできた。それを迎え撃つ函館政権は、土方などの戦闘指揮により、いくつかの勝利はするものの、徐々に防衛戦は狭まれ、五月上旬、遂に五稜郭まで撤退する。
そして、その夜、五稜郭内にいる兵士達は夕食を取っていた。兵士は皆疲弊していたが気力十分で士気は高かった。
土方は、奉行所内の自室で自分の愛刀、和泉守兼定の手入れをしていた。刃は、ところどころ刃こぼれがあり、今まで戦ってきた戦闘の激しさを物語っている。
「入るぞ、土方さん」
榎本武揚が、酒の入った徳利と猪口を持って入って来た。
「刀の手入れか、俺もやっておかないとな。とは言え、使いすぎてぼろぼろになってしまっているがね」
榎本は土方の正面に座り、猪口を一個土方に渡した。
「俺のも同じですよ、榎本さん。これで切られた敵兵はたまったものではないでしょうね。どうせだったら、私ら全員の刀をギザギザにしますかね」
土方は笑いながら猪口を受け取り、榎本に酒を注いでもらった。土方も、榎本の手元から徳利を受け取ると、酒を注いでやる。二人は猪口を右手に持ち、少し上に掲げると一気に飲み干した。
「大分やられてしまったな。いよいよ、明日は正念場だな」
「そうですね、脱走した兵の数も入れると、この人数差は埋めようもありません」
「仕方ないさ、誰だって我が身が一番かわいい。徳川は既に恭順しているんだ、何もここまで来て義理立てする必要は無い。むしろ、よくぞここまで、と思うよ。確か土方さんは、鳥羽・伏見からずっと戦っているよな、何故そこまで血を流すのだ? 途中、いつでもやめることはできたろうに」
「俺は元々、天然離心流の道場に通う普通の男でした。それが、幕府のおかげで、本物の武士になれたんです。その恩返しはしておきませんとね。とまあ、格好つけるとそんな感じなんですが。結局のところ、ただの意地ですかね。負けず嫌いなんですよ、俺は。だから、せめて一矢報いることができればそれでいい」
「そうか。俺も半分意地みたいなものかな。それに、そもそも俺は薩摩や長州が嫌いでね。外様のくせに、徳川に楯突きやがって許せねえって思ったな、まあ、それが一番だな」
榎本は大きな声で笑うと、土方の猪口に酒を注いだ。
「この戦いが、よい意味で終わったとすると、その後総裁はどうされるおつもりですか?」
「うん、そのことなんだがね。できればもう一度、蝦夷地を一つの国家として新政府に認めさせたい。認可された場合、あの方にここへお越し頂いて頂点に立ってもらいたいと思っている。蝦夷はまだまだ未開拓の土地だ。この広大な大地で家畜や畑などをしていけば、かなりの量が生産できるだろう。そうなれば、多くの人が入植して来て、ここの人口は莫大に増える」
「いいですね、それ。俺も未開拓の土地へ行って、色々なものを見てみたいです」
「ああ、土方さんはだめだ」
榎本が右手で手を振った。それを見た土方が少しだけ眉をひそめる
「君は軍の指揮官として、蝦夷の防衛を担ってもらわんと。大鳥さんも言っていたが、君には指揮官としての才能がある。実際、二股口の防衛では見事に敵を追い払っているじゃないか。開拓をやりたければ、爺さんの歳になって、軍を勇退してからやってくれよ」
「そういうことですか。仕方ないなあ、軍は嫌いではないので総裁の命令として、甘んじてお受けしますかね」
二人は笑い合うと、土方が再び徳利を手に取って、榎本に酒を注いでやった。
「お取り込み中のところ失礼します」
一人の兵士が襖を開けて顔を出した。
「おう、どうした?」
「…それがですね、ちょっと困った事態が発生しまして、ご意見を伺いたくて」
兵士は困った顔をして頭をぽりぽりと掻いた。
