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始姐様と僕  作者: 橘莉湖
84/155

84、ホ◯イ◯サ◯ダー

『「新しい何かを見つけろ」って言われてもなぁ……』

東屋にある椅子に座り背もたれに背中を預けて呟く。

昨日の出来事が脳裏に浮かぶ。

グチャグチャのドロドロの人の何か……

「どうしたんですか?」

歳三を覗きこんでジェラルドが言う。

突然声がして目を開けたら目の前にジェラルドのドアップの顔だ。

『ギャアァァァ!』

飛び起きる歳三にとっさに頭を回避して不愉快な顔をするジェラルド

良かった。ぶつからなくて。当たったら痛いではすみません。たん瘤が出来ます


『人を化け物を見たように』

『いきなり現れたら驚くだろ!』


「そうですか?」と本当に分からない顔をして首をかしげるジェラルドにもういいやと思う歳三。


『何を考えていたんですか?』


マジックバックから椅子を取り出して座り長期戦を構える姿勢でいる

『シロエは?』

『家の修理です』

歳三は「そうか」と呟いてそれから何も話さなかった。


鳥の鳴き声がする。


静寂を破ったのは歳三の声だった

「なぁ……俺ももしかしたらあの化け物と同じになってた可能性もあったんだよな?」

「さて、どうでしょう?」

『どうでしょうってなんだよ!俺は全く気付かなかった!お前とシロエだけ気付いて俺は手足も出なかった!』

「お前ではありません。ジェラルドです。」

お前呼ばわりされて怒るジェラルドに歳三はたじたじになり

「すまん」

と謝った。


「許しましょう。先ほどの話ですがあれは、貴方の知る斎藤と言う者ではありません。あれは出来損ないの物体です」


どうして出来損ないが現れるかいまだに分からない。

大昔に何かあった。あったから今がある。

分からない事は言えない。

誰だったそうだ。憶測で物を言ってダメだ。

「気になるなら始姐に聞いて見ればどうですか?」

「シロエに?」

「答えをもらえるかどうか分かりませんが」

お茶を飲んでほぅと息をする。

ジェラルドはお茶と茶菓子に夢中で歳三は眉間にシワを寄せて考え込んでいる姿は目に入ってなかったがだいたいの事は分かってるので一言。


「あまり悩んでばかりにだとハゲますよ。今日の茶請けはホ◯イ◯サ◯ダーです」

ホワイトチョコレートにある程度欠けたクッキーにチョコ絡めて細く短く一口サイズにカットされた菓子だ。

『………甘い』

思った以上に甘い菓子。

「砂糖いる量、間違えたかな?」

ジェラルドも一口で食べ、つかさずお茶で流し込んだ。

「砂糖の量間違えました。これでは糖尿病になります。」




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