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始姐様と僕  作者: 橘莉湖
85/155

85、夢の話

結局僕が砂糖の量を間違えた菓子は全部、始姐の腹の中に消えた。

魔法を使い甘い物が欲しいと言って作ったあった失敗作のホ◯イ◯サ◯ダーをキレイに間食してくれた。


ありがたや。ありがたや。


家に僕と歳三が入るとそこは何もなかった様になってる。

板の色が前と寸分変わらなかった。

改めて始姐の魔法は凄いと感心してしまいましたが、魔法ってこんな使い方でしたか?

もっとドンパチのイメージですが?


えっ?!それであってる?

始姐の使い方の方がおかしい?


ですよね。そうですよね。

僕の考え方が合っててほっとしました。


えっ?!何でそんな使い方をしてるか聞いてみろって?


嫌ですよ。嫌。聞くなら君自身で聞いて下さい。僕は知りません。


えっ?!君自身も嫌?


なら僕に聞かないで下さい。


あまりにも必死に聞いて来るので僕は始姐に聞いたよ。


「えっ?魔法の使い方がおかしい? そんな事ないよ。繊細に研ぎ澄まされた魔法は使い方によって最大の武器になる。細く鋭くする、人間の急所に打ち込んで魔力を無くせば、突然死になる。最強でしよ?」

にこやなか笑みに僕はゾグッとしました。

だって始姐の瞳に光が無くなった目をしてます。


でもそんな始姐は素敵です。

えっ?、ただの頭がイカれてる?

何を言ってるんですか?

僕も怒りますよ!

始姐はイカれてません。

訂正してください。

分かりました。

訂正しないなら君に始姐の素晴らしさを永遠に話しましょう。

クククッ、懇願してもやめませんよ。


僕はその後、丸1週間みっちり始姐の素晴らしさを聞かせて上げました。


「ところで君は誰だい?」


知らない相手に話をしてたの?

ああ、まだ名乗ってませんでしたね。

「僕はジェラルド。君は?」

『斎藤 一』

おおっそうでしたか。歳三が言っていたのは貴方でしたか?

ん?歳三?

ああ、我が家にいる歳三の名前は土方歳三です。

そうです。

元新撰組の鬼の副長です。

合えそうですか?

ええ?合うのが恥ずかしい?

()()が何言ってるんですか?

大丈夫です。始姐がうまくやってくれます。

フフフ、もちろん信頼も信用してますよ。

始姐は世界一凄い人ですから。

だから安心して待ってて下さい。

その時が来るまで………。




『お……お……おい……じょう……おい?大丈夫か?』

目を覚ました僕は何故かソファーに寝かされていた。

「あれっ?僕は何で寝てる?」

『シロエが作った創作料理の内の一つ。名前にするのもおぞましい料理を食べたんだ。ひっくり返ったお……ジェラルドをここに運んだ。料理はもう処分済。シロエにも言った。「料理を作るな!」と……この家でまともなジェラルドがいなくなったら、俺とシロエが困る。主に俺が!』

「そ、そうですか。ご迷惑をお掛けしました」

青い顔をした歳三を見て僕は、「凄いものを食べたんだな」と実感した。


読んで頂きありがとうございます。

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