59、分かってる前提で聞かないで下さい。
男ジェラルド、頑張ります。
と言ったのは遥か前。
未だに読めない。
逆に歳三はすらすら覚えてる。
始姐も簡単な文字なら分かるようになった。
「あっ、ジェラルドの頭から湯気が出てる。こりゃ休憩にしよう」
始姐がいいアイテムボックスから冷たい紅茶とショートケーキを出した。
『これは何だ?』
「ショートケーキだよ。騙されたと思って食べて見てよ。」
始姐がフォークを渡す。
『頂こう』
言うなりケーキを食べやすい大きさに切って一口食べる。
『何だ。この甘さは美味しい』
「ジェラルドが作ったの。美味しいでしょ」
『ああ、旨い。』
本当に美味しかったのだろう2個目も食べてた。
やっぱりジェラルドの料理は美味しいね。
僕もケーキと紅茶を食べ飲んでどうにか復活した。
日本語の勉強はむずかくし僕も魔法でちょちょいのほいで覚えれたらって思っていたが
「魔法で頭に直接分かるようにする?」
悪魔の様な顔をした始姐が黒い笑みを浮かべてる。
これヤバいやつだ。
僕は丁重に断り自力で日本語を覚えた。
ちなみに始姐は魔法でやった
悔しい。
◇◇◇◇
「歳三は行きたい所有る?」
「行きたい所?」
始姐、歳三さんは、まだここ始姐の森の全体像も知らないよ。
僕も知りませんが、何で分かってる前提で聞くのかな?
「うちの森にはぐれオークがいてそいつが木々を傷つけるから何とかしないといけないの。ああ、オークは二足歩行の豚ね。肉が美味しいんだ。」
「二足歩行の豚?」
「そう。顔は豚よ。豚。余すところ使えるから、ジェラルドに任せれば美味しい料理を作ってくれる。」
ま、まぁ作りますが、始姐はマスケット銃で頭一発入れれば終わりじゃん。何で、そんな回りくどいことを?
「実戦で斬って見ない?」
ああ、斬りたいんだ!。
覚えた剣術で試し切りしたいんだ!!。自分の腕を知りたいんだ。
「始姐。普通始姐の森にはオーク入って来れないのでは?」
「招き入れた」
言ったよ。
悪びれも無しに言ったよ。
「いつから?」
「歳三に誉めてもらってから」
「手頃なモンスターがいないかなって探して誘導して1匹だけ招き入れたら木々を傷つけるの
あのオークマーキングしやがる。あれは早急に撃ち滅ぼさないと」
始姐が招き入れたらからでしょ。
「とりあえず、保護対象からは消えてる。早く討伐しないと・・・」
「討伐しないと?」
「森の栄養分になっやう。」
うん。実に結構。なって下さい。栄養分に。
その夜森の奥からオークの悲鳴が小さく聞こえた。
「ああ、オークの気配が消えた。保護対象から消したらものの数分後に森の養分になったね・・・。迷宮に行こうかな」
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