頭痛と肩こりに悩みそうだよ
モニター越しで人魚達の姿を確認する。
彼らの様子を見るに、合流場所に来たのが魔族だった事で本当に安心しているみたいだった。合流場所に到着した時なんて、人魚達が海から頭……というか、目から上を出して確認していたからね。すっごいこちらの事を警戒していたんだ。
ただ、やはり知った顔ではなかったという事で人魚達の警戒が抜ける事など無かったんだけども、悪すぎる反応ではなかったのは救いだろうか。
そして現在はというと……。
「会話の内容もそう悪くは無いみたいね」
「魔族の皆も最初こそ緊張をしてたみたいだけど、今はリラックスして会話を楽しんでいるみたいだね!」
桔梗さんやエリカさんが言うように、魔族と人魚達は最初こそ緊張と警戒からかギクシャクとした感じで会話をしていたんだけど、1時間ほどだろうか? お見合いの様な会話を交わしていた結果、同じ星が故郷という事もあってか随分と打ち解けたように見える。
『……の地に居た皆は?』
『船の中で眠っているかな。彼らが起きる予定はもう少し先になると思う』
このような感じで、故郷の話やお互いが知っている魔族の話に花を咲かせている。うんうん、これは随分と良い顔合わせといって良いのではないだろうか。
とは言えだ、人魚達の警戒が薄れて来たが最後の壁が崩れる様子が無い。ただソレは致し方がない話だろう。
「魔族の裏に人間……異世界人から言えば〝尾無し〟または〝丸耳族〟が居るというのが懸念点なんだろうね」
「獣人達も最初は相当の警戒をしていたものね」
獣人の場合はフォゥが居たからこそ、早い段階でその警戒が解けたんだけどね。そしてまた、フォゥの家族であるフェルが居たというのも大きい。
俺達がフォゥの事を大切に扱っており彼女が楽しそうに過ごしているというのを見て、俺達の事を一定以上の信用をして貰う事が出来たからね。
しかし今回はそういった相手が居る訳では無い。なので、人魚達がこちらの事を信頼出来るほどの条件が無い。だからコレばかりは時間を掛ける必要がある。
ま、一歩一歩お互いに歩み寄る気持ちで行くのが良いと思う。
とは言えだ……。
「彼らにとっての安住の地が現状無いというのが問題だろうなぁ」
「なるべく島に来てもらうのが良いと思うのだけど」
「……誘うの大変」
そうなんだよね。最後の壁が在るせいで誘うというのは時期尚早である。
急いで誘えばソレこそ警戒度が上がってしまうだろう。そして、警戒度が上がれば〝もしかしたら魔族も自分達を騙すために協力しているのでは?〟と、疑われる可能性だってある。
そうなってしまっては、彼らとのコンタクトを今後は取ることが出来なくなってしまう。それは避けないといけない。
俺達は空を飛べるから別に問題が無いけど、海上で活動する漁船などは大問題になりかねない。
そして、民間の漁船が襲われてしまえば……地球人と人魚での争いに発展するなんて未来も有り得る。それだけは避けないといけない。
なのでここでの失敗は絶対に避ける為にも、俺達が彼らの前へ出るのはもう少し先にするべきなんだけど。
「半魚人の問題もあるんだよなぁ」
「そっちは最初から敵対的な行動をとられているじゃんか」
そうなんだよね。もう既に半魚人とは敵対しているといっても過言ではない。こればかりは避けようがない内容だから仕方がないんだけど。
何せ俺達が錬金人形を人魚型にしていた時点でね……彼らのコンタクトが難しいのは仕方がない話。
それにだ。どうやら異世界では〝尾無し〟の殆が半魚人とも敵対していたらしいんだよね。
ソレを考えると、最初から半魚人との接触はほぼ無理と言っていいレベルである。なのでこちらの場合は相手が攻撃を仕掛けてきたとしても応戦せず、何度も声を掛け続けるといった方針でいかねば相手と会話をすることなど到底無理があると思われる。
ただなぁ……攻撃を仕掛けてきた相手に対して応戦をするなというのはかなり難しい話だ。なので、なるべく接触を避けるべきなんだろうけど。
「……神出鬼没」
「民間の漁船とかは対処が厳しいだろうなぁ……」
実に頭が痛い内容である。下手をすれば、一戦交えて徹底的に分からせる……なんて戦国の世みたいな流れになりかねない。
しかも、それは俺達ではなく地球の国のどこかとなんて可能性もある。
本当に海の中に居る相手との接触というのは難しい話だ。
そしてだからこそ、敵を無駄に増やさないためにも、人魚達との交流は悪くならないように進めないといけない。はぁ……本当に荷が重い内容だよ。
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