「何だ、敵の斥候でも見つけたのか?」
「いや、我々は敵だと思っているのですが、本人は違うと否定してまして」
「はっきりしない奴だな。きちんと分かるように説明しろ」
土方が強い口調で兵士を叱咤した。
「申し訳ありません! 実は北門で敵兵の服を着た男が現れまして、中に入れろと騒いでおります。腰に刀を差していまして、銃は持っておりません。何名かでその男を囲んでいたのですが、戦う意志は無いと言ってます」
土方と榎本が顔を見合わせ首を捻った。
「意味が分からん。敵兵の男が投降してきたのですかね、榎本さん」
「うん、そうのようだが」
「自分の私見としまして、敵の兵士としては、いささか年齢が上の方でして、見たところ四十をいくつか超えていると思います。それに、左腕も失っているようでして、兵士とは思えないのです。でも、俺は土方の知り合いだから、奴を呼べと騒いでまして。本当に土方隊長のお知り合いでしたら失礼なことはできませんし、かと言って、身分がはっきりしない者をすんなり通すのも問題ですので」
「土方さん、今言った男に聞き覚えはあるか?」
「無いですよ。大体、俺の知り合いが何でここに。それに、この五稜郭は敵軍に囲まれている状況ですよ、どうやってここまで来たんだろう。ちょっと、見て来ますよ」
「俺も行こう」
二人は部屋を出て、兵士の後を歩いた。
「おい、その男名前を名乗っていはいないのか?」
榎本が前を歩く兵士の背中に声を掛けた。
「えーと、確か、朽木とか、あ、いや、朽葉だったかな?」
「朽葉だと! おい、お前。朽葉と言ったのか?」
土方は驚いて、思わず大声を出してしまった。
「ちょっと、うろ覚えでして、くち、何とかと言っていたのはまちがいないのですが、はっきりしなくて申し訳ありません」
「何だ、やっぱり君の知り合いか、土方さん」
「俺の知ってる男でしたら、朽葉士光と言う男です。もし、その人だとしても、ここに来る理由がありませんよ。それに、その男にはしっかりと両腕がありますから、別人だと思います」
三人は表を出て、北門へ早歩きで向かった。すると、門の辺りで人だかりができている。近づいていくと、土方の耳に聞き覚えがある声が入ってきた。まさかと思い、その声の主を見て土方は木刀で殴られた様な衝撃を覚えた。
「だから、何度も言っているだろう。俺は朽葉士光って者で、土方の知り合いだから会わせろよ! …埒があかねえな、こうなったらお前ら全員、ぶっ飛ばして強引に入るか」
不吉なことを言い始めた朽葉士光を見て、土方は囲んでいる兵士を強引にかき分けて中に入った。
「…くちばさん」
「ん? お前、土方か?」
土方を見て、士光が首を捻った
「そうです、土方ですよ。朽葉さん、何でここに」
「おお、土方か! ほれ見ろお前達、俺の言ったことは間違ってなかったろう。それなのに、怪しいとか何とか言いやがって」
士光は自分の身分が証明されたことを、周りの兵士達に指差して話した。それを、土方が止めて、士光の両肩に手を置いた。
「ちょっと、ちょっと。何でここに朽葉さんがいるんだよ。それにその格好、政府軍の軍服じゃねえか」
「あ? ああ、これか。これにはちっとばかし理由があってな。話しが長くなるから、ここでは端折っておくよ」
「いや、端折らなくていいよ。一体何しに来たんだよ!」
「何って、お前に借りが一つあったろうが。それを返しに来たんだよ。つまり、助っ人に来てやったと言うわけだ。見たところ弱そうな奴ばっかりだな~、俺が来てやって丁度よかったじゃねえか」
その言い草を聞いた周りの兵士達の顔は、怒りの表情になり、皆、士光に詰め寄り始めた。
「おい、ちょっと待てお前達」
