47、雨
今日も雨。雨。雨。
もう3日も雨。
「洗濯物が!!」
窓に打ち付ける雨に向かって言うジェラルド。
部屋干しでさっぱり乾かないのが嫌なのかも知れないが、
「ジェラルド、魔法使いで乾かしたよ。」
何事無かった様に畳んだ洗濯物を渡す始姐。
「あ、ありがとうございます。
ところでいつまで雨ですかね?もう3日目ですよ。」
「恵みの雨だよ。そう思っときなよ」
「恵みって」
「恵みだよ。私に取ってね。
ジェラルド、人間ってね、わがままでね。
雨が降ったら降ったで文句を言い、降らなければ降らないで文句を言う。本当に人間ってわがままだよね。」
「・・・」
「ここでは恵みの雨と呼んでるの。山に降った雨が時間をかけて私たちが飲める水になるの。魔法で作り出すのもありだけど魔力を使うからね。」
「味は余り大差無いですよ。」
「自然にわき出る水が有るからそちらを使うよ。」
のんびりと過ごす始姐。
雨音を音楽にしていつもの紅茶とクッキーを用意してソファーにくつろぎ本を読んでる。
ジェラルドは窓に張り付き外を見ていたが、トットットは始姐の裏にに抱きつき、始姐の髪止めのゴムを外しブラシで髪をとく。
「始姐。雨ばかりで飽きました。」
テーブルの上に置いてある本を手にして
「本を読む?」
「飽きました。」
テーブルの上に置いてあるマグカップを手に持って
「お茶にする?」
「飽きました。」
駄目だった。
「うーん。仕方がない。湖に魚釣りでもしよう、カッパを来て」
「蒸れるのが嫌です。」
「・・・もうないよ。面白い提案は」
「大丈夫です。始姐の髪でいろんなアレンジして楽しみます。」
「ほどほどでいいよ」
お団子、ポニーテール、猫耳などの髪にしては直すを繰り返して遊んだ。
私は雨の日は好きだ。
何故か分からないけどそこそこ冷えた空気が好きだ。
ジェラルドは晴れた日に布団を干して乾かした匂いが好きだ。
「ジェラルド、釣りに行こう。支度して」
「えっ!でも外雨です。」
「いいじゃん。雨の中で釣りしたって、それに近くに湖があるの!そこに行こう」
「嫌です。濡れるのもお茶が無いのもトイレが無いもの嫌です。それに冷えるじゃないですか」
イヤイヤイヤのジェラルドに諦めたシロエは、新しく紅茶を作りアイテムボックスからケーキを出してティータイムとして話をした。




