見守ることしか出来ない状況
接触1度目。
接触とは言え、やったのはお手紙作戦で先ずはこちらの事を知ってもらう。……まぁ、お手紙とは言え海の中に紙はどうなんだと思われるかもしれないが、錬金術で作った紙に魔力を使えば濡れても一切問題が無い紙も作れる。
なのでその紙を使ってお手紙を用意し、錬金人魚に持たせて相手に送った。
接触2度目。
真実を書いたからか、人魚達はかなり警戒を抱いた様子だった。錬金人魚が相手でもかなり距離を取りつつの手紙交換となった。
しかしそれも仕方がない話。何せ錬金人魚達の裏にいるのが人間だと書いたのだから。ただ、こちらが嘘偽り無く情報を与えたことで、多少はこちらの事を知ろうとしてくれている……と思って良いのかな。
完全に繋がりが消えたという路線は現状無いと判断して良いと思う。
ちなみに、相手からの手紙に書かれていた内容は〝様子見〟的な内容だった。
接触3度目。
距離感は変わらず。ただ、手紙のやり取りは継続。
これは信じたいけど信じれないといった心境なのかな? と予想。というのも、相手の手紙に書かれていた内容に〝ここは自分たちの知らない海だ〟といった文などもあり、自分達の状況をある程度は理解している様子だった。
そしてまた、俺たちの書いた手紙に〝地球〟と〝異世界〟の事も書いておいたので色々と思うところがあるのだと思われる。
そして……。
「何度目かのやり取りをした結果。多少は信頼を得たと思う」
「ただ最初に接触するのは魔族の人達だけって要望が書かれてたね」
やはり信じられる内容だけど信じたくないのか、はたまた信じられないのか。ともあれ、自分達の事を知っているだろう魔族と接触をして情報のやり取りをしたいらしい。
ただここで問題になるのは、人魚達の事を知っている魔族の人が今は居ないという事だろうか。
人魚達の事についてどうするべきかを話し合った時に、直ぐ島の住人に人魚達と交流を持っていた人は居るかを聞いてみたんだよね。そうしたら、残念な事に1人も居なかったんだ。
魔族に関してはまだ寝ている人が居る……というか、寝ている人の方が多いからもしかしたら居るかもしれないが、現状だと誰を起こせばいいかなんて分からない。たとえ起こせたとしても知らない可能性が高いしね。
そしてまた、魔族の起床については順番などが既に決まっている。これを変えるのは……魔力の事や船の設定などで少々問題がある。なので下手に変更をする事が出来ない。
なので、人魚の知り合いは居ないけども人魚の事を知っており悪感情が無い人達を選別し、その人達に人魚と接触してもらうという方針にした。
自分達が居ない事について問題があるかないかについてだけど、魔族と人魚の接触に関しては錬金人魚を通して確認が出来るからあまり心配などしていない。
だが、相手がどう思うかだよなぁ。自分達の知り合いが居ないとなると……やっぱり不安になるだろうからね。
それでだ。
現在、錬金人魚や錬金人形達が魔族達の乗る船を護衛しているのをモニタールームで確認している。
そしてまた、魔族の人達もかなり緊張しているみたいなんだよね。すごくガチガチに固まっているんだ。どういうわけか、船に乗って揺られているはずなのに全く動いていない。そう、彼らは全員揃って微動だしていないんだ。
「大丈夫なのかなぁ……」
「……きっと本番に強い」
「だと良いんだけどな。隣の人とも全く会話すらしてないじゃん」
島の代表に選ばれた事が重荷なのだろう。かなりのプレッシャーなのだとは思う。
もしかしたら魔族の彼らにも胃薬が必要になるだろうか? まぁ、ここに来て初めての大任だからなぁ。彼らには頑張ってもらいたい。
何せこの会談で今後、人魚達との関係が決まると言っても過言ではないからね。……ま、その事を言ってプレッシャーを与えるつもりはないが。
さてさて、いったいどんな会話を行う事になるだろう。なんだかこっちも不安で胃痛が起こりそうだよ。
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