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始姐様と僕  作者: 橘莉湖
47/155

47、雨

今日も雨。雨。雨。

もう3日も雨。

「洗濯物が!!」

窓に打ち付ける雨に向かって言うジェラルド。

部屋干しでさっぱり乾かないのが嫌なのかも知れないが、

「ジェラルド、魔法使いで乾かしたよ。」

何事無かった様に畳んだ洗濯物を渡す始姐。

「あ、ありがとうございます。

ところでいつまで雨ですかね?もう3日目ですよ。」

「恵みの雨だよ。そう思っときなよ」

「恵みって」

「恵みだよ。私に取ってね。

ジェラルド、人間ってね、わがままでね。

雨が降ったら降ったで文句を言い、降らなければ降らないで文句を言う。本当に人間ってわがままだよね。」

「・・・」

「ここでは恵みの雨と呼んでるの。山に降った雨が時間をかけて私たちが飲める水になるの。魔法で作り出すのもありだけど魔力を使うからね。」

「味は余り大差無いですよ。」

「自然にわき出る水が有るからそちらを使うよ。」


のんびりと過ごす始姐。

雨音を音楽にしていつもの紅茶とクッキーを用意してソファーにくつろぎ本を読んでる。


ジェラルドは窓に張り付き外を見ていたが、トットットは始姐の裏にに抱きつき、始姐の髪止めのゴムを外しブラシで髪をとく。

「始姐。雨ばかりで飽きました。」

テーブルの上に置いてある本を手にして

「本を読む?」

「飽きました。」

テーブルの上に置いてあるマグカップを手に持って

「お茶にする?」

「飽きました。」

駄目だった。

「うーん。仕方がない。湖に魚釣りでもしよう、カッパを来て」

「蒸れるのが嫌です。」

「・・・もうないよ。面白い提案は」

「大丈夫です。始姐の髪でいろんなアレンジして楽しみます。」

「ほどほどでいいよ」

お団子、ポニーテール、猫耳などの髪にしては直すを繰り返して遊んだ。


私は雨の日は好きだ。

何故か分からないけどそこそこ冷えた空気が好きだ。

ジェラルドは晴れた日に布団を干して乾かした匂いが好きだ。


「ジェラルド、釣りに行こう。支度して」

「えっ!でも外雨です。」

「いいじゃん。雨の中で釣りしたって、それに近くに湖があるの!そこに行こう」

「嫌です。濡れるのもお茶が無いのもトイレが無いもの嫌です。それに冷えるじゃないですか」

イヤイヤイヤのジェラルドに諦めたシロエは、新しく紅茶を作りアイテムボックスからケーキを出してティータイムとして話をした。


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