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始姐様と僕  作者: 橘莉湖
125/155

125、緊急事態

外は大雨。

始姐の森もトヨハシも王都も雨。

雨の中を歩く1人の女性

着流しで裸足に虚ろな目で生気が無くフラフラと歩いてる。

稀人だ。

雷で次元と時空に穴が開いて来たのだろう

始姐の知らない処で動き出す世界。

動き出しても、始姐は関わらないだろう。

何故なら勝手に動かしたなら「最後まで面倒を見ろ」と言う考え方だ始姐は………

それで、人が死んでも何も感じない。

ただ「ふーん( ・-・)」で終わる。

彼女は、ある意味ドライなのかもしれない。

嫌、ドライではない。

ただ、感情を表に出さないのだ。


「稀人だ!」

「稀人が来たぞ!」

村から街から人が家の中に籠る。

布団を頭から被る人。

(なた)を持ってガタガタ震えてる人。


騎士が剣を抜き、女性に切りかかる

「テイヤー!!」

肩に入った剣は、蒟蒻(こんにゃく)を切った手応えだが、切り口から黒くてブヨブヨしたものが、飛び出し騎士をはじめ周りいた野次馬にまとわりつき、命をすいとっていき、吐き出された人間は、老人の様にしわしわになり絶命していた。


「稀人………厄災の人………見つけ次第、焼き殺せ!。奴らは火に弱い(多分)火で焼き殺せ!」

「隊長!」

「何だ?怖じ気づいたのか?」

「違います。そうでは有りません!。」

「だったら隊列を乱すな!」

「そうではなく!」

「じゃ、何だ?!」

「この土砂降りの雨の中でどうやって焼き殺すのですか?!」

「あっ」

間抜けな隊長で有る。




土砂降りの中フラフラ歩く1人の男。

着流しで、髪の毛の1つにまとめて雨の中を歩く。


彼の名前は、山崎丞

新撰組の監察、偵察の人だ。


次元と時空か共鳴仕合、稀人の山崎丞と稀人の慣れ損ないが2つ同時にこちらの世界に来たのだ。


「音がする」

「「「え?」」」

ジェラルド、歳三、斎藤は耳を澄ませるが、雨音しか聞こえない。


「釣りに行ってくる」


待て、待て、待て。

なんでこんな雨の中に釣りなんだ?

もっと違う方法があるだろ?

え?「じゃ、歳三が考えて?」

振るな。俺に振るな!

ジェラルド!!

そんなの目で俺を見るな!

さ、斎藤。

………なんだその目は、………

「何でも有りません」って顔をしなくてもいい。

「じゃ歳三。雨の中でしか見れない花を探すぞ!」

「あるのか?」

「さぁ?」

雨ガッパを着た始姐は、外に飛び出した。

「おおいっ!ちょっと待て!!」

慌てて外に飛び出し始姐をの後を追う歳三。

「ゼウス」

雨音で聞こえない声にゼウスが何処からやって来る。

「始姐」

「マリリンモロルーで人探しを頼む。」

「どんな人物ですか?」

「着流しで裸足、男、髪の毛を束ねている。あまり寄り付かない奥の森にいると思う。ユキは歳三を連れて家に戻れ!ゼウスは私と来い!」

始姐の命令でゼウス、ユキ、マリリンモロルーが動き出した。

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