155、お酒の洞窟
ガルーダ便に乗って始姐の森へ帰って来たジェラルド、歳三、斎藤、沖田、丞の5人は、始姐が待つ家に向かう…が、始姐はいなかった。お気に入りのマグロのカバンを持って出掛けているのだろう。カバンの中身は、ハンカチにティッシュにどんぐり。始姐本人は、どんぐりを「秘密のアイテムさ」なんて決めポーズ付きで言ってるが、たまにマグロのカバンの口元からどんぐりがポロポロ落ちてる時がある。
そしてどんぐりが無くて慌てる始姐…。
微笑ましいです。
そんな始姐が、マスケット銃を撃つ想像がつかない。
だが実際に使ってる。斎藤を助けた時も笑いながらマスケット銃を撃っていた。
………話がそれた。戻そう。で、何の話だったかな?………そうそうマグロのカバンを持った始姐だったね。ゼウス達にも自慢していたよ。「どうだ!ジェラルドが作ってくれたマグロのカバンだぞ!」って、微笑ましい。どんぐり1つで喜ぶ始姐。仲間に危害を加えられたら必ず報復する始姐。最強なのに何処か抜けてる始姐。
始姐。始姐。始姐。
さて、始姐は何処に行ったのか?まぁ、ここは始姐の結界が張られてる森。きっと大丈夫でしょう。さて僕は、シチューでも作ろうかな?
シチューは、始姐の好物では、ありません。冬になるとたまに、極たまに食べたくなるのです。主に僕が…。ホクホクのじゃがいもに人参、玉ねぎ、鳥のもも肉が入った料理です。
「ルーは有りましたっけ?」
「ルー?」
「今日は、シチューです。」
食べ物を保管している棚を見に行きます。
有った。有った。カレーのルーが、………じゃない!。シチューのルーは有りません。仕方がない今日はカレーにしましょう。歳三、斎藤、沖田、丞が喜んでいます。
そんなにシチュー嫌いなのかな?
えっ?。嫌いじゃない?カレーやハヤシライスの方が好き。
どうやらシチューは人気が無いみたいです。
「今日はハヤシライスにします。」
「「「「やったー」」」」
やっぱりシチューは人気無いようです。
そうと決まれば倉庫に行って玉ねぎ、じゃがいも、人参、そして肉を取りにいかないといけないね。さて、歳三、斎藤、沖田、丞も手伝って下さい。えー?ヤダ?なんだと!?メシ抜きにしますよ?
「………手伝います」
よろしい。では、たくさん作りますので、じゃがいもと玉ねぎ、人参で大好きな肉を取りにいきましょう。
家の外にある倉庫に向かう。倉庫は木の扉で地下にある部屋に入る。部屋の中は大量の氷の隣にアルミ缶に入ってる塊の肉を取る。そのとなりに二段になってる木の箱に被せてる布を取ると玉ねぎやじゃがいも、人参を取り出して歳三、斎藤、沖田、丞に渡していく。4つの風呂敷に包んで、倉庫を出る。
◇◇◇
その頃の始姐は、洞窟に来ていた。その洞窟は、始姐が置いていた色んなお酒がある。扉ごとに通じる場所が違って行きたい処に行けない洞窟。そこに必要な秘密のアイテムが、「どんぐり」なのだ。艶、形がいいものを選ぶ。
1粒小さなテーブルの上に置くとあら不思議、ポロポロと崩れて消えてしまう。
「気に入ってくれたなら良かった。」
そんな事をいいながら洞窟の扉を開けた。
そこには大量のお酒が有った。
ゲーム時代に始姐が何十年も前から溜めてきたお酒だ。
「5年物がいいかな?」
6本を手に取りアイテムボックスに入れる。
「うん。よし、こんなもんだろう?。ジェラルドも歳三も斎藤も丞も沖田も良く飲むし…多分。足りないぐらいが丁度いい。」
抜き取った分また新しい酒を棚に置く。人気の“KUU”を棚に置きノートに何年何月の日付を記入する。また5年したら飲むのだ。
洞窟を出て時短の霧で家に帰る始姐。今日はどんちゃん騒ぎをする予定だ。




