クボタさんの魔物図鑑 その523 グロロガン

No.550 グロロガン

不定形魔石類イワビト科

大きさ 2m前後

重さ 500〜700kg

能力値

『力』1700〜2000

『魔力』500前後

『機動力』50〜55

討伐依頼受諾可能最低ランク

E（D推奨）

・ザキ地方北部、俺のまだ行った事の無い地方等に生息（？）

・以前魔王城を訪問した際、そこから外を眺めていた時に発見。

さて、では今日も魔物をご紹介していくとしようか。

今回紹介する魔物の名前はグロロガンだ。

コレは不定形魔石類のイワビト科に分類されている魔物である。

生息地（？）はザキ地方、俺のまだ行った事の無い地方等だ……

が、餌など自身の肉体を構成する物質と似たようなものであれば何でも良い魔石類魔物だから遠出もするのか、たまにそれ以外の地方で発見される事もあるようだ。

その餌とするものは……

まあ予想通り、自分の姿と同じような岩や石等だな。

……とは言ったものの。

このグロロガンという魔物は、言う程岩や石のようではなく、むしろどちらかと言えば普通の魔物のような姿形をしているそうだぞ。

では、次にそんなグロロガンの見た目について話そう。

まず、ざっくりとした見た目についてだが。

それは頭部、胴体、そしてそこに二つの手、二つの足を持つ、人型に近いものをしているんだそうだ。

まあ、※『ゴーレム 』等と同じイワビト科だから何となくは分かっただろうけどな。

説明を続けよう。

で、そんな姿をしているグロロガンなのだが。

ここからが違うというか、おかしいというか……とにかく、一般的な魔石類とは大分異なるのだ。よく聞いていて欲しい。

まず体色だが。

それは頭部にある短い5〜6本の角、手足の爪、眼球を除いた全てが緑色であるそうだ。

確かに普通の魔石類魔物とは違うな。

……まあ続けるぞ？

そして、全身のフォルムは岩のようにゴツゴツとはしておらず、丸みを帯びたものであり。しかも体の表面には体毛のようなものまであるのだと言う。

（ただし、体毛っぽくてもそれはやはりと言うべきか岩で出来ているんだそうだ）

と、そこでもやっぱり他の魔石類と違うコレは、無理矢理例えるならば『筋肉質な熊』のような姿をした魔物なのだそうだ。

そして、眼球がある事からも分かるかもしれないが、頭部も大分生物寄りなものをしているそうで、勿論口も、そこに歯のようなものも、そして何と舌までもがあるのだと言う。

とまあ、この魔物はこんな感じの見た目をしているのである。

……つまり『筋肉質な緑色の熊』って事だ。

ただ正直に言えば、顔はそこまで熊のようでは無いのだが……まあ無理矢理例えたからそこは仕方ないだろう？とにかく、分かったかな？

ちなみに。

コレがそのような姿となったのは……

我々からすればデカい方だが、ゴーレム等と比べると小柄であるこの魔物は、そんな姿をしていても魔石類魔物の中で見れば捕食対象となる事がそこそこ多かったため……

体色を変え、体毛（？）を生やす等して、自身を無生物ではなく生物に擬態させた……と考えられているぞ。ただ、何故その体色に緑を選んだのかまでは分からないがな。

そんなグロロガンの戦闘能力についてだが。

かなり力が強く、また魔力も有しているので注意した方が良い……のは間違いないのだが。

魔力はその殆どが肉体を動かす、維持する事等に使用されているそうで攻撃手段として使われる事はほぼ無いと言っても良く、だからこの魔物の要注意ポイントは力の強さくらいであるのだと言う。

そう、力の強さだけだ。

動きはめっちゃ遅いからな……よって気にしなくても良いのだ。

……あ。

いや、もう二つ程注意ポイントがあったな。

今からそれをお話ししよう。

実はだな……

素手で戦う戦闘職の人間や魔物等が『何だコイツ？まあ普通の魔物だから普通に攻撃すれば良いか』みたいな感じで……

グロロガンを思い切り殴ったり蹴ったりし、逆に骨折等の怪我をさせられてしまう事が結構あるんだそうだ。

まあ、それは当然。

コレは見た目はこんなでも、歴とした魔石類魔物なんだからな。

よって中身はカッチカチであり、そんなもんを普通に攻撃したりしたら、そうした者の方が怪我をするのは当然至極の事なのである。

それともう一つは。

これもまたコイツを知らない事で起きてしまう事故（？）なのだが。

先程から言っているようにこの魔物は魔石類魔物であるためか、背丈が2m程しか無いにも関わらず体重が500〜700kgとその見た目からは想像出来ない程に重く、これによってまたまた怪我をしてしまう者が結構いるんだそうだ。

これを言うのは2回目になるが……

まあ、コレはこんなでも歴とした魔石類魔物だから……そりゃあそうだな。

……と、力以外に注意すべきポイントを二つ程説明させてもらったが。

皆ももし、この魔物と戦うような事があれば気を付けてくれよ。

最悪、細かい事は覚えておかなくていいからこう言う奴がいるんだなって言う事だけは記憶しておいた方が良いぞ。

そうじゃないと骨折してしまうから……

注釈

※ ゴーレム 『クボタさんの魔物図鑑 その63』にて紹介