異世界から来た人達のケア等~桔梗視点~
ヒーロー君の手によって救助された異世界人達なのだけど、彼らの現在は私達の島にある病院で心身ともにケアをしている。
ダンジョン内に居た彼らは世界の歪みを感じた。そして、その歪みによって起きた体調不良が収まったかと思うと……何やら世界に対して違和感を覚えたらしい。
その違和感の正体が世界間の移動によるモノから来ているというのを私達は知っているのだけども、彼らがその事を知るすべなどない。なので、意味不明な違和感に対して彼らは不安を感じてしまう。そして、そんな時に現れるのが彼らが全く知らないヒーロー君ともなると、その恐怖心というのはMAXになってしまうもの。
とはいえ、ヒーロー君は彼らの救助に行ったわけで彼らの討伐を行う存在ではない。なので、時間を掛けて説得を試みているそうなのだけど……時として実力行使になってしまう時もあるのだとか。
そんな折。
「病院で優しくされたらころっといってしまう人が現れてもおかしくはないわよね」
「あはは……ちょっと面倒だけどね」
現在だと週に1度しか病院で活動をしていないエリカの被害は少ないみたいなのだけど、他のヒーラー達は良く口説かれているようで、エリカはそんな彼女たちの相談を受けるのが現在の仕事になってしまっているのだとか。
なんでも、口説いてくる異世界人と言うのは人妻や恋人持ちなど関係が無いらしく〝俺は強いから魅力があるだろう!〟と押してくるそうで。
「世界が変われば魅力となる内容も変わるのにね」
「それに、島の一般人の方が強いじゃん」
そうなのよね。この島で過ごす人達の老人と子供を除くと、殆どの人が60以上のレベルになっているのよね。何故か皆さんレベル上げの魅力にハマってしまっているみたいで……中にはもうすぐカンストするのでは? と思われる〝一般人〟までいる。戦闘職でもないのに。
そしてまた、病院で勤務しているヒーラー達などは生命の守り手として、通常勤務のうちの一つにレベル上げがあったりする。なので、ヒーラー達のレベルは基本的に70~80ぐらいだったりする。
だからヒーラー達からしてみれば、異世界から来たばかりの人達の口説きというのは……。
「ひよこがピヨピヨと言っているようなモノになるのかしら?」
「流石にそこまでではないと思う……かなぁ」
でも、圧倒的にレベルの差があるわよね。なにせこの島でのレベリングは、異世界でダンジョンに潜るよりも遥かに効率的だもの。
そんなワケで……しつこ過ぎる人達に対しては多少の実力行使も辞さないのだとか。更に言うと〝ヒーローを呼ぶぞ〟の一言を決め手にも出来るみたい。多分なのだけど、その一言でフリーズしてしまう人達というのは、ヒーロー君とのOHANASIをした人達という事になるとわね。いったいどんな実力差を見せつけられたのかしらね。
さて次は、そんなダンジョンから救助された異世界人達以外の話。
離島の1つに棲む耳なし尻尾なしの異世界人達の事なのだけど、彼らと交流があったエルフ・獣人・魔族の人達が彼らと会って会話したいという話が上がってきているそう。
お互いの無事を確認しつつ、異世界に来た事で変わってしまった環境の変化について意見の交換をしたいみたいなのよね。
私達としてはそのお願いを叶えてあげたい。あげたいのだけど、中々に難しい話。なにせ、異世界人同士の交流を行うことで〝本島の存在〟を多くの国に知られるのは……ね。
確かに、公然の秘密的な情報ではあるのだけども、存在しているというのを明言する訳にはいかない。あくまで〝存在しているかも?〟という状態にしておきたい。
なので、交流によって島の存在を公にされないようにする為にも、交流事態を避ける必要があるのでは? などといった考えもある。
正直、調整というか塩梅というか実に難しい話。異世界人が住む離島には世界のネットが繋がるようになっているもの。その事を考えると、人の口に戸は建てられないもの。本当に難しい内容だわ。
ともあれ、何時かは本島の存在も公にする事があるでしょうから、その時を待つのがベストになるかしら? もしくは、人を限って交流を行うか……かしら。
本当に今は地球と異世界の融合で慌ただしい世の中になっていて、沢山の問題が湧いているのよね。そしてまた、まだまだ問題が湧いてくる事を考えると、なるべく問題になるような行動に繋がる事は控えるのが大切という事になるかしら。
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