プールの運営を開始しました……早過ぎる? そりゃ、チートで作れるんだから早いに決まってる
巨大プール施設の建設。その工事が開始されてから、まるで雨後の筍の如く建築は進んだんだ。本当に、建物が、にょきにょきと伸びるように。
いやはや、ほんのちょっとだけの島チートと、魔法に獣人さん達のパワー。これが合わさるだけで重機なんて目じゃないレベルで物が出来上がるんだから……恐ろしいものだよ。
ただ、島の能力を全開で使えば1秒ほどで物はつくれるんだけどさ……でもそれだと、皆で頑張って造った達成感とか一体感が無いよね。やっぱり設計などの段階であれこれ皆で考えたんだから、どうせなら箱物も皆で造る方が良い。
なので、島のシステムチートはほんのちょっと。やった事と言えば、土台の整備と延々と湧き出る水の用意ぐらいかな。
あぁ! ちなみに、獣人さんやエルフさんの願いである〝レスキュー訓練施設〟は別に用意した。……まぁ、レジャー施設の隣に大きな建物を作りその中に用意したって感じかな。
そっちの施設では、基本的に重装備をしながらかなり深いポイントまで潜って100キロ程の荷物を回収したり、嵐の海を再現した環境の中で泳いだりと……まぁ、実際にはやらないだろうって内容の訓練まで出来るようになっている。
逆にレジャー施設の方はかなり平和なモノだ。波が出るプールも、嵐の時の建物が襲ってくるような波じゃないしね。あくまでも、小さい子が楽しめるようにしてある。
「ただ、これだけの施設だからか……使った面積が1種族の居住区並になってるんだよなぁ」
多分だけど、全部を回ろうと思ったら1日じゃ無理なのでは? いや、そもそも訓練施設の方まで回ろうと思う人はごく少数だろうけど。
「でも、結構みんなの要望通りになったんじゃない?」
「……お食事処がある」
「細かくトイレも設置してあるじゃん」
「個人的には、やはり水中で魔法の特訓が出来る施設も必要だったと思うのだけど……」
いや、流石に水中での魔法訓練を行うには敷地が狭すぎるかと。正直、魔法訓練は塩湖でやってくださいってレベルだと思うよ。
「それにしても、この水って本当に不思議だよね」
「えっと、循環しているって話だったわよね……島のシステムを使って」
「チート過ぎじゃん」
普通に考えたら、島チートをそんな事に使って良いのか? って思うんだけど、実はこの話ってシステムさん達が乗り気だったんだよね。
なにせシステムさんに対して「水の循環システムをプールで使って良い?」って聞いたら、とても良い顔で「私達も利用したいからやっておしまい!」ってキリッとした表情をしながらサムズアップで返事をしてくれたんだ。……もちろん、顔文字でだけど。
そしてまた、どうやら他の神様達もプールには興味津々のようで。
「まさか、神出現注意の看板が必要になるとは……いやまぁ、神獣が我が物顔で泳いでいるんだけどさ」
「よく子供達が神獣達の背に乗って流されているそうよ」
彼女達の会話から分かるように、既にプールは営業を開始していたりする。そして、桔梗さんが言うように、初日から神獣達が子供達と自由気ままに楽しんでいるという訳だ。
ただ、思うんだよね。神様降臨! となって、楽しく遊んでいる場がフリーズしてしまわないか? って。神獣達に関しては、もう既に住民達が慣れ親しんでいるみたいだからね。ぶっちゃけ、目を逸しているとも言えるけど。
「ユグちゃん達が現れた時が大変そうだよね」
「……ユグちゃんは乗り気」
そうなんだよなぁ。システムさんに次いでユグちゃん事、世界樹の精霊が一番プールに興味津々なんだよなぁ。
いやぁ、正直な話。彼女が現れたらエルフさん達はいったいどうなっちゃうのでしょう? 獣人達の神獣に対する対応みたいに、そっと目を逸してくれるのか、はたまた大げさに崇めだすのか。……プールという施設の場で。
正直、予想がつかなくて困るんだが! ただ、だからこそ〝神出現注意〟の看板を作り、其処に〝彼らは休みながら遊びつつ、皆さんのとの交流を楽しむために来ています。必要以上に敬った態度を取ったりしないように〟と注意書きをしたんだけど。……はてはて、どうなるやら。
あぁ、そうそう。この注意書きの内容はシステムさん達の要望だったりする。プールで遊んでいる普段の皆を見たいそうなんだ。
「そういえば、訓練施設の方は?」
「……嵐の海が大人気」
「獣人さん達、泳げるようになるとこぞって嵐の海を再現したプールに突入するんだっけ」
そうなんだよね。なんかもう、ストイックに「特訓だぁぁぁぁ!」と叫びながら泳ぎの練習をしては、溺れかけたりしているらしい。ただ、それでも「安全に訓練出来るのだからチャレンジあるのみ!」と、楽しそうに笑みを浮かべているのだとか。
「そもそも、嵐の海でレスキューをするような事態にならないようにするのが大切なんだけどね」
「更に言うと、嵐の海でも〝錬金人魚達〟が居るから大丈夫ではあるんだけどなぁ」
ただそれでも、もし子供達が海で事故などに巻き込まれたらと思い特訓をしているんだとか。実に家族愛が深いって事で良いのかなぁ。ぶっちゃけ、嵐の海の再現を楽しんでいるだけなのでは? と思わなくもないんだけど。
「救助自体は錬金人魚達が出来るとしても、事故に巻き込まれた時に自力で助かる選択肢があるのは大きいもの。訓練をしていて損は無いわよ……ただ、嵐の海ではなく潜水訓練の方が良いとは思うのだけど」
そこはもう、訓練をしているのが獣人さん達だからと思うしか無いかなぁ。
後は……そうそう。男子達が「プールの水を割って船やロボが出現する機能が必要だ!」なんて言っていたけど、今回それは申し訳ないが組み込まなかった。
てか、ぶっちゃけ……ソレをやるなら〝塩湖のプール〟の方でも良さそうだし。ただ、拡張工事は必要だろうが。
それと、俺個人としてはって話ではあるんだけど……プールの水を割るより、海中から出現する方が良いかなぁ? なんて思ったり思わなかったり。船が海水を持ち上げつつ滴らしながら出現する。このシーンってすっごく良いと思うんだよね。
ともあれ、今のところは運用に問題は無い。まだまだ細かくチェックは必要だろうけどね。ただ、専用の錬金人形やプールの仕事に就いてくれた人達が居るから、しっかりと報告はしてくれると思う。なので、後はその報告が上がった時にどう行動するかって感じで、このプール開発に関しては俺の手から離れたと言って良いかな。
さて、後はどれだけの人が楽しんだり水泳の訓練をしてくれるだろうか。それと、先程いった懸念である〝神の出現時〟にどうなるか。少しの心配は残っている。いるが、折角作ったんだ。今度は開発した者としてではなく、フォゥ達を連れて遊びに行くとしよう。使い心地を試すには、自分達で遊ぶってのも良いデータ取りが出来るしね。
ブックマークや評価等ありがとーヾ(*´∀`*)ノ




