起きた魔族の女性~エリカ視点~
起きた魔族の中には当然だけど女性の人も居た。そして今、私達はその女性の魔族とまったりとティータイム中なんだけど……その魔族の女性がちょっと際どい種族だったの。
「良い? 男女問わずチャンスはモノにしなきゃダメよ。そう、そこに自分にとって良いと思える男がいるのならプッシュよ! プッシュ!!」
砂糖マシマシの甘めなお茶を啜りながら、魔族の女性はそんなアドバイスを私達にしてくる。
この時点でもうお察しだと思うけど、彼女の種族は所謂〝夢魔〟と呼ばれる種族なんだ。そして、その〝夢魔〟の中でも〝サキュバス〟と呼ばれる者達なんだって。
そして、ある程度だけどその種族としての特性は地球側での認識と同じ。ただ、彼ら彼女らにも好みとか秩序というのはあるみたいで、無作為に誰にでも襲うというのはしないそう。
そんな彼女の名前なんだけど、結局私達には聞き取れず分からない名前だった。だから、分かる部分だけで〝リリー〟という風に呼ぶ事になった。
あ、因みに見た目なんだけど、とってもセクシーなお姉さんといった感じ。うん、ボンでキュっとしてボンなスタイル。腰までの長さがあるストレートでツヤのあるエメラルドグリーンな髪。そして頭にはコウモリみたいな羽。服装は……レオタード?
ともあれ、そんな種族の彼女からしてみれば、私達の関係というのはとてももどかしいらしい。
「……トラウマがあるから」
「私達にも無いわけじゃないのよね」
「随分とマシにはなったけどなぁ。お互いに」
なんて事を私達が言うと……。
「そんなモノは信頼関係がある上で、快楽に身を任せればどうとでもなるわよ。あの美味しい精を味わえないなんて人生の損よ損」
うん、やっぱり彼女は夢魔だ。そもそも、ソレは人間にとってはご飯じゃないから。
とまぁ、そんな会話をしながらのティータイムだったけど、リリーさんから聞いた魔族の情報はしっかりと聞いていたりする。……とても偏りがあったけど。
そしてその情報の中でも、やはり〝夢魔〟についての話が一番多かった。
なんでも〝夢魔〟には〝インキュバス〟と〝サキュバス〟以外にも〝ナイトメア〟や〝バク〟なんて種類もいるとか。
そしてまた、〝ナイトメア〟と〝バク〟は共存しているそう。何でも、誰かに悪夢を見せ、そして食べるという……。そうする事で、〝ナイトメア〟は悪夢を見た時の感情から来るエネルギーを食べ、〝バク〟は悪夢そのモノを食べる事で、悪夢を見た人間に悪夢を見たという事実を感じさせないようにしているのだとか。
起きた時、少々疲れている。ソレぐらいで抑えられるため、この共存はある意味で永久機関なんだそう。
あ、因みに悪夢をみた人間は疲れるだけというデメリットだけではないみたい。なんでも、夢を見せたり食べたりするために人間の精神へ魔力で接触しているワケで、接触された人間は魔力が鍛えられるのだとか。睡眠学習になるのかな?
凄いよね。まさかそんな風に共存出来ているなんて。ただ、この共存を作り上げたのも長い時が掛かったんだって。
「昔はなんでも無秩序に悪夢を見せたり夢を食べたりして、人に払われていた時代があったそうよ。しかもその時、相当数を減らしたと聞いたわ……お陰で私達の祖先も討伐のターゲットにされたと聞いたことがあるわ」
〝夢魔〟というだけで命を狙われたみたい。そしてリリーさんは〝私達はとてもいい夢を見せてあげているだけなのに〟なんてため息を零した。
「リリー達は夢の中だけなのか?」
「リアルでも夢の中でもどっちでもオッケーよ」
七海の質問にたいしてとてもいい笑顔でそんな答えを返してくる。うん、やっぱり〝夢魔なんだぁ……〟と心の中で呟く。あー、私はいったいなんどこのお茶会で同じワードを呟いたんだろう?
そうそう。何故このお茶会が開かれたかなんだけど、それは〝魔族の方々の調査〟のため。
彼らの生態をより詳しく知る事で、誤解などから来る些細な衝突を防ごうという判断。大きな事件に繋がるような状態は避けたいからね。
特に魔族は種族の特性が色々と複雑かつ沢山あるみたいだから。……とは言え、流石にいきなり〝夢魔〟の話を聞くなんてね。
ただこれは少し仕方がない話。だって起きた魔族の女性は彼女だけで、その彼女の相手を出来るのは私達ぐらいだったから。だからこんな話になるのも……不可抗力だよ。
「で、いったい誰から夜這いを掛けるのかしら? あ、私が色々と手ほどきをしてもいいわよ?」
えっと……その予定はまだ無い。無いけど、手ほどきの話だけは聞いてみても良いかも?
ブックマークや評価等ありがとうございますヾ(*´∀`*)ノ
久々の更新です。寒暖差等で体調崩しておりましたorz




