閑話・とある自衛隊員達の火口ダンジョンアタック
「いやはや。畠山殿の情報源と言うのは本当に凄いものだな」
「我々もそのお陰で、初見殺しに合うことなくダンジョンのモンスターと戦えていますからね」
火口にあるダンジョンにて、ヒーローと呼ばれている栄太郎が入手した情報を元に、より分かりやすく景とアルがデータ整理をし、そのデータを鈴木から畠山を経由し自衛隊員達の手へと渡って来た。
データの内容はマップをベースに、出てくるモンスターや隠されているトラップの位置などがスマホで確認出来るようになっている。
「離島最奥のモンスターと同レベルぐらいですかね?」
飛び出してきたモンスターを一太刀で斬り伏せながら、モンスターのレベルを体感で予想する隊員。
「どうだろうな。我々のこの強化外骨格も随分とバージョンアップされているからな」
「以前の離島最奥アタック時に比べると、装備と我々のレベルがどちらも質が違いますもんね」
初期の量産型強化外骨格に比べると随分とスマートになっている。いるのだが、スマートになったからといって攻撃力や防御力が低下したなどという事はない。寧ろ、そのどちらも向上しており、スマートになった分だけよりダンジョンアタックがやりやすくなったと言っても過言ではない。
なぜならダンジョンと言うのは、割と狭い場所も多いからだ。
たとえば広い草原の様なフィールドだったとしても、次の階層が洞窟であるなんてパターンは普通にある。草原のフィールドで更にいうと、同じ階層でも隠しポイントや落とし穴等、限定された空間での戦闘が無いわけではない。
なので、強化外骨格のスマート化をしつつ火力や防御力の向上は、彼らにとってとてもありがたいモノであった。
「しかし、この強化外骨格よりもスマートなスーツというのがあのヒーローのモノなんだよな?」
「アレはもはや別次元な気もしますけどね」
パァン! とけたたましい破裂音が響いた。
「隊長達。いくらデータ通りの状況とは言え油断しすぎですよ」
隊長と呼ばれた男の後方からその様な言葉が飛んでくる。
どうやら、何時の間にかに少し背が高くなっている草むらの中にモンスターが息を潜めていたらしい。そして、それにいち早く気がついた遠距離攻撃担当の者が、射撃武器を用いてモンスターの頭を華麗に撃ち抜いていた。
「おっとすまん。こうも一方的に近い状態で殲滅が出来るとなぁ」
「優秀すぎるデータと信頼が置ける者が背後にいると……っと、これは少し気が緩みすぎですね」
気合を入れるためにパンと頬を挟むように叩こうとして……ふと手を止める。
「あぶな……強化外骨格を纏ったままやったら顔が潰れてしまう」
「……まだまだ気が抜けてますねぇ。フェイスガードを装備しているのですから、挟んだとてダメージは無いでしょうに」
「潰れはしないだろうが、かなりの衝撃が脳に入るかもしれんな」
雑談をしながらのダンジョンアタック。
本来であればこのような真似は行うべきでないのだが、正確過ぎる情報というのは心に余裕を持たせてしまうものらしい。
もしこのダンジョンアタックを行っている者達が彼らでなければ大怪我をしていただろう。だがしかし、現在の自衛隊の方針として真に未熟な者がこのダンジョンへとアタックする事はない。そもそも、そのような者ならまず選ばれる事すら無い。
少々気を緩ませて会話をしていようとも、何とかなるような者達が選ばれている。いるのだが……それとこれは話は別。
「もう少し緊張感を持ってください。データ漏れは……無いと思いますが、イレギュラーが発生しないとも限らないのですから」
「そうだな。ダンジョンは我々の知らない常識が支配する空間だったな」
そしてまた、こうして直ぐにリカバリーが出来るスキルを持っている。持っていなければ……特殊部隊の人間としては失格だろう。失格判定を受けてしまえば、地獄の訓練からやり直せという烙印を押されていたに違いない。
「……っと、言った側から何やらイレギュラーっぽいモノが起きているみたいですよ」
「フラグを建てるから」
彼らの視線の先。其処にはどう見ても〝人〟のような形のモノが倒れている。しかも複数。
これは異世界人か? と考え、どのような人物だったとしても良いように警戒をしながら自衛隊員達は倒れているモノに近づいて行った。
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