クボタのザキ地方メモ
No.39 アンデッド
不定形魔獣類ヒトダマシ科
体長 ?(物による)
体重 ? (同上)
能力値(野生下での平均値)
『力』?(物による)
『魔力』最低500
『機動力』0~
討伐依頼受諾可能最低ランク
大半はF以上。
・主な生息地(発生地?)はザキ地方。
・ザキ地方へ初めて訪れた際発見及び接触。
サチエ、プチ男が交戦したあれはアンデッドという魔物だ。
コイツは魔力を持っている魔物が死を迎え、その遺骸がある程度の日数放置されると誕生するらしい……が。何故そうなるのかというメカニズムは現在でもよく分かってはいない。
誕生の方法を考えるとあらゆる所に生息していそうな魔物ではあるが、ザキ地方以外にはあまり存在していないというのもまたよく分からないポイントだ。
ただし、生前にかなり強力な魔力を持っていた魔物は地方関係無く、ほぼ確実にアンデッドとなってしまうらしいぞ。
コイツの戦闘能力は生前の魔物の強さによって決まる。当然ながら生前が強ければ強い程、アンデッドもまた強くなるのだ。
しかし、これまた当たり前だがいかんせん肉体の腐敗が進んでいるので、機動力だけはどうにならないようだ。
とは言え、魔物によっては腐敗した肉が削げ落ち、骨だけになった途端に俊敏になるものもいるらしいので戦闘時には注意が必要である。
とまあ、上記の内容からも分かる通り、アンデッドは行動、習性、特徴、戦闘方法等が個体によって大きく違い、先程も述べたが交戦時には最も注意しなければならない魔物の一つであるため、やむを得ない場合を除いてはなるべく戦わない方が良いとされているぞ。
ちなみにこれは余談だが、前述したようなかなり強力な魔力を持ち、なるべくしてアンデッドになってしまった魔物の中には生前の意識を保持しているものがごく稀に存在しているらしい。
恐らく知力も高かったであろう彼等は思うように動かせず、次第に朽ち果ててゆく肉体に魂を幽閉され、耐え難い程の苦痛に見舞われているのだろう。
しかし、それに同情して彼等を討伐し、魂に救済を与えてやらなければ……などとは考えない方が良い。
大抵がアンデッドとなった今でさえ強力で、討伐依頼がC、Bくらいの戦闘職でしか受諾出来ないような個体も少なくないからだ。
そして討伐は前日にしっかりと観察を行なった上で戦闘能力の予測や生前の魔物を特定した後、細心の注意をもって遂行されるらしい。
『アトラン族の服装について』
サチエから聞いた所によると、アトラン族の奇抜とも言えるファッションにはなかなか興味深い秘密がある事が分かった。今回はそれについて軽く紹介させて頂こうと思う。
一応最初に言っておくと、アトラン族の服装は皆がサチエと似たような感じらしい。
男女共に髪を伸ばしマフラーのようにして、ゆったりとしたアジアンテイストワンピースみたいな服で身を包んでいるアレだ。
ちなみに、それを見た俺の第一印象は『漫画やアニメとかでエジプトの女性が身に付けてるヤツみたいでちょっと神秘的な感じだなぁ』である。
まあ、それはともかくとして……
流石戦闘民族。この服は彼等をミステリアスな人物に見せかけるだけの飾りではなかったのだ。
まずマフラーのようにしている髪についてだが、これは顎、首元を隠す事によって『頸動脈を切る』だとか『顎に攻撃して脳震盪させる』ような相手の攻撃を当て辛くすると言う目的があるらしい。
確かに、例を挙げるならば『打撃を主とする格闘技』とかでそんな所を隠されてしまっては勝負にならないだろう。これは戦闘においてかなり効果的な気がする。
そしてお次は、よく言えばゆったりとしていると言え、悪く言えばちょっとブカブカとも言える服についてだ。
それは戦闘民族の服なのだからかなりの防御力があるのだろう……と思われがちだが、実はそんな事はなく、一般人が着ているものと材料はそこまで変わらない。
それは何故かと言われると、どうやらこの世界の技術力では防御面を強化するならまだ鉄製の素材に頼るくらいしか方法がなさそうであり、そうするとスピードを犠牲にしてしまうからだと思われる。
(ただし、これは俺の推測ではあるが)
だが、その代わり……
『四肢の正確な位置を隠し、相手の攻撃を当て辛くする』
『筋肉の動き等によって相手に次の行動を予測させない』
『身体から少し離れた、ひらひらとしている服の部分に刃物等が突き刺さった場合、腕を振り上げる等して相手から武器を取り上げる事が出来る』
『その部分が相手の攻撃に身体よりも先に当たった場合、その攻撃をある程度緩和、察知する事が出来る見込みがある』
等々、単純な防御力を捨てた事でそれよりも遥かにメリットのある服が完成しているのだから、問題は無いだろう。
……最後に、物凄くどうでも良い話で締めたいと思う。
この服、ミステリアスな要素を必要としない、単純な愛らしさのあるコルリスには多分似合わないが、ジェリア、ルーにはとてもよく似合うと思う。
以上。
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