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3人揃えば文殊の……ではなく、歯止めが効かない

 自機とリュー機の修理が終わり、リューの機体の解析を行った後は両機の改良に手を付ける。そしてまた、それと同時に大量のデータを基にした量産機の計画も立てていく。

 今までだと量産機なんてのは夢のまた夢といったレベルでハードルが高かった。何故なら動かすための魔力、そしてまた稼働の為に使う魔力を受け止められるだけの素材の強度。これらの問題がどうしても大きな壁として俺達の前に立ちはだかっていた。


 だがここで、リューの機体から手に入れた情報により一筋の光を見出す事が出来た。


「浮遊物質を使えば、各パーツに掛かる負荷も抑えられるはず」

「自重って割りとダメージが入るものだしね」


 どれだけ軽い素材を用いても数トンを超える重さを、二足歩行という脚だけで支えている。そしてまた、その脚も細かく動かすために小さなパーツが用いられているわけで……。


「魔力が無限で使えたり、リューほどの魔力の持ち主なら素材の自己修復に使う魔力量もカバー出来るけど……」

「量産機で人が使うとなると無理があるよね」


 そこで輝くのが浮遊物質というわけだ。特に関節部などの場所に掛かる負荷を抑える事ができれば、ソレだけで魔力の消費を一気に解決する事が出来る。

 欠けた物を修復するよりも、ちょっと浮かすだけの方がまだコストが良いって事なんだよね。


 そんな感じで、俺達4人は今日も今日とて機体の改良と量産機の計画を進めていった。




◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 リューが島に来てから大体2月ほど経った。漸く機体の改良が終わり、量産機の開発もスタートさせる事が出来るようになった。


「てか、量産機計画がここまで遅れたのって、改良中に色々と仕込みをしたからだよね」

「あはは……いやまぁ、沢山アイデアが溢れてきたからね」


 切り札の量産。これはロマンを求める者としてはある意味で仕方がない話だと思う。


 と言うよりも、こうして耳に痛い言葉を言っているのはブラスミさんだけど、彼もまた俺達と一緒に盛り上がっていた人物の一人なんだけどね? 自分の事は棚上げかな。


「いや、僕は事実を言ったまでで、僕自身にも戒めとして、自分に対しても言い聞かせているんだよ」

「あー……まぁ、改良中の事を実際に言えるのはケージだけだよね」

「んむ……余もつい盛り上がってしまったのだ」


 3人が3人とも〝アレを搭載したい〟だとか〝この機能を付け加えたらどうだろうか?〟といった会話で、昼夜問わず語り合っていたからね。……それでどれだけ女子達に注意された事か。

 でも仕方がないよね! だって楽しいんだもん。


 因みに、ケージ自身は言える立場ではあるんだけど、実際には〝ただただリューが楽しそうなのを微笑ましく見ていた〟から言葉を発していなかっただけだったりする。




 ともあれ、2機の改良が終わった為に島の戦力は格段と上昇したと言って良い。

 機体自体も、以前より継戦能力が格段と伸びたしね。これで安心して量産機を作ることが出来るってモノだ。


「とは言え、量産機のベースとなる物だから、どうしてもシンプルな物にしないと」

「島で使っている強化外骨格と同じで、拡張性が大切だよね」

「思うのだが、最初から強い機体を用意してしまえば良いのではないか?」


 リュー君や……君のロボ道はまだまだだと言わざる得ないね。


 確かに最初から強い機体。そう、俺やリューの機体みたいなのは確かに良い物だ。ただし、これらは基本的に乗り手を選んでしまう。であれば、それはもう〝量産機〟と言えない。

 だがしかし! 確かに強い機体も欲しい。それならどうするのか? そう、そこは〝量産機〟の〝カスタマイズ〟で補う。


「量産機による◯◯専用△△ってのは、太古からあるロボアニメから受け継がれているロマンの1つなのだよ」

「そうそう。しかも近距離特化とか遠距離特化といった特化機にするのも〝乗り手〟によって変更可能にするんだよね」

「……ほぅ。それは中々面白そうな仕込みであるな」


 後は合体系だろうか。ヒーロー君専用の量産機には合体機能をつけるというのも面白い試みな気がする。


「戦闘機とか車を合体させて……」

「勇者系にするの? かなり難しいと思うんだけど……でも面白そうだね」


 ふっふっふ……と目に怪しい光を灯したブラスミさんがニヤリと嗤った。

 それをみたリューはというと……ゴクリと生唾を飲みながら〝勇者系とは!?〟と行った感じで興味津々の様子。


「あ、後は音楽隊用の量産機とかは?」

「でっかいスピーカーでも肩に乗っけるとかかなぁ」


 流石にキーボードやギターを操縦桿には出来ないから、そこは2人乗りといった感じになりそうだけど。


「ふむ……あの聖歌隊を移動させるようにするという事か?」

「そうそう。本当なら巨大な戦艦でも作って、そっちで音楽隊を運用する事が出来たら良いんだけどね」


 現状だと戦艦を作るのは難しいからね。一応、計画としてはあるんだけど流石に素材が足らなさ過ぎる。


「錬金ロボ用の浮遊型空母の設計図だけは出来ているんだけどね」

「既に設計済みな事に余は驚愕を覚えるぞ」


 そりゃもう、こっちの世界の人間からしてみれば、ソレぐらいの事は嗜みみたいなものだからね。

 ロボだけ作って母艦を作らないとか、そんな浅い考えを持つ人なんてロボ好きには居ないって話だよ。

ブックマークや評価等ありがとうございます(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)ペコリ♡...*゜

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― 新着の感想 ―
[一言] 巨大戦艦型作ってその上に特設ステージ設けて聖歌隊に歌ってもらうとか… 人数が多いからちょうど良い手段が思い浮かばないな。 人数が少ないならどこぞの「俺の歌を聞けぇぇ!」さんみたいにスピーカー…
[一言] 浮遊物質があれば空母もかなり作りやすくなりそう。 聖歌隊は普段使いにトラックステージコンテナみたいなもの欲しいところ、欲を言えばそれが変形してロボになるとか。
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