どんどん運び出すよ!
「そう言えば、離島からは意外な物が持ち出されているんだって」
そんな七海さんの言葉に耳を傾けると、その持ち出されている物と言うのは……其処まで意外という程の物ではなかった。
「いや、それって離島の特性を考えたら当然だと思うよ」
「そうよね。むしろ積極的に持ち出すべき物ではないかしら」
俺と桔梗さんがそう告げると「えー」と口を研がさせる七海さん。ただ、現代の街で普通に生活していたら意外と思う人もいるのかも知れない。
というのも、持ち出されているというのが〝木材〟なんだよね。そして、島というダンジョンの特性を考えれば、伐採時の危険性について少し目を瞑る事が出来ればかなり有用だったりする。
何せ島産だからね。それも、伐採する木材が生えているエリアが深ければ深い場所ほど成長があっという間だ。それこそ、ストーン・サークルのエリアなんかで伐採を行えば、島もとい〝ダンジョンのエリア修復能力〟みたいなものによって、数日の間には元通りになっている。……まぁそれは、奥に行けば行くほど魔力が濃いから可能な内容なんだろうけど。
「ただ、加工は難しいけどね」
「竹とかも持ち出しているみたいよ」
う、植えなければ大丈夫かな? きっと竹炭とかにでもしているのだろう。
「建材や燃料として使えるからね。島産の炭による焼き鳥とか……あ、お腹が空いてきそう」
「……今日は焼き鳥」
木材以外にも、砂や石材等も持ち出しているとか。
「まぁ、魔力があれば修復されるから大丈夫と言えば大丈夫なんだけど」
「島で使える魔力量も、トンネル事件の後から一気に増えているっぽいしね」
そうなんだよね。ぶっちゃけ、島の魔力濃度が結構な勢いで上がっているから何かで消費しないとやばいのでは? という危機感が無いわけではない。なので、こうして〝島の修復〟に魔力を使う状況と言うのはある意味で有り難いんだよね。
ただ、それでも間に合わないレベルで魔力濃度がガンガンと上がっているんだけど。……これ、この調子で上がっていったら、赤ちゃんだけでなく幼児や下手をしたら小学生まで隔離生活なんて状況になりかねない。
なので、何処かで上手く調整をしないといけない。……とは言え、世界がどれだけ〝島の資源〟を欲するかによっては、その調整内容も随分と変わるんだけど。
「でも、なんで木の成長は早くて、穀物とか果物とかの成長は木より遅いんだろう? ぶっちゃけ、食べ物の成長速度が早いほうが嬉しいじゃんか」
「あー……そこはモンスターの住処ってのが関わっているみたいだよ」
木々に住んだり隠れたりするモンスターが居るからね。なので、木の方がどうしても成長が優先されるみたい。それと同じで、草原などのマップだと雑草の成長は恐ろしく早い。
とにかく、モンスターの家や隠れポイントになる物は、それだけ修復速度が早いって事だね。だから、洞窟内も穴ぼこだらけにした後は直ぐに元通りという訳だ。お陰で採掘が捗るわけなんだけど。
「全てはモンスターの生活に適した環境作りってやつだね」
「モンスターが優先だったのかぁ」
そうそう。穀物とかの育成が早いのも、モンスターの食事の為だから。ただ、此方は俺達が採取なんてしなければ、十分に回せるだけの量がエリア内に存在するから、成長速度も優先順位が低いといった感じかな。
ま、一番優先されるリ・ポップはモンスターなんだけどね。
「因みに、この設定は変更が不可能だったりする」
「となると、全ては魔力濃度次第?」
そうなるかな。魔力濃度が高ければ高いほど、割り振れるだけの魔力ポイント的なモノが用意されるからね。
「とは言え、先程も言っていたように魔力濃度が高いってのは子供にとっては毒だから」
「バランスが大変なのよね」
そろそろ新しい離島を作るべきだろうか。しかし、離島を作ったら作ったで、今度は枯渇する方向に進まないだろうか? と言った感じの悩みが尽きない。
なので、現在は対処療法として、わざとエリアボスをリ・ポップさせソレを討伐したりしていたりする。
本来のエリアボスは一度倒した場合、リ・ポップをしないんだよね。ただ、討伐した事があるメンバーで組んだPTがエリア内に居る場合はだけど。
そこを、無理やり、設定でエリアボスを出している。なので、かなりの魔力を消費する事が可能。まぁ、消費した分の魔力は魔石とかドロップ品に化ける分と、再び魔力に戻って島を漂う分に分かれるけどね。
「……ボスラッシュの開催」
「お陰でドロップ品にレベリングが捗るよね……主に上限突破をしていない人達の」
エルフさんとか獣人さんにクラスメイトの家族とか。皆さんいい感じでレベルがガンガンと上がっているんだよね。そのうち、子供以外は全員レベルがカンストするのでは? と思う勢いなんだ。
ただそうなってくれれば、その分だけ島の安全が確保出来る事に繋がるからどんどんやれ! って感じだけど。
しかしその分、問題が発生しない訳では無い。
「獣人さん達、模擬戦を! ってヒーローくんによく挑んでいるよね」
「たまに俺も誘われるんだけどね……開発があるからってスルーさせて貰ってる」
流石、戦闘民族とでも言えば良いのだろうか。強いものにとにかく挑む! そして、糧にしていく。そういう考えが強すぎる。
俺は言ったように模擬戦には不参加だけど。俺以外……そう、ケージやリューが参加していたりするんだよなぁ。特にリューなんかは、ほら、最初の出会いが出会いだからね? 強さを既に認識されているわけで。
「魔法を使う相手に対処するための特訓がしたい!」
と言ったのは、いったいどの獣人だろう? うん、多分だけど全員だ。
そして、そんな獣人に当てられてなのか、リューもリューで「余も魔法を抜けて来た者に対する対処法を学びたい」と言い出し、なんかいい感じで武闘交流を行っているんだよね。
そして、そんなリューの保護者としてケージが付いているわけなんだけど、彼はどうやらアドバイザーみたいな事をやっているらしい。
と、少し話が反れたな。まぁ、リュー達や獣人達がかなり上手くやっているってのは良いことという事で。
話を戻すと、モンスターのドロップ品や食材以外にも離島からはどんどんと資源が持ち出されている。ただ、ソレだけでは島や離島の魔力濃度の消費が追いついていない。
設定を弄ってエリアボスを出してはいるけど、それも焼け石に水といった程度。しかし、新しい離島を作るには少し心もとない。
こうなると、何か良さげな資源を離島に生やすか? もしくは宝箱の数を増やすとか……うーむ、何か良い手があれば良いんだけどね。
そしてまた、この魔力濃度が上がる現象だけど、どこまで上がるのだろうか。
ソレ次第では、離島をポンポンと生み出すのも吝かではないのだけど。何時どのタイミングで頭打ちが来るのか、それさえ分かればなぁ。色々と計画を立てる事が出来るというのに。
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