125、緊急事態
外は大雨。
始姐の森もトヨハシも王都も雨。
雨の中を歩く1人の女性
着流しで裸足に虚ろな目で生気が無くフラフラと歩いてる。
稀人だ。
雷で次元と時空に穴が開いて来たのだろう
始姐の知らない処で動き出す世界。
動き出しても、始姐は関わらないだろう。
何故なら勝手に動かしたなら「最後まで面倒を見ろ」と言う考え方だ始姐は………
それで、人が死んでも何も感じない。
ただ「ふーん( ・-・)」で終わる。
彼女は、ある意味ドライなのかもしれない。
嫌、ドライではない。
ただ、感情を表に出さないのだ。
「稀人だ!」
「稀人が来たぞ!」
村から街から人が家の中に籠る。
布団を頭から被る人。
鉈を持ってガタガタ震えてる人。
騎士が剣を抜き、女性に切りかかる
「テイヤー!!」
肩に入った剣は、蒟蒻を切った手応えだが、切り口から黒くてブヨブヨしたものが、飛び出し騎士をはじめ周りいた野次馬にまとわりつき、命をすいとっていき、吐き出された人間は、老人の様にしわしわになり絶命していた。
「稀人………厄災の人………見つけ次第、焼き殺せ!。奴らは火に弱い(多分)火で焼き殺せ!」
「隊長!」
「何だ?怖じ気づいたのか?」
「違います。そうでは有りません!。」
「だったら隊列を乱すな!」
「そうではなく!」
「じゃ、何だ?!」
「この土砂降りの雨の中でどうやって焼き殺すのですか?!」
「あっ」
間抜けな隊長で有る。
土砂降りの中フラフラ歩く1人の男。
着流しで、髪の毛の1つにまとめて雨の中を歩く。
彼の名前は、山崎丞
新撰組の監察、偵察の人だ。
次元と時空か共鳴仕合、稀人の山崎丞と稀人の慣れ損ないが2つ同時にこちらの世界に来たのだ。
「音がする」
「「「え?」」」
ジェラルド、歳三、斎藤は耳を澄ませるが、雨音しか聞こえない。
「釣りに行ってくる」
待て、待て、待て。
なんでこんな雨の中に釣りなんだ?
もっと違う方法があるだろ?
え?「じゃ、歳三が考えて?」
振るな。俺に振るな!
ジェラルド!!
そんなの目で俺を見るな!
さ、斎藤。
………なんだその目は、………
「何でも有りません」って顔をしなくてもいい。
「じゃ歳三。雨の中でしか見れない花を探すぞ!」
「あるのか?」
「さぁ?」
雨ガッパを着た始姐は、外に飛び出した。
「おおいっ!ちょっと待て!!」
慌てて外に飛び出し始姐をの後を追う歳三。
「ゼウス」
雨音で聞こえない声にゼウスが何処からやって来る。
「始姐」
「マリリンモロルーで人探しを頼む。」
「どんな人物ですか?」
「着流しで裸足、男、髪の毛を束ねている。あまり寄り付かない奥の森にいると思う。ユキは歳三を連れて家に戻れ!ゼウスは私と来い!」
始姐の命令でゼウス、ユキ、マリリンモロルーが動き出した。




