『ザキ地方について』

『ザキ地方』

我が国の西側にある地域の地名。

唯一隣国と地続きになっている。

過去に隣国、諸国との争いや戦争が起きた時、敵軍は必ずここを通って侵攻しようとしたため、主戦場となってしまっていた場所でもある。（現在はとある事情により、戦争を仕掛けてくる国は皆無）

そのためか奥地に進めば進むほど大地は荒廃しており、魔物は好戦的で戦闘能力が高い個体も多い。

加えてその魔物の中には、戦争によって放置された鎧や武具などに擬態したり、それを模したかのような進化を遂げているこの地域特有の特徴、性質を持った珍しい魔物も多く存在する。

また、ここには原住民、インディアンのような人々『アトラン族』が住んでいる。

彼等は戦争を経験しているためか身体を鍛える事を常としており、身体能力、戦闘能力が高く、武器や魔具等の扱い、生成にも長けているらしい。

そして……

この場所には、『魔王城』と言うものが存在する。

遥か昔、戦争によって打ち捨てられた地方長官、所謂辺境伯の所有していた、城と言っても過言では無い程の大きな屋敷に魔物が住み着いた事でそう呼ばれ始めたのだ。

事実、今から20年程前に我が国では最強格だと思われる一匹の魔物がここに住み着いたらしく、現在この場所はその名に相応しく、依頼すらも出される事の無い攻略に最高難易度を誇る要塞と化している。

ちなみに、隣国諸国が我が国への侵攻に躊躇するのはこれが原因である。

そしてこれは余談だが、たった一匹で戦争を止め、ある程度知恵と実力のある魔物達を『存在している』という理由だけで追い出したその魔物にアトラン族は大変感謝しているそうで、彼等はその魔物を崇拝し、神聖視しているようだ。