発覚!?
――深夜。
もう既に皆が眠っているであろう時間。色々と考え事をして眠っていなかった俺だが、そろそろ眠るかな? と横になったタイミングで突然、声を掛けられた。
「ちょっと話がある」
神妙そうな顔をしながら、いつの間にかに部屋に入ってきていたのは2P君。
最近ではもっぱらリューと一緒に眠っている彼だが、今日は他の人には聞かせられないような話があるのか、こうして俺の部屋へと現れた。
しかし……何と言えば良いのだろう。こうして2人きりになると不思議な感覚を覚える。何故なら相手は、俺にそっくりだけど色違いという錬金人形だ。
身長や手足の長さなどは俺のデータを使ったのだが、それは当たり前の話だけど、その方が彼の依代として最適だろうと思ったから。
ただ顔に関してはなぁ……彼が錬金人形へと憑依すると、確実に俺そっくりになるんだよね。まるでソレが当然の在り方だといった感じに。でも、ほんのちょっと違う部分もあるんだけど、本当に微々たる差というかなんというか。
ともあれ、なんか鏡の前にたったら、自分の鏡像が勝手に喋りだしている。そんな気分にもなってしまうんだよね。
「お守りを飲み込んだからこうなったんだ。今となってはどうしようもないから諦めた方が良い」
あー……それは確かにそう。よくよく考えると、天使も悪魔も何処か俺をデフォルメして天使化とか悪魔化した感じだしね。ただ、そっちの2体の場合はデフォルメされている分、自分とそっくりではないから気にならないんだ。
とと、2人きりでの対面って事で思考が明後日の方向に飛んでいるな。ここは話を戻そう。
「で、何か用事があったんだよね?」
「用事と言うか、伝えたほうが良いだろう話だ」
はて、いったいどんな話じゃろか。もしかしてリューの事に関係する話だったりする?
「その事に関係もしている。なぜ僕がこうも動いているのかだけど……」
2P君による話の内容。それは恐ろしいほどとんでもない内容で……思わず俺は自分の体が心配になるようなモノだった。
「えっと、俺の体に問題は無いよね」
「……既に問題がある状況だと思うんだが? 何せ3体もの精神体を裡に抱えていたんだぞ」
それを言われたら、まったくもってその通りなんだよなぁ。
何故、俺がこうも心配をしてしまったのかなんだけど、ソレはお守りを作るために使った素材が素材だったから。
なんでも2P君も天使や悪魔達も、どんな素材が使われていたのかは知らなかったそう。いや、世界樹関連の物を使ったと言うのは知ってはいたんだけども。
ただ、コアとなる部分が全く知らなかった……と言うか、彼らは思い出せなかったらしい。しかし、リューとの接触でその素材が何だったのかを思い出したのだとか。
「……まさか魔王の魔核が使われていたとか」
「モンスターで言うところの魔石みたいなモノだな」
魔族が持つ魔石のような物。ソレをおばあちゃんは魔王に託され、お守りとして加工したらしい。……一応お守りにするというのは、魔王の許可済みだったらしいんだけどね。
ただ、俺……そんなモノで作られたお守りを飲み込んじゃったんだよなぁ。大丈夫だよね? 人間辞めてないよね? と、心配になるのは当然だよね。
まぁ、これまで見た目に変化が起きたとかってのは無い。どうみても角や翼とか尻尾が生えてきてなんていない。だから大丈夫だとは思いたい。
てか、多分だけど、そういった要素は全て3体の精神体に受け継がれたのではなかろうか? 俺が持っていた負の感情とかと共に。
しかし、そう考えるとだ……。
「特に強さとか色んな意味で色濃く魔王的なモノを受け継いでいる2P君は、ある意味で魔王の転生体みたいなものになるのかな? そう思うと、君がリューに気を掛けるのも理解が出来る」
「色々と影響を受けているから全く同じとは言えないがな。魔王の事についてはなんだ……どちらかと言うと、物語を見ているといった感じだな」
あれかな? 映画とか漫画で魔王の一生を知ったと言った感じなのかな。
「ただ、残滓とでも言えば良いのか? ソレが訴えかけて来るんだよ。リューを頼むと」
