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魔族の人達が増えた事で……

 魔族の人達を起こしてから数日。居住区ではぎこちないながらも、少しずつだがこちらのやり方を学んでいく彼らの姿があった。


「皆の精神状態も悪くない。それに魔族の人達が住民になってくれたお陰で使える魔法の種類が増えたかな」

「生産で使う魔法も人のモノとは微妙に違うみだいだよね」


 種族固有の魔法とでも言えば良いのかな? 錬金術だと〝最終的な効果は同じ〟でも作る過程で使う〝素材〟や〝道具〟が違う。

 なんかこう、魔族の使う素材というのはより凶悪? なモノが多い。うーん……内容を考えずちらっと見ただけだと、確かにこれは異端だなんて言われかねないかもと思う気がする。

 人間やエルフが作る錬金製ポーションの素材が薬草をベースだとすると、魔族のソレは特殊なモンスターの血がベースだったりするみたいだから。

 恐らくこれは、住んでいた場所が理由なんじゃないかな? 何せ魔族の住んでいた地域では薬草が育ちにくい環境だったみたいだし。そして、薬草のかわりに毒草とかが育ちやすかったのだとか。それもかなり強力な。


「因みに、レシピブックに作り方が書かれていたんだけど、そのポーションの名前が〝ブラッドポーション〟だった」

「種族が吸血鬼とかだと恐ろしく回復しそうな名前だね……」


 実際にそういう効果もあるみたい。そしてまた、魔族に含まれている〝吸血種〟の主食でもあるのだとか。……元々はその種族が敵を増やさないようにするために考えられたモノだそうだ。


「えっと、そうなるとご飯が先だったってこと?」

「みたいだよ。ただ、飲んでいたら怪我とかも治ったりするって話から徹底的に成分を分析してみた結果、薬草ポーションの代わりになると判断したみたい」


 そのブラッドポーションが誕生するまでは、魔族の人達も〝人〟から薬草ポーションを買っていたのだとか。

 もしかしてだけど、ポーションでの収入が減ったというのも〝特定の人〟にとっては面白くなかったのかもしれないね。ただ、その話はもう数世紀も前の話らしいから……事実は誰にも分からない。歴史に埋もれてしまったというヤツだ。

 何時から魔族が人間と敵対しだしたのかも定かではないみたいだしね。


「てかさ、ブラッドポーションを使ったから異端ってのも変な話だよな。何せドラゴンの血を使ったポーションとかも使われていたんだよ? それもかなり高価な値段でやり取りされていたみたいだし」

「ドラゴンの血は特別という考えだったのではないかしら?」


 そうなんだろうけど、本当になんとも都合のいい話である。ドラゴンだろうが特定のモンスターだろうが、モンスターには変わらないのにね。


「そうそう、それでそのブラッドポーションの材料になるモンスターはこの島に居るのかしら?」

「そう言えば魔族の人達がモンスターの事を聞きに来たよね」


 あー……そのモンスターについては今までは島に居なかった。なんでも、魔族の領域にしか居なかったモンスターだったみたいで、人が住む事になる島には素材としても使い物にならないからと用意する必要も無かったのだとかなんだとか。

 ただ、それはこれまでの話。これからは魔族の方々もこの地に住む事になる。そしてその魔族の中には当然だが〝吸血種〟も含まれるワケで。


「今はまだ眠ったままにして貰っているから必要無いけど、今の内からモンスターを配置しておいて彼らの主食をストックしておくつもりだよ」

「てことは、近い内に新しいモンスターの狩りを?」


 その狩りは今頃、リューが魔族の人達を連れて行っているんじゃないかな。

 たしか何でも、ちょっと面倒な狩りというか採取? 採血? をする必要があるのだとかなんだとか。


「狩り場もあまり良い場所ではないんだよね。沼地な上に、ターゲットとなるモンスターは……でっかいヒルだから」

「えぇ……ヒルってあのヒル?」

「ヌメヌメしたあのナメクジだかミミズみたいなアレよね?」


 そうそう。塩でも振り掛けたら溶けちゃうじゃないか? と思うアレだね。

 ただ、そのサイズがね……大型モンスターの血でも吸っているのか、結構なサイズなんだよ。なにせそのヒルが取り付くモンスターってのがさ。


「グルメなのかねぇ? 特定の巨大な魚とか鹿とか猪なんだよね。しかも、鹿も猪も通常のとは全くが違うヤツ」


 魔族の領域に居たモンスター鹿や猪とかだからかな? 恐ろしく強いというか、悍ましいというか。

 なんか足が6本あったり、頭が2つあったり、尻尾が蛇だったりと……所謂キメラのなり損ないみたいな奴ら。そんな奴らの血を吸っているものだから、そりゃサイズも大きくなる。


「あー……そういう事。特殊な採取の仕方がというのは、そういったモンスターも相手にしつつって事なのかしら」

「それもあるみたいだね」


 そんな巨大なモンスターを相手にしつつ、どうやらヒルを殺してしまってはダメなのだとか。……ハード過ぎやしないか? ただ、1度採取が上手く行けば、それだけで1年は持つだけの血液を手に入れる事が出来るんだそう。


「……鹿や猪の血じゃダメ?」

「それはダメみたい。なんでもヒルが1度吸わないと使い物にならないらしい」


 なんとも面倒な話だ。てか、最初にソレを見つけた魔族の人達は何を考えて発見出来たんだろうね? 実に不思議だ。




 ともあれ、魔族の彼らが住民として参入した事で出来ることの幅が一気に増えた。

 これはもしかすると、島の特産品も増えるのではないだろうか? おじいちゃん達の図鑑には乗っていなかった、地元の者だからこそ知っている素材や素材の使い方ってのもあるだろうからね。

 そう考えると、ちょっとワクテカが止まらないかもしれない。

ブックマークや評価等ありがとーヾ(*´∀`*)ノ

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― 新着の感想 ―
[一言] ブラッドポーションを作れる錬金術師…闇錬金術師みたいな感じかな? 作れるものが普通の錬金術師よりも微妙に違うとかそんな仕様だから作成の幅が増える!みたいな。
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