77、甘味はほどほどに
鈴蘭によって、女将の計らいで団子とつぶあんとマグカップを買った。
鈴蘭の女将はウハウハだ。
仕入れて分を全てをシロエは買って行った。
その後トシとジェラルドとシロエの服を選んで買って行く。
あっちの店、こっちの店と歩き、買い食いまでする。
でもジェラルドとトシの服は全て黒色のズボンや緑色や白色の服ばかりだ。
色味がない。
途中、シロエが焼き串屋の前でじっとしたまま動かなくなり焼き串を3本買って食べた。
「角ウサギの肉の焼き串」
「旨いな」
「美味しいですね」
もっ、もっ、もっ、もっ、と食べる3人は、見る人から家族かな?と思われてる。
余りに美味しかったので大量に焼き串を購入。
店主はウハウハだった。
買い物が済んで僕達はガルーダ便に向かった。
「おじさん」
手を振りながら初老の男性の前に駆け寄る。
「おおっシロエの嬢ちゃんか」
「今日は空は飛べる?の森まで」
「ああ、いいよ。飛べるよ。嵐が近づいて来てるからね、ちょっと手荒いけど嬢ちゃん達なら大丈夫だろ?」
「もちろん」
お金と大量の焼き串を渡してシロエ達はゴンドラに乗り大空に羽ばたいた。
「シロエの嬢ちゃんのチョイスの焼き串は旨いな」
焼き串を咥えながら飛んで行くガルーダを見送る。
大空を飛ぶガルーダ便。ゴンドラから外を覗くトシは地上を見ていた。
青々とした山をいくつも越えて見えてくる始姐の森。
高度を上げて何かを避ける様に飛ぶガルーダ。
「何も見えないけど何か有るのか?」
「何も見えないけど何か有るよ。動物は危険を感知が鋭いから、まぁ3回程当たって全身に電流が流れる痛みに襲われば嫌でも分かるよ。」
「年に3匹程丸焼きになりますから」
それはどうなんだろと顔をするトシをする見てニッコリ笑うシロエとジェラルド。ゴンドラが堕ちても飛行魔法で空を飛べるのでシロエは大したことがないと思ってる。
「ガルーダいつもの所に停まってくれ」
シロエが言うとガルーダはピィーと鳴いて滑空しはじめる。
「おおっ、荒いな」
「もう少しで着くから。この辺は気流が乱れるからね。」
何でもない様に言い退けるシロエにトシは「本当に大丈夫なのか?」と顔をした。
「大丈夫ですよ。いざとなればシロエさんの魔法が有りますから、スリル満点ですよ」
(有るんかい!)
ジェラルドの言葉に内心突っ込みを入れるトシだった。
無事に始姐の森に着いたシロエとジェラルドとトシはガルーダを見送り森の中に入って行く。
「あーやっぱり森はいい」
「変な派閥とかないですし」
「楽だな」
始姐、ジェラルド、歳三は思い思いの言葉を言った。
その後団子を作る為に3人で東屋に行きシロエのアイテムボックスから団子とつぶあんを取り出した。
「始姐、一応団子は焼きましょ」
「そうだぞ、シロエ。食べたくても生は良くない。ちゃんと焼こう」
生で食べようとする始姐を止める歳三とジェラルド。しぶしぶアイテムボックスから七輪を出して炭に火を着けて網を載せて団子を焼く。
焼けた団子からつぶあんを載せて3人はパクリと食べる。
「「「んー、旨い!!」」」
「緑茶、緑茶が欲しい!」
始姐の言葉にジェラルドが、
「始姐、緑茶を作って下さい。」
始姐がアイテムボックスから茶葉と急須と湯飲みを出して魔法でお湯を作り緑茶をつぐ。
熱めのお茶を歳三は飲んで
「これだよ。これ。団子と緑茶は合うな~」
丸太に座りテーブルの上は団子と緑茶のパーティーが始まった。
その日は団子でお腹がいっぱいになり夜ご飯は食べなかった。
「「「ウプッ、食べすぎた」」」
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