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始姐様と僕  作者: 橘莉湖
50/155

50、稀人

始姐が人間を拾って来たから3日がたった。

始姐が言うならそろそろ起きるだろうと。

人間観察レーダーでも有るのだろうか?。

まぁ~いいですが、何か腑に落ちない。


始姐はあれから拾った人間の持ち物が無いか調べに行ったよ。

もちろん太陽が出てから

夜に行こうとして僕が必死に引き留めたのさ。

危ないと言っても「大丈夫大丈夫」と言って聞きやしない

最後は「僕一人であの人と一緒にいるんですか?」と泣き落とし

「分かった」と言ってくれて残ってくれたまし。僕、勝ちました。


そんなこんなで朝が来て僕は朝ご飯を作る。

買って合った黒パンに昨日の夜に残ったシチューに紅茶。


た、たまたまだからね。そうそうないよ残り物で次の日に食べる事は。毎日ちゃんと作ってるよ。


いえ、違います。今回は確信犯です。

だって気になるじゃん。2階に寝てる人。

もし突然起きて暴れ出したらさ。

そんな事考えてたら僕も料理に手がつかないよ。

始姐には言ったら笑いながらokが返って来たよ。むう。

はぁ~、でも良かった話が分かる始姐で。


「ただいま」

のんびりとした声で玄関の扉を開けた音がした。

始姐が帰って来た。

当たりに包むシチューの香りに

僕のお腹がぐぅぅぅと鳴った。



朝御飯を食べて僕は洗い物に始姐は書斎に行った。

調べるだそうだ。

何を?

あの2階にいる人を?

それともこの現象を?

と聞くと2階の人は起きてから聞けばいい。この現象の事を調べる。

と言ってた。

始姐にも分からない事が有るんだ。と感心したよ。

僕はクッキー作り

紅茶のお供ならクッキーでしょう。飽きたけど。ビスケットにしようかな?

どちらも同じか。

結局、僕はクッキーを作った。



書斎で、気になった事を調べる。

一週間も振り続けた雨。いつもは3日で止むのに4日も多く降った。

しかもシトシトじゃ無くて土砂降りに近い。

本棚にの最上階に置いてある本を手に取る。

背表紙には「稀」しか書いてない。

しわしわの紙、走り書きや丁寧に書いてある文字に意味不明な記号、暗号。

「読めん。歴代の始姐族よ。真面目に書けよ。暗号、記号もこの速記見たいな文字も分からない。一番分かるのはこの綺麗な文字だけか」

時間をかけて速記も暗号走り書きの文字を紐解いていくと必ず出てくる天候不良。

天候不良は一週間から10日間続く。そして見つかる人。

暗号や記号で書かれてる文字の中に天候不良でこちらに来る人の事を稀人と呼ぶと書いてある。

「もしかしてあいつは稀人か?」

本を棚に戻して書斎を後にする。


1階に戻って来た始姐はジェラルドとばったりと合うとジェラルドの蔓延な笑顔で

「あっ始姐。お茶の用意が出来ました。」

「お茶!飲みに行こう!」

「今日はおみくじクッキーを焼きました。」

「やった」

「ちゃんと大吉から大凶まであります。」

その後、始姐と僕はクッキーと紅茶を楽しんだ。



「紅茶入りますか?」

「うん。貰おう。」

マグカップに紅茶を入れて始姐の前に出す。

「ありがとう」

僕も紅茶をお代わりした席に着いた。

「何か分かったことありますか?」

「稀人って知ってる?」

「僕がいた奴隷の商人達は稀人の事を厄災の人と読んでました」

「厄災?」

「はい。何でも天候不良が続いて奴隷達が疫病にかかりバタバタ死ぬ人が多かったからです。

僕はそんな中すきを盗んで逃げ出しましたが。さすがに始姐族の森までは入って来ませんでしたが」

僕は紅茶を飲んだ。

「うーん。厄災の人かぁ。今回の2階の人もしかしたら稀人かもしれない。」

始姐が言うと僕はガタリと立ち上がった。

「始姐、捨てましょう。厄災の人は捨てましょう!!」

「落ち着いてジェラルド。こちらの方でも調べてたら稀人は吉兆の人だと目が覚めるまではここに置いとくよ」

始姐は紅茶を飲んだ

僕に拒否権はありません。

従います。

でももし始姐に何か合ったら直ぐに叩き出します。


いつも読んで頂きありがとうございます。

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