85、夢の話
結局僕が砂糖の量を間違えた菓子は全部、始姐の腹の中に消えた。
魔法を使い甘い物が欲しいと言って作ったあった失敗作のホ◯イ◯サ◯ダーをキレイに間食してくれた。
ありがたや。ありがたや。
家に僕と歳三が入るとそこは何もなかった様になってる。
板の色が前と寸分変わらなかった。
改めて始姐の魔法は凄いと感心してしまいましたが、魔法ってこんな使い方でしたか?
もっとドンパチのイメージですが?
えっ?!それであってる?
始姐の使い方の方がおかしい?
ですよね。そうですよね。
僕の考え方が合っててほっとしました。
えっ?!何でそんな使い方をしてるか聞いてみろって?
嫌ですよ。嫌。聞くなら君自身で聞いて下さい。僕は知りません。
えっ?!君自身も嫌?
なら僕に聞かないで下さい。
あまりにも必死に聞いて来るので僕は始姐に聞いたよ。
「えっ?魔法の使い方がおかしい? そんな事ないよ。繊細に研ぎ澄まされた魔法は使い方によって最大の武器になる。細く鋭くする、人間の急所に打ち込んで魔力を無くせば、突然死になる。最強でしよ?」
にこやなか笑みに僕はゾグッとしました。
だって始姐の瞳に光が無くなった目をしてます。
でもそんな始姐は素敵です。
えっ?、ただの頭がイカれてる?
何を言ってるんですか?
僕も怒りますよ!
始姐はイカれてません。
訂正してください。
分かりました。
訂正しないなら君に始姐の素晴らしさを永遠に話しましょう。
クククッ、懇願してもやめませんよ。
僕はその後、丸1週間みっちり始姐の素晴らしさを聞かせて上げました。
「ところで君は誰だい?」
知らない相手に話をしてたの?
ああ、まだ名乗ってませんでしたね。
「僕はジェラルド。君は?」
『斎藤 一』
おおっそうでしたか。歳三が言っていたのは貴方でしたか?
ん?歳三?
ああ、我が家にいる歳三の名前は土方歳三です。
そうです。
元新撰組の鬼の副長です。
合えそうですか?
ええ?合うのが恥ずかしい?
男の子が何言ってるんですか?
大丈夫です。始姐がうまくやってくれます。
フフフ、もちろん信頼も信用してますよ。
始姐は世界一凄い人ですから。
だから安心して待ってて下さい。
その時が来るまで………。
『お……お……おい……じょう……おい?大丈夫か?』
目を覚ました僕は何故かソファーに寝かされていた。
「あれっ?僕は何で寝てる?」
『シロエが作った創作料理の内の一つ。名前にするのもおぞましい料理を食べたんだ。ひっくり返ったお……ジェラルドをここに運んだ。料理はもう処分済。シロエにも言った。「料理を作るな!」と……この家でまともなジェラルドがいなくなったら、俺とシロエが困る。主に俺が!』
「そ、そうですか。ご迷惑をお掛けしました」
青い顔をした歳三を見て僕は、「凄いものを食べたんだな」と実感した。
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