土方が慌てて兵士達を抑えた。
「いくら隊長の知り合いだからって、今のは聞き捨てなりませんね。片腕しかない中年風情が偉そうにしてるんじゃねえ。お前なんか戦場に来たって邪魔なだけだ、帰れ」
一人の兵士が士光に怒鳴った。
「中年だと~、この若造が! 邪魔だとか言いやがったな? 上等だ、お前ら全員ぶっとばしてやるよ、かかってこい!」
士光は、燃え上がっている兵士達に向かって、更に油を注いでやった。それを聞いた兵士の怒りは頂点に達した。
「お、おい待て、お前達抑えろ!」
「まあ、いいじゃないか土方さん。君には悪いが、どう考えたってあの朽葉って男が悪い、片腕では戦力にならんし、痛い目見て帰ってもらおう。それにしても、どうやってここまで来たんだろうな?」
榎本が土方の肩に手を置いた。
「榎本さんがそう言うなら。でも、知りませんよ、こいつらが動けなくなっても」
土方は目を細めて憮然とし、腕を組んだ。
「何を言っているんだ、十対一だぞ。勝てる訳ないだろう、少し酔いが回ったか?」
そう言って榎本はにやりと笑い、士光と兵士達の間に立った。
「よし、ここは俺が見届けてやろう! ただし武器を使ってはならんぞ、やるならば自分の体を使え」
榎本がそう言うと、兵士達は手の指を鳴らしながら士光に近づいた。
そして、しばらく時間が経った。
士光は土方と共に、奉行所内の食堂として使っている部屋にいた。士光はそこで出された握り飯とたくわんをほおばっている。
「だから、やめろと言ったんだ、それをまったく。朽葉さん、あいつらが明日の戦闘で使い物にならなくなったら責任とって下さいよ」
「大丈夫だろう、そんなに強く殴ってねえよ。それにしても柔い連中だったな、そんなんでまともに戦えるのか、土方」
「あんたと一緒にするなよ。それよりも、借りって何だ? 俺はあんたに貸しを作った覚えは無いのだがな」
土方は熱い茶を一口飲んだ。
「何だ、忘れてるのかよ、京で岡田を見逃してくれたじゃねえか。その時お前に言ったはずだぞ」
「え? ああ、岡田以蔵のことか。そんなことでここまで来たのか。一体どうやって?」
「勝から話しを通してもらって、お前の居所を探ったんだよ。それで、仙台から蝦夷に入った情報が耳に入ってな。蝦夷地を攻める政府軍の編成で、軍の小間使いとして雇ってもらったんだよ。この腕じゃ、兵士として採用されないからな」
「その腕どうした? 誰かとやり合ったのか」
「……もう、前の話だからいいか。村錆忠明っていただろ?」
「あの事件、あんただったのか。あの村錆忠明が死んでいて、京じゃ、大騒ぎだったんだぞ。特に薩摩藩が、目を血走らせて犯人を捜していたんだ。結局わからずで終わったがね。考えてみりゃ、あんな化け物を倒せる男がいるとしたら、あんたしかいないよな。何で気がつかなかったんだ、俺」
土方が肩を落として、頭を掻いた。
「まあ、あいつとは因縁があってな」
士光が握り飯を木製の皿の上に置いて、村錆忠明の話を始めた。その話を聞いた土方は驚愕する。
「本当かよ、信じられねえな」
「あいつが、俺の育ての親と話しているところに俺もいたからな。その話が嘘か誠か、知っているのは、朽葉雪彩ただ一人だ」
話しを終えた士光が、茶碗を口に運んだ。
「なあ、朽葉さん」
「うん?」
「現時点で、俺達の状況は分かっているよな? 何でわざわざ死に触れるようなことを?」
士光は、もう一度茶を啜るとゆっくりと下に置いた。茶碗からは、白い湯気がゆらりとのぼっている。
