表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
始姐様と僕  作者: 橘莉湖
111/155

111、言いたい事は分かる

斎藤一が来てから一週間がたった。

まだ始姐の殺人級の料理屋を食べて無い一は、窓際で紅茶を飲んでのほほんとしている始姐を見て「イラッ」としている様に見える。

僕達が言ってもイライラが募るだけ、「一度何で始姐が動かない理由を体験させてみる?」と歳三とジェラルドはアイコンタクトを取るが歳三は、小さく首を横に振るだけ。

ですよね。そうですよね。

自らの意思で始姐の料理を食べるのは、寝込んだ時に作る、お粥以外食べたく有りません。


今日は、東屋で料理を作るだ。

ストーブに薪をセットして深鍋を置く。始姐が小さな火を木の皮に付けて薪の間に入れる。

一口大の大きさに切った冷凍の肉と氷をナイフで砕いて蓋をする。

小さなまな板で玉ねぎ、パプリカ、人参、なす、じゃがいもを切って鍋から湯気が出てきたら蓋を取って、さっき切った玉ねぎ、パプリカ、人参、なす、じゃがいもを鍋に入れてかき混ぜ、塩と胡椒を入れて煮る。


テーブルの上にお皿を置いて、各自各々のマグカップを用意する。ちなみに斎藤のマグカップは可愛いウサギの絵が書いてある。

(この湯飲みが俺のか?。(シロエ)は月の絵、ジェラルドは太陽の絵、副長は星の絵で、俺はウサギ・・・何で?)


鍋の中身が煮えたら肉、野菜をお皿に取り出して、マグカップに鍋のスープを入れて、テーブルの上に置いた。

「じゃ、食べましょうか?」

ジェラルドの掛け声で皆が手を合わせて、

「「「「頂きます。」」」」

フォークで柔らかくなった肉を刺して食べる。

「!!」

(美味しい!肉も野菜も美味しい)

「旨いか?」

「はい。じゃが芋はホロホロで玉ねぎ、人参、パプリカも美味しいです。」

「だろう。スープも旨いぞ」

マグカップに入ったスープに口を付ける。

ズズッ・・・

「!!」

肉、野菜の出汁が出て旨い。

「旨いだろ?。この料理を始めに作ったのが、シロエだ。」

斎藤がちらりと始姐を見る。

甲斐甲斐(かいがい)しく世話をされるシロエに嬉しそうな顔のジェラルド。

(何だ、この構図?)

顔に出ていたのか、副長が、「気にするな」と囁いた。

いやいや。気にしますよ。何ですか、あれ?。

「シロエは甲斐甲斐しく世話をされているが、この中で一番強いぞ。」

「そ、そうですか・・・?」

シロエをちらりと見る斎藤。

食べさせてもらってるシロエ。

あれの何処が凄いんだろう?

この中で一番強い?何処が?

世話されっぱなしじゃん?

あの年頃なら、自分の事は自分でするもんじゃない?

「言いたい事は、分かる。が、注意するとジェラルドが絶望的な顔をするんだ。シロエも困ってな、やりたい様にやらせてるんだ。」

「そうなんですか・・・」

(いや。それじゃダメじゃん!)

「それにな、斎藤、お前は直ぐに死にたく無いだろ?」

「そうですが?」

首を傾げる斎藤。

「その内分かる。」

それだけ言うと歳三は、料理をまた食べはじめる。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