関わりたくない相手もいる
ついにとでも言うべきだろうか。
システムさんから聞かされた話の内容だけど、俺達の世界を変化させている原因の異世界が最後の時を迎えたらしい。そしてそれは、地球に起こる大きな変化のラストスパートといえるモノが起きる可能性があるという話でもある。
システムさんが言うには、次の大きな変化が起きた後はゆったりと変化が起きるといった感じになるのでは? という事らしい。
そして、その起こり得る変化と言うのが……。
「有翼人種・幽霊船・それに海を移動する国かぁ」
『それ、ファーストウェーブだからね(´・ω・`)』
おぉぅ、最終変化の先鋒とでも言えば良いのか? それともジャブだろうか。
かなり大きな内容だと思うんだけど、それでもまだまだ後が控えていると……それはまた、ちょっと思考を放棄したくなるような気がする。
ともあれ、放棄なんて出来ないからな。てか、多分だけどもある程度の予想が出来なくもないんだよなぁ。
「どうせ空や陸タイプのドラゴンだの、キングだのエンペラーだのといったオークやゴブリンが実装されますみたいな内容だろうなぁ」
『あー……それもあるわね☆彡』
〝それも〟という事は他にも何かあるって事だよな。
あぁあぁ……一緒に聞いている皆もなんだか遠い目になってるなぁ。でもまぁ、それもそうだよな。俺が言った内容以外にもプラスして何かがあるってことは、それだけ外も騒がしくなるというワケで。
畠山さんからの救援要請ラッシュを今から覚悟しておく必要がありそうだ。いや、それ以上に畠山さんにもこの情報をリークしておくべきだろう。
「幽霊船とかは既に捕捉済みみたいだから良いとして……」
「予兆だって伝えるのは億劫よね」
畠山さん達はただでさえ、幽霊船等の3つの事が増えたことで世界中が東奔西走をしている状態だというのにね。……正直、休んでいる時間はあるのだろうか?
「ともあれ、現状だと俺達に来ている依頼は……うんまぁ、これだよなぁ」
「実績があるものね。私が畠山さんでも〝これ〟をお願いするわね」
俺達に来た依頼の内容は〝お手紙配達〟だ。
有翼人達と海上を移動する国家に対してのファーストコンタクト。それを行うのに抜擢されたというか、面倒事を投げられたというべきか。
「ぶっちゃけ、幽霊船の相手をする方が楽そうなんだけど」
「有翼人種とのコンタクトは言われなくても行うつもりではあったのだけど、海上国家の方はちょっと面倒よね」
そうなんだよね。海上国家の方はちょっと手を出したくないというか、面倒すぎるというか。
海上移動国家。国名は〝アウトランディア〟という。そしてその国の気質と言うのが……。
「戦争国家もしくは蝗害国家」
「……凄い言いよう」
「おじいさんの評価がとんでもなさすぎじゃん」
そうなんだよね。おじいちゃん達が残した図鑑には、これでもか! と言わんばかりに書き殴られていたんだよね。あまり良くない言葉が。
ともあれ、それも致し方がない話で。なんでもその国家の王や貴族がおばあちゃんを力尽くで奪おうとしたり、おじいちゃんに対して何百という回数の暗殺者を送り込んだりしたらしい。うん、そりゃ図鑑に悪態を吐きたくもなるわ。
ただまぁ、おじいちゃんもおばあちゃんも無抵抗でやられっぱなしだったワケじゃないみたいだけどね。……なんでも、かなりの大立ち回りをしたのだとか。
「暴れっぷりに関しては……うん、砂糖を吐きたくなるような内容だから飛ばすとして」
「おばあさんののろけっぷりが過ぎすぎじゃん」
本当、なんでソレを図鑑に書いたかなぁ? って内容だからね。ちょっと軽いのを1つだけ挙げると、おばあちゃんを狙った貴族達の前でおじいちゃんがおばあちゃんにキスをしたとかなんだとか……うん、こっちの顔が見ていて赤くなりそうなほどの内容だ。
とまぁ、少し話はソレたから戻すとして。
「そんな国相手にコンタクトなんて取りたくないんだよなぁ……ぶっちゃけ、俺って因縁の相手の子孫になるワケじゃん? 絶対に話が上手く纏まるなんて思えないんだけど」
「手紙だけ出して直接会うのは他の人にお任せするのがベストっぽいわね」
おじいちゃん達の書いた内容を見ているとなぁ……エリカさん達も絶対に直接出向くなんて事はしたくなさそうだ。てか、絶対に行かせたら駄目だよね。彼女たちを行かせるとか、そんなのピラニアの川に餌を投げ入れるようなモノだ。
ま、彼女たちなら返り討ちに出来そうではあるけど……それとこれとは話は別。
ともあれ、海上国家に対してはお手紙を投げるだけにするつもりではある。あるんだけど、ここでちょっと面倒というか問題というか……。
「有翼人種達が仮定住している場所と海上国家の位置が近いんだよなぁ」
「航路に変更がなければ問題なさそうなのだけど、何かの拍子で変わったら間違いなく両者は遭遇してしまうわよね」
食料の補給等で目についた島へと向かう可能性だってある。そして、その場合において最初に選ばれるであろう島というのが、有翼人種が居る島である可能性が高い。
これ、そういった行動になった場合だと絶対に戦闘になるパターンのヤツだよね。なにせ海上国家は全方位戦闘外交な国なわけだし。
「……てか、なんで?」
「あぁ、そうじゃん。あの国、なんであんな巨大なモノが移動出来ているのか分からなさすぎ」
「異世界だと海を行くのも木造船だよね。そう考えると、あの国が浮いているのはちょっと不思議だよね」
うーん……それはアレだ。古代の遺産的なモノじゃないかな。
全体像を確認していないから断定は出来ないけど、所々にリューが乗ってきた船に似たパーツがちらほらと見え隠れしているしね。
これは後でリュー達にあの国を見てもらい、色々と意見を貰うのが良いかもしれないな。……もしかしたら既に知っている可能性もあるけど。
「とりあえずだ。あの国家については個人的に後回しにしたい。まずは有翼人種達とのコンタクトを優先したいかな」
「えっと、彼等の場合はちょっとだけ保守的といった感じだったかしら?」
一応おじいちゃん達の図鑑にはそう書かれているかな。
ただ、こっちは海上国家と違って難易度は低いと思う。というのも、おじいちゃん達と交流をしていたみたいだから。
それにしても、海上国家かぁ。いったいどういった方針で彼等との接触を行えば良いんだろうね? なんかもう、それこそ〝っ諸君の首は……〟なんて展開になる気がするんだけど。これ、放置じゃだめですかねぇ?
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