95、サンプル
僕達は家に帰って来た。
何日も家を開けて、ふと第三者の立場で見た始姐の家は怖かった。
深い森の中に佇む一軒の洋館は
何かが出てきそうだ。
ちなみに某アニメの「早く◯◯になりたい~」が出てきそうだだった。
そうそう。あれから斎藤一は一度も外に出て来ない。
外と言うのはジェラルドの身体を借りて歳三と話をしたり好き勝手する事だ。簡単に言うと身体の主導権はジェラルドのまま。
始姐の狂喜を目の当たりにしてびびって出てこなくなったか、魂ごと簡単に消せれる事を知ったかはわからない。
ただ、例え歳三の仲間でもジェラルドに傷を付ける奴には容赦しないだろう。
それが魂だけの存在でも。
始姐なら軽くあしらう様にして魂に傷を付けるだろう。
始姐は空いた時間で、斎藤一の肉体の再構築をやっているがどうも上手く行かない。
「始姐、お茶が入りました。」
「ジェラルド。あれからどうだ?身体に負担は無いか?」
「はい。有りません。ただ、斎藤が始姐に会うたびびくついているのを感じるぐらいです。」
「なんだそりゃ?」
始姐は何言ってるんだと顔をする。
前、人間の解体をニッコニコ笑顔の鼻歌交じりでやってた始姐。
魚を捌く様に人間を鳥の様に簡単に捌く。
出汁も人間の骨を魔法で煮たたせて処理して調理して、しかも同じ人間に食わすと言うことまでやっている。
天使のような見た目でもやることは悪魔の様にひどい。ニヤニヤと笑い人間一人をフルコースを作る。しかもすごく美味しいのだ。
斎藤一にとってびっくりして恐怖する事の案件だ。
「そうだ。始姐は、どちらで再構築してます?」
「ん?。奴は男の子だから男の肉体で考えてるが、どうやらそれが難しくてな」
「では、こんなのはどうでしょうか?男の子じゃ無くて女の子の肉体で考えたらどうでしょうか?」
「女………。そうだな物は試しようだやってみよう。」
それからは早かった。
始姐は部屋に戻ってパーツごと分かれてる大きな本を開いて髪の色に長さ、癖ッ毛か直毛か、長身か背が低いか!やせ形か、ぽっちゃりか、筋肉質か、瞳の色、胸の大きさ、貧乳か、普通(並)か、巨乳か、足のサイズ、手の大きさを見開きサンプルを作り始めた。
サンプルで作ったのは3人。
一人目は癖ッ毛の背の低い筋肉質胸は貧乳、黒目黒髪の女の子。
二人目は長身の胸は普通(並)で直毛でやせ形、黒目黒髪の女の子。
三人目はぽっちゃりで巨乳で髪に軽くウェーブをかかった黒目黒髪女の子。
「一応3種類作って来たよ。」
始姐が持ってきてジェラルドに見せる人形。
「見ましたが、僕は二番目か三番目がいいです。」
ジェラルドの意見を聞いて始姐は一つ目のサンプルを砂の様にあたかもなく消した。
「歳三~♪」
「なんだ?シロエ」
「ある2つの女体を見て欲しい。あっ本物じゃあ無くてサンプルだ。さわってよし愛でてよし………何で赤くなる?」
歳三に顔を赤くさせて連れて来てテーブルの上に置いてあるサンプルを見せた。
サンプルは、細部に至るところまで作られてる。
「凄いなー (棒読み)」
「この2つの女体のどちらがいい?巨乳か普通(並)か」
「ジェラルド!人形の足を掴んで開くな!」
「何照れてんの?サンプルだよ」
「サンプルでも細部まで作られてるだろう!シロエも同じ女なんだから恥ずかしがれよ!」
顔が赤い歳三は紅茶を一気飲みした。