薄っすらと残っている魔王の魂の叫びだろうか? 本来なら魔王としてみれば、自分の子供を自分の手で育てたかっただろうしね。
そしてソレは、2P君にとってはある意味で魔術的な契約が行われているような状態で……。
「引っ張られるからなぁ。けっこう大変だぞ? 僕としてはそういうつもりがなくても、他の誰かがリューと仲良くなっているのを見るとイラッとする」
魔核により前世的なモノを思い出し、リューと繋がりが出来てしまった事で起きている現象といった所だろうか。
ただ、どうやら2P君も現状に困惑しているみたいだ。でもそれはそうだよな。いきなりそれなりに大きい子供が出来たようなモノだし。
「それでどうするの?」
「とりあえず、リューの事はこれまで通り僕に任せてほしい。色々と魔法とかも教えたい……って内側から訴えられていてね。逆らおうとすると頭痛と吐き気が酷くなるんだ」
それはまた……まぁでも、精神世界で眠っているよりは良いんじゃないかなって思わなくもない。
「と、そういえば魔族の神は大丈夫なの?」
「それは既にシステムが動いているから大丈夫だな。暫くすれば、魔族の神もこの島にやってくる手はずになっている」
それなら近い内に、コールドスリープされている魔族達も目を覚まさせる事が出来るかもしれないね。
「そうそう。ソレに伴って1つ頼みが有る」
「いったいどんな内容? 体のメンテナンスなら問題ないと思うけど、強化だったら今暫く待ってほしいかな」
「そういった話じゃない……あのな? いい加減、2P君呼びは止めてもらえないか?」
あ……確かにこれまでの話の流れ的に、2P君呼びをリューの前続けるのは気になるよね。でも、名前はどうしたら良いかわからないよ? だって、名前を決めようにも難しいモノがある。
「安易には決めれないかな。何せ〝魔王〟の名前と近くなると、それだけ引っ張られるでしょ」
「それは分かっている。だから出来れば和風の名付けで頼む」
和風……和風ねぇ。となると、魔王時代の名前は聞かないほうが良さそうだ。後はこちらの世界との繋がりを考えると……俺に近い名前が良いだろうか。そうすれば、少なくとも魔王には引っ張られないはず。それに、俺側に引っ張られるといっても、既に顔がそっくりだからね。ぶっちゃけ問題なんて無いと思う。
「そうなると……そうだ! ケージとかはどう?」
「カタカナなのか?」
「俺と同じ漢字を使うってのもね。それはそれでこっちに寄り過ぎな気もするから」
それにほら、なんだか無双でも出来そうな名前じゃん。ただ、彼の場合は魔法での無双になるけどね。
「朱槍とかいる?」
「いらん。むしろ変な方向に言霊で引っ張られそうだ」
ま、そうだよね。ともあれ、これから彼は2P君あらためケージ君で良いだろう。後で皆に伝えておかないとな。
「で、話はこれで終わりかな?」
「だな。もう良い時間だし眠らないとな……リューが起きて僕を探す為に彷徨いかねない」
おやおや、思いっきり魔王の残滓に引っ張られてるなぁ。
でもまぁ、なんの興味も持たなかった彼が、こうして困惑しながらも他を気にかけているってのは見てみて嬉しいものがある。思わずガンバレ! と応援したくなるぐらいに。
朝、俺のスマホにはものすごい数の連絡が入っていた。
なんぞや? と思って目を通してみると、どうやら鈴木さんから大量の通信があったようで、その内容が……。
――至急連絡されたし。
現在、畠山氏から〝大空を飛ぶロボット〟に付いての質問が来ている。俺の方でなんとか誤魔化しているが、どうやら結界ぎりぎりの所を飛んだ時、衛星写真に写ってしまったらしい。
という物だった……さて、これは困ったな? 多分だけど戦闘中に結界のラインを気にする余裕なんて無かったから、ほんの少しだけ俺の機体がライン超えをしてしまったのかもしれない。
リューの機体が写っているかどうかで、また話は変わるんだけど……いったい相手はどんな情報を持っているのだろうか。先ずはソレを知りたいんだけど、素直に教えては貰えないよなぁ。
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