「そうだな、今の時代の若い奴らってよ。何て言うか、こう、目がきらきらしてやがんだよ。それは、どれが正義でどれが悪とか、敵味方とか関係なくな。皆、この国の明日を案じて一生懸命でさ。自分のことより、日本の未来のために血を流してやがる。そんな若い奴らを見ちまったら、放っておけねえんだよな。それは、お前も入っているんだぜ、土方」
土方はしばらくの間、下を向いていた。自分が出会った男達の顔が目に浮かんでいる。
「随分と泣かせるような台詞を吐くね。伊達に年を食ってないってことか」
「うるせえ、若造が」
士光が嬉しそうに笑った。
「見て分かると思うが、俺は銃を使えない。やれるとしたらこれだけだ」
士光は左の腰に差してある刀をさわった。
「本気なんだよな?」
「くどいぞ、土方。できれば、抜刀隊を作ってくれよ、十名程でいい。俺が先行するところを援護してもらいたい。中に入ってしまえば俺の独壇場だ、片腕だけでも五十人はやれる」
「分かったよ、正直、あんたが味方にいてくれたら助かる。榎本さんに言って許可をもらおう。今日はもう遅い、ゆっくり寝てくれ」
「ああ、任せろ」
翌日早朝。政府軍が一斉に動き始めた。敵の一部が函館山を既に制圧し、有利な態勢をとる。それを奪還しに行くため、兵を派遣するも、海側からの艦砲射撃と、山頂からの猛攻撃を受けあえなく撤退。その後、函館市街はあっけなく制圧される。
そんな中、五稜郭から南西にある弁天台場が敵に囲まれて孤立した。土方はその隊を救うべく出陣した。弁天台場を囲んでいる敵の背後を突こうとしたが、それを守る敵の一隊が待ち構えている。そこで、朽葉士光は、味方の援護受けて敵の中へ斬り込んだ。常人では目で追えない速度で動く士光に、敵は慌ててしまい次々と倒されて行く。だが、片腕のため、士光は自分の体をいつもの通り動かせてはいなかった。
素早く動く志光に翻弄された敵はそれでも果敢に士光へ攻撃を仕掛ける。そして、遂に一発の弾が士光の右腿へ当たる。その勢いで士光は倒れるも、直ぐに膝立ちをして襲ってくる敵兵に対処した。一、二、三人を切り倒す。だが、背後から敵の一人が士光の頭をめがけて剣を振り下ろそうとしていた。
その時、士光の正面から一人の男が向かって来て、士光の背後を襲って来た男の胸に刀を突き刺した。男は口から血を吐き出すと後ろ向きに倒れた。
「平気か、朽葉士光」
「助かったぜ、土方」
にやりと笑った朽葉士光は、再び動く。それに合わせて土方歳三も敵を斬りつけて行く。味方も直ぐに追いついて至近距離での戦いになった。
皆、刀や剣を手に取って斬り合っている。敵も、味方も倒れていった。
やがて、五十名いた敵は全て切り倒した。味方もわずかに残すだけになっていた。
見渡せば、周りは敵に囲まれている。すると、前方より敵の一隊が向かって来る。
「動けるか、朽葉さん」
土方は息を切らしながら前を見ている。
「当たり前だ。行くぞ、土方」
二人は目を合わせ、にやりと笑うと同時に頷いて前方へ走っていった。
「友よ、また会おう」今回で終了となります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
最初この物語を作ろうと思ったのは、「幕末物かっこいいし、これで行こう!」とか、
軽く考えていたのですが、調べていくとメチャメチャ奥が深く、出てくる人物も大量にいることがわかり、「やべ~!へんなもんに足を突っ込んじまったw」とある意味逝った感じでした。
途中でやめちまうか! なんて考えもありましたが、毎日のアクセス数を見ていると、誰かしらの方々がご訪問頂いており、結果、それがパワーの源として最後まで創作することができました。
貴重な体験をさせていただき、本当にありがとうございます